シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転を検討している経営者や総務担当者の方々に向けて、移転の手順と注意点を詳しく解説します。初期コスト削減の方法も含め、スムーズな移転を実現したい方は、ぜひ参考にしてください。
前提|状況に合わせて最適なオフィス形態を選ぶのが重要
シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転を検討する際、まず押さえておきたいのが、自社の状況に合わせて最適なオフィス形態を選ぶことの重要性です。
シェアオフィスには柔軟性や初期コストの低さというメリットがある一方、賃貸オフィスにはプライバシーの確保や自社ブランディングの強化といった利点があります。
どちらが自社にとって最適かは、事業規模や成長段階、業務内容によって異なるため、慎重に検討する必要があるでしょう。移転を決断する前に、現在の課題や将来のビジョンを明確にし、それぞれのオフィス形態のメリット・デメリットを比較検討することが大切です。
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よくあるシェアオフィスからの移転理由
シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転を考える企業が増えています。その背景には、事業の成長や経営戦略の変化など、さまざまな理由があります。
事業拡大に伴うスペース不足
シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転理由として最も多いのが、事業拡大に伴うスペース不足です。従業員数の増加やビジネス規模の拡大により、既存のシェアオフィスでは手狭になってくることがあります。
特に、新たな部門の設置や大型の機器の導入が必要な場合、十分な作業スペースの確保が難しくなります。また、会議室やミーティングスペースの不足も大きな問題となるでしょう。
賃貸オフィスであれば、自社のニーズに合わせてレイアウトを自由に設計できるため、効率的な業務環境を整えることができます。成長を続ける企業にとって、十分なスペースの確保は生産性向上の鍵となるのです。
プライバシーとセキュリティの確保
シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転を考える理由として、プライバシーとセキュリティの確保が挙げられます。シェアオフィスでは他社と共有スペースを使用するため、機密情報の管理や重要な会話の保護が難しい場合があります。
顧客データや新製品の開発情報など、競争力に直結する情報を扱う企業にとっては大きな懸念事項となるでしょう。
賃貸オフィスでは、入退室管理システムの導入や専用のサーバールームの設置など、自社のセキュリティポリシーに合わせた対策を講じることができます。また、来訪者の動線管理も容易になるため、より安全な業務環境を構築することが可能です。
自社ブランドの確立と企業イメージの向上
自社ブランドの確立と企業イメージの向上も、シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転を検討する重要な理由の一つです。シェアオフィスでは、オフィス環境を自社の個性や理念に合わせてカスタマイズすることが難しい場合があります。
一方、賃貸オフィスでは内装や設備を自由にデザインできるため、企業文化や価値観を空間に反映させることが可能です。例えば、受付エリアや会議室に自社のロゴや企業カラーを取り入れることで、来訪者に強い印象を与えることができるでしょう。
また、オフィスの立地や建物のグレードも企業イメージに影響を与えます。自社にふさわしい場所に移転することで、取引先や顧客からの信頼度も向上する可能性があります。
クライアントとの面談環境の改善
クライアントとの面談環境の改善も、シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転を決断する大きな理由となっています。シェアオフィスでは、専用の応接室や会議室が限られていたり、予約が取りづらかったりすることがあります。
これにより、重要な商談や打ち合わせを円滑に行うことが難しくなる場合があるのです。賃貸オフィスに移転すれば、クライアントの人数や目的に応じて、さまざまな大きさや雰囲気の会議室を用意することができます。
また、プレゼンテーション用の設備を充実させたり、商談専用のスペースを設けたりすることも可能です。このような環境整備は、クライアントとの信頼関係構築や商談の成功率向上につながる重要な要素となるでしょう。
長期的なコスト管理と固定資産の取得
長期的なコスト管理と固定資産の取得も、シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転を考える際の重要な要素です。シェアオフィスは初期投資が少なく、短期的には経済的ですが、長期的に見ると賃貸オフィスの方がコスト効率が良くなる場合があります。
特に事業が安定し、長期的な展望が見えてきた企業にとっては、賃貸オフィスへの移転が経済的に有利になることがあるのです。また、賃貸オフィスの場合、内装や設備投資が固定資産として計上できるため、税務上のメリットも得られます。
さらに、将来的には自社ビルの取得も視野に入れることができ、企業の資産形成にもつながります。このように、長期的な視点でオフィス戦略を考えることが、企業の持続的な成長につながるのです。
賃貸オフィス探しのポイント
シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転を決断したら、次は理想的な物件探しが始まります。この段階では、自社のニーズに合った最適なオフィスを見つけることが重要です。下記項目を参考に、効率的かつ効果的な物件探しを進めていきましょう。
予算と立地の優先順位付け
賃貸オフィスを探す際、最初に考慮すべきは予算と立地の優先順位付けです。予算は企業の財務状況や将来の成長予測を踏まえて設定しましょう。賃料だけでなく、敷金・保証金、内装工事費、光熱費なども含めた総合的な費用を考慮することが大切です。
立地に関しては、従業員の通勤のしやすさ、取引先へのアクセス、ビジネス環境などを検討します。
例えば、駅からの距離や周辺の飲食店の充実度なども重要な要素となるでしょう。予算と立地のバランスを取りながら、自社にとって最適な条件を絞り込んでいくことが効率的な物件探しにつながります。
必要な広さの算出方法
適切なオフィススペースの広さを決定することは、快適な職場環境を作る上で非常に重要です。一般的な目安として、従業員一人当たり3.3㎡(1坪)程度が必要とされていますが、業種や働き方によって異なります。
例えば、デスクワークが中心の場合は一人当たり4-5㎡、クリエイティブな作業が多い場合は6-7㎡程度が望ましいでしょう。また、会議室や応接室、収納スペースなども考慮に入れる必要があります。
将来の従業員増加も見込んで、余裕を持った広さを確保することをおすすめします。具体的な算出方法としては、現在の従業員数に加え、今後2-3年の増員予測を立て、それに基づいて必要面積を計算するとよいでしょう。
内覧時のチェックリスト
賃貸オフィスの内覧は、実際の空間を体感し、詳細を確認できる重要な機会です。効果的な内覧を行うために、事前にチェックリストを作成しておくことをおすすめします。主なチェックポイントとしては、天井高、自然光の入り具合、空調設備の状態、電源コンセントの数と位置、インターネット回線の速度などが挙げられます。
また、エレベーターの数や待ち時間、トイレの数と清潔さ、喫煙所の有無なども確認しましょう。建物のセキュリティシステムや24時間利用の可否なども重要です。さらに、周辺環境として、飲食店やコンビニの有無、駐車場・駐輪場の状況なども把握しておくとよいでしょう。これらの項目を細かくチェックすることで、より適切な判断ができます。
シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転の流れ
シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転は、綿密な計画と準備が必要な大きなプロジェクトです。スムーズな移転を実現するためには、段階的に進めていくことが重要です。
移転計画の立案とスケジューリング
移転計画の立案とスケジューリングは、スムーズな移転の要となる重要なステップです。まず、移転の目的や予算、希望時期などを明確にし、具体的な目標を設定します。
次に、物件探しから実際の引っ越し、新オフィスでの業務開始までの全体的なスケジュールを作成します。一般的に、移転には3〜6ヶ月程度かかることを念頭に置き、十分な余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
また、各タスクの担当者を決め、責任の所在を明確にすることも忘れずに。定期的に進捗状況を確認し、必要に応じてスケジュールの調整を行うことで、より確実な移転計画の実行が可能となります。
新オフィスの選定と契約
新オフィスの選定と契約は、移転プロセスの中で最も時間をかけるべき重要な段階です。前述のチェックリストを活用しながら、複数の物件を内覧し、比較検討を行います。候補が絞られたら、賃貸条件の詳細な確認を行いましょう。賃料や共益費、保証金などの基本的な条件に加え、契約期間、更新料、原状回復義務の範囲なども細かくチェックします。
また、内装工事の可否や電気容量の増設、看板の設置などについても、事前に確認しておくことが重要です。契約締結の際は、弁護士や不動産の専門家にも相談し、契約書の内容を慎重に確認することをおすすめします。これらのプロセスを丁寧に進めることで、将来のトラブルを防ぐことができます。
シェアオフィス退去手続きと引っ越し準備
新オフィスが決まったら、シェアオフィスの退去手続きと並行して引っ越しの準備を進めます。まず、シェアオフィスの運営会社に退去の意向を伝え、必要な手続きや期限を確認しましょう。
多くの場合、1〜2ヶ月前までに通知する必要があります。次に、引っ越し業者の選定を行います。複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や価格を比較検討します。また、社内の不要な書類や備品の整理も始めましょう。
この機会に、デジタル化できる書類はスキャンして電子保存するなど、業務効率化の取り組みも検討するとよいでしょう。さらに、新しい什器や備品の発注、インターネット回線の契約など、新オフィスで必要となるものの準備も並行して進めていきます。
移転作業の実施
移転作業の実施は、綿密な計画に基づいて効率的に進めることが重要です。まず、移転日の数日前から、段階的に荷物の梱包を始めます。重要書類や貴重品は別途管理し、紛失や破損のリスクを最小限に抑えましょう。
移転当日は、引っ越し業者との連携を密にし、スムーズな作業進行を心がけます。また、社内の担当者を配置し、荷物の搬出入の確認や、新オフィスでのレイアウト指示などを行います。電話やインターネットの開通確認、セキュリティシステムのテストなども忘れずに実施しましょう。
移転作業が完了したら、全ての荷物が揃っているか、機器が正常に動作するかなど、細かくチェックすることが大切です。最後に、シェアオフィスの鍵の返却や清掃などの最終確認を行い、移転作業を完了させます。
新オフィスでの業務立ち上げ
新オフィスでの業務立ち上げは、移転プロジェクトの最終段階です。まず、全従業員に新オフィスの利用ルールや注意事項を周知します。セキュリティカードの配布や、各種機器の使用方法の説明なども行いましょう。
また、デスクや共有スペースの使い方、会議室の予約方法なども明確にしておくことが大切です。業務開始直後は、IT機器やネットワークのトラブルが発生しやすいため、サポート体制を整えておくことをおすすめします。さらに、従業員からのフィードバックを積極的に収集し、必要に応じてレイアウトや設備の調整を行います。
新しい環境に慣れるまでには時間がかかりますが、定期的なコミュニケーションを通じて、より快適で生産性の高いオフィス環境を作り上げていくことが重要です。
移転の初期コストを削減する方法3選
シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転には、多くの初期コストがかかります。しかし、適切な方法を選択することで、これらのコストを効果的に削減することができます。やや工数が増える場合もありますが、大幅なコストが削減できるケースもあるため参考にしてください。
居抜き物件の活用でリノベーションコストを抑える
居抜き物件の活用は、初期コストを大幅に削減できる効果的な方法です。居抜き物件とは、前の入居者が使用していた設備や内装をそのまま引き継ぐことができる物件のことを指します。
オフィス家具や電話・インターネット設備、空調設備などが既に整っているため、新規に購入や設置する必要がなく、大きなコスト削減につながります。また、内装工事の期間も短縮できるため、移転のスピードアップにも貢献します。
ただし、自社のニーズや企業イメージに合致しているかを慎重に検討する必要があります。場合によっては、部分的な改修を行うことで、コストを抑えつつも自社に最適な環境を整えることができるでしょう。
必要最小限の備品で始め段階的に揃える
新しいオフィスへの移転時に、全ての備品を一度に揃えようとすると、初期コストが膨らんでしまいます。そこで有効なのが、必要最小限の備品から始めて段階的に揃えていく方法です。
まずは業務に直接必要なデスクや椅子、パソコンなどの基本的な備品から始めましょう。その後、実際の使用状況を見ながら、収納家具や会議室の設備などを徐々に追加していきます。この方法を採用することで、初期投資を抑えつつ、実際のニーズに合わせた効率的な備品購入が可能になります。
また、リース契約の活用も検討しましょう。初期費用を抑えられるだけでなく、将来的な環境変化にも柔軟に対応できるメリットがあります。
敷金ゼロ・フリーレント等の優遇サービスを利用する
賃貸オフィス契約時の大きな初期コストとして、敷金や礼金があります。しかし最近では、敷金ゼロやフリーレントなどの優遇サービスを提供する物件が増えています。
敷金ゼロ物件では、通常数か月分の賃料に相当する敷金が不要となり、大きな資金負担を軽減できます。フリーレントは、契約開始から一定期間の賃料が無料になるサービスで、内装工事期間中の家賃負担を軽減できるメリットがあります。
これらのサービスは、オフィス市場の状況や物件の条件によって提供される場合が多いため、不動産会社と交渉する際に積極的に問い合わせてみるとよいでしょう。ただし、契約条件全体のバランスを見極めることが重要です。
まとめ
シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転は、企業の成長段階において重要な転換点となります。本記事では、移転を検討する理由から、賃貸オフィス探しのポイント、移転の流れ、そしてコスト削減の方法まで幅広く解説しました。
移転を成功させるためには、綿密な計画立案と準備が不可欠です。予算と立地のバランス、必要なスペースの算出、内覧時のチェックポイントなど、細かな点に注意を払いながら進めていくことが重要です。
また、居抜き物件の活用や段階的な備品調達、優遇サービスの利用など、初期コストを抑える工夫も効果的です。本記事を参考に、自社の状況に合わせた最適な移転計画を立て、新たなステージでの事業発展につなげていただければ幸いです。
なお、当社では敷金減額保証だけでなくオフィス移転の仲介サービスも提供しております。
物件探しだけでなく移転に関してお困りの方はぜひご相談ください。

