セットアップオフィスとは、内装工事や什器の設置が完了した状態で提供される賃貸オフィスのことです。通常のスケルトン物件では内装工事費(坪30〜80万円)と什器購入費(1人あたり10〜30万円)で数百万〜数千万円の初期費用がかかりますが、セットアップオフィスならこれらがほぼゼロ。契約後すぐに業務を開始できます。
本記事では、セットアップオフィスの定義・種類・メリット・デメリットから、賃料相場や選び方のポイントまで網羅的に解説します。さらに、Growth Officeで実際に募集中のセットアップオフィスもご紹介します。
セットアップオフィスとは?
セットアップオフィスとは、貸主側が内装工事や什器の設置を完了した状態で提供する賃貸オフィスです。通常の賃貸オフィスでは借主が自ら内装業者と連携して工事を行いますが、セットアップオフィスでは会議室・執務スペース・受付エリアなどが既に整備されており、契約後すぐに業務を開始できます。
2026年現在、東京都心5区を中心にセットアップオフィスの供給数は拡大傾向にあり、建設資材の高騰や職人不足を背景に、ビルオーナー側もテナント誘致の手段として積極的にセットアップ仕様での貸し出しを増やしています。
セットアップオフィスの3つの種類
セットアップオフィスは内装や什器の整備レベルによって3つのタイプに分類されます。
| タイプ | 内装工事 | 什器(デスク・チェア等) | 入居までの準備 | おすすめの企業 |
|---|---|---|---|---|
| フルセットアップ | 完了済み | 完備 | PC持ち込みのみ | 即入居したいスタートアップ |
| 什器付きハーフセットアップ | 完了済み | 共用部のみ(会議室等) | 執務デスク等の手配が必要 | レイアウトをカスタマイズしたい企業 |
| 什器なしハーフセットアップ(内装付き) | 完了済み | なし | 什器の手配が必要 | 既存什器を持ち込みたい企業 |
フルセットアップオフィス
内装工事から什器の設置まで全てが完了している最も充実したタイプです。執務デスク、チェア、会議テーブル、受付カウンター、キャビネットなど業務に必要な家具が全て配置されています。PC・電話機を持ち込むだけですぐに業務開始できるため、初期投資を最小限に抑えたいスタートアップ企業や、急な移転が必要な企業に最適です。
什器付きハーフセットアップオフィス
会議室や受付エリアには什器が設置されていますが、執務室の什器は入居企業が用意するタイプです。フリーアドレス制を導入したい企業や、特殊な業務用機器を設置する必要がある企業にとって、柔軟性とコスト削減を両立できる選択肢です。
什器なしハーフセットアップオフィス(内装付きオフィス)
床材・壁の仕上げ・照明・空調は整備済みですが、什器は一切設置されていないタイプです。企業独自のブランディングを反映したい場合や、既存什器を移転先でも使いたい場合に適しています。内装工事の期間と費用は削減しつつ、什器選びの自由度を確保できます。
セットアップオフィスと他オフィスタイプとの比較
セットアップオフィスを検討する際、他のオフィスタイプとの違いを理解しておくことが重要です。
| 比較項目 | セットアップオフィス | スケルトン(通常賃貸) | 居抜きオフィス | シェア/レンタルオフィス |
|---|---|---|---|---|
| 内装工事 | 不要 | 必要(坪30〜80万円) | 一部必要 | 不要 |
| 什器購入 | 不要(備付) | 必要 | 一部流用可 | 不要 |
| 初期費用 | 低い | 非常に高い | 中程度 | 低い |
| 月額賃料 | やや高い(+10〜30%) | 標準 | 標準 | 高い |
| 自由度 | 低い | 最高 | 中程度 | 最低 |
| 契約形態 | 賃貸借契約 | 賃貸借契約 | 賃貸借契約 | サービス利用契約 |
| 原状回復 | 基本不要 | 必要(高額) | 条件による | 不要 |
| 入居までの期間 | 即日〜2週間 | 2〜3ヶ月 | 2〜6週間 | 即日〜数日 |
シェアオフィスやレンタルオフィスとの最大の違いは契約形態です。セットアップオフィスは通常の賃貸借契約を締結するため、法人登記や住所利用における制約が少なく、企業としての信用度も高く評価されます。
セットアップオフィスのメリット
初期費用を大幅に削減できる
セットアップオフィス最大のメリットは、オフィス移転の初期費用を大幅に削減できることです。通常のスケルトン物件では内装工事費だけで数百万〜数千万円かかりますが、セットアップオフィスなら不要です。さらに敷金0円のスタートアップオフィスを選べば、初期費用を引っ越し代のみに抑えることも可能です。
契約後すぐに業務を開始できる
セットアップオフィスは契約完了後、最短1週間程度で入居・業務開始が可能です。スケルトン物件では内装工事に2〜3ヶ月かかり、その間は旧オフィスの賃料も並行して支払う「二重賃料」が発生します。急な事業拡大や新規事業立ち上げでスピードを重視する企業にとって、この時間短縮効果は金額以上の価値があります。
退去時の原状回復費用がかからない
セットアップオフィスは内装がビル側の資産のため、退去時の原状回復義務が基本的に発生しません。通常のオフィスでは退去時に坪10〜12万円の原状回復費がかかり、30坪で300〜360万円、100坪では1,000万円以上になります。ただしクリーニング費用(賃料1〜2ヶ月分)が必要な場合があるため、契約時に退去条件を確認してください。
従業員のモチベーション・採用力が向上する
プロのデザイナーが設計した洗練されたオフィス環境は、従業員の働く意欲やエンゲージメントを高めます。また、求職者にとって働く環境は企業選択の重要な判断材料であり、デザイン性に優れたオフィスは採用成功率の向上にも寄与します。
セットアップオフィスをお探しの方へ
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セットアップオフィスのデメリット
月額賃料が通常オフィスより高い
内装工事費や什器費が賃料に含まれているため、月額賃料はスケルトン物件と比べて10〜30%程度高くなります。損益分岐点は一般的に3〜5年程度とされており、それ以上の長期利用ではトータルコストで通常オフィスが有利になる可能性があります。ただし初期費用の削減効果を含めた3年間トータルコストでは、セットアップオフィスの方が安くなるケースが大半です。
内装やレイアウトの自由度が低い
既に完成された内装やレイアウトをそのまま使用するため、企業独自のカスタマイズは基本的にできません。コーポレートカラーの反映や、特殊な業務に適したレイアウトが必要な場合は、什器なしタイプの選択や、スケルトン物件の検討が必要です。
物件数が限られている
セットアップオフィスは一般的な賃貸オフィスと比べて市場に出回る物件数が限られています。ただし2026年現在、都心5区では供給数が拡大傾向にあり、選択肢は年々広がっています。Growth Officeのような専門サイトを活用すれば、効率的に物件を探せます。
Growth Officeで募集中のセットアップオフィス
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セットアップオフィスの賃料相場(2026年最新)
東京都心5区におけるセットアップオフィスの坪単価は、2026年3月時点で25,000〜27,000円が平均相場です。エリアによって大きく異なります。
| エリア | 坪単価の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 渋谷区(渋谷・恵比寿) | 30,000〜40,000円 | IT・スタートアップに人気。供給数多い |
| 港区(赤坂・浜松町) | 28,000〜38,000円 | ハイグレードビルが多い。大企業子会社にも人気 |
| 千代田区(半蔵門・神田) | 25,000〜33,000円 | 官公庁・金融機関に近い。士業にも人気 |
| 中央区(茅場町・築地) | 22,000〜28,000円 | コスパが良い。比較的新しい物件が増加中 |
| 新宿区 | 24,000〜30,000円 | 交通アクセス抜群。営業主体の企業に人気 |
通常のスケルトン物件と比較すると月額賃料は10〜30%程度割高ですが、内装工事費(坪30〜80万円)が不要なことを考えると、3年以内の入居であればセットアップオフィスの方がトータルコストで有利になるケースが大半です。
セットアップオフィスがおすすめの企業
スタートアップ・ベンチャー企業
限られた資金を事業拡大に集中投資したいスタートアップ企業にとって、初期費用を大幅に削減できるメリットは非常に大きいです。事業の成長スピードが速く、数年後の再移転も見据えた柔軟なオフィス戦略が可能になります。
3〜5年以内に再移転を予定している企業
短期間での移転を前提とする場合、スケルトン物件の初期投資を回収する前に退去することになり、投資効率が悪化します。セットアップオフィスなら初期投資が不要で、原状回復費も基本不要のため、短期利用でもコストパフォーマンスを維持できます。
採用力を強化したい企業
プロがデザインした洗練されたオフィス環境は、求職者へのアピール材料になります。特にIT・クリエイティブ業界では、オフィス環境が採用成功率に直結することも多いです。
セットアップオフィスを選ぶ際のポイント
立地・広さ・契約条件の基本確認
まず立地(通勤利便性、取引先アクセス)、広さ(現在の人員+契約期間中の増加見込み)、契約条件(敷金、共益費、更新料、中途解約条項)を確認します。セットアップオフィスは選択肢が限られるため、優先順位をつけた条件整理が特に重要です。
デザイン性だけでなく動線・使い勝手を重視
見た目のおしゃれさだけでなく、会議室の配置・数、フォンブースの位置、執務エリアからの動線など、実務の使い勝手を確認してください。内見時には実際に座って作業する、会議室を使ってみるなど、業務を想定した検証が大切です。
賃貸オフィス・シェアオフィスとのコスト比較
初期費用の削減効果と月々の賃料上昇のバランスを、自社の入居期間の想定に照らして比較検討してください。3年以内ならセットアップ、5年以上なら通常賃貸が有利になるケースが多いです。
セットアップオフィスと居抜きオフィスの違い
セットアップオフィスと居抜きオフィスは、どちらも内装工事なしで入居できるオフィスとして混同されがちですが、実際には大きな違いがあります。最も重要な違いは「誰が内装を用意したか」です。
| 比較項目 | セットアップオフィス | 居抜きオフィス |
|---|---|---|
| 内装の提供者 | ビルオーナーが新規に設計・施工 | 前テナントの内装をそのまま引き継ぐ |
| 内装の品質 | プロのデザイナーが設計。統一感がある | 前テナントの趣味に依存。状態にばらつきがある |
| 什器(デスク・チェア等) | 新品が備え付け(フルセットアップの場合) | 前テナントの中古品。劣化している場合がある |
| 原状回復 | 基本不要(ビルオーナーの資産のため) | 条件による(前テナントとの取り決め次第) |
| 契約の安定性 | 通常の賃貸借契約。安定している | 居抜き部分の所有権が曖昧なケースがあり、トラブルリスクがある |
| 物件の探しやすさ | ブランド展開しているため情報が整理されている | タイミング次第。退去予定のテナントがいないと出てこない |
| 月額賃料 | 通常より10〜30%高い | 通常と同程度〜やや高い |
| 入居後のリスク | 低い(新品・保証あり) | 設備故障時の修繕責任が不明確な場合がある |
結論として、品質の安定性・契約の明確さを重視するならセットアップオフィス、コストを最優先で初期費用をさらに抑えたいなら居抜きオフィスが適しています。ただし居抜きオフィスは物件の状態が一件一件異なるため、内見時に設備の劣化状況や原状回復の条件を慎重に確認する必要があります。
Growth Officeでは、セットアップオフィスと居抜きオフィスの両方を東京のセットアップ・居抜きオフィス一覧から検索できます。
セットアップオフィスの費用シミュレーション:3年 vs 5年のトータルコスト比較
セットアップオフィスは月額賃料が高い代わりに初期費用が安い構造です。では、入居期間ごとのトータルコストはどちらが有利なのでしょうか。30坪のオフィスを想定したシミュレーションで比較します。
| 費用項目 | セットアップオフィス | スケルトン(通常賃貸) |
|---|---|---|
| 内装工事費 | 0円 | 1,500万円(坪50万円×30坪) |
| 什器購入費 | 0円 | 300万円(15名分×20万円) |
| 敷金 | 0〜6ヶ月 | 6〜12ヶ月 |
| 月額賃料(坪単価) | 30,000円(+20%) | 25,000円 |
| 月額賃料(総額) | 90万円/月 | 75万円/月 |
| 【3年間のトータルコスト】 | ||
| 初期費用 | 0円(敷金0円の場合) | 1,800万円 |
| 賃料3年分 | 3,240万円 | 2,700万円 |
| 原状回復費 | 約30万円(クリーニングのみ) | 約300万円(坪10万円×30坪) |
| 3年間合計 | 3,270万円 | 4,800万円 |
| 【5年間のトータルコスト】 | ||
| 賃料5年分 | 5,400万円 | 4,500万円 |
| 原状回復費 | 約30万円 | 約300万円 |
| 5年間合計 | 5,430万円 | 6,600万円 |
上記のシミュレーションから、5年間の利用であってもセットアップオフィスの方がトータルコストで約1,170万円安いという結果になります。これは内装工事費と原状回復費の差が大きいためです。月額賃料だけを比較すると通常賃貸の方が安く見えますが、初期投資と退去費用を含めた「入居から退去までの総費用」で考えると、セットアップオフィスの優位性は明確です。
ただし、7年以上の超長期入居を前提とする場合や、100坪以上の大型オフィスでは通常賃貸の方が有利になるケースもあるため、自社の事業計画に照らして判断することが重要です。詳しい費用シミュレーションについてはセットアップオフィスの初期費用シミュレーションもご覧ください。
セットアップオフィスに関するよくある質問
Q. セットアップオフィスとは何ですか?
内装工事と什器の設置が完了した状態で提供される賃貸オフィスです。契約後すぐに業務を開始でき、内装工事費・什器購入費が不要なため初期費用を大幅に削減できます。
Q. セットアップオフィスの賃料相場はいくらですか?
東京都心5区で坪25,000〜27,000円が2026年の平均相場です。通常のスケルトン物件と比べて10〜30%程度割高ですが、内装工事費が不要なためトータルコストでは有利になるケースが多いです。
Q. 原状回復費用はかかりますか?
基本的に原状回復費用は発生しません。内装はビル側の資産のため、テナント側の原状回復義務がないケースが大半です。ただしクリーニング費用(賃料1〜2ヶ月分)が必要な場合があるため、契約時に確認してください。
Q. どのくらいの期間で入居できますか?
フルセットアップオフィスなら、契約から最短1週間程度で入居・業務開始が可能です。通常のスケルトン物件では内装工事に2〜3ヶ月かかるため、大幅な時間短縮になります。
Q. セットアップオフィスのデメリットは?
月額賃料が通常より10〜30%割高になること、内装やレイアウトのカスタマイズが難しいこと、物件数が限られていることの3点がデメリットです。5年以上の長期利用ではコストメリットが薄れる可能性があります。
まとめ:セットアップオフィスで初期費用を削減し、事業成長に集中する
セットアップオフィスは、初期費用の削減と迅速な移転を両立できる合理的な選択肢です。特にスタートアップ企業や、3〜5年以内の再移転を見据えている企業には大きなメリットをもたらします。
Growth Officeでは、セットアップオフィスや敷金0円のスタートアップオフィスを多数掲載しています。自社に最適なオフィスを見つけたい方は、ぜひご活用ください。
