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オフィス退去費用の全体像|原状回復・違約金・敷金精算まで総まとめ【2026年版】

Growth Office編集部
オフィス退去費用の全体像|原状回復・違約金・敷金精算まで総まとめ【2026年版】

オフィスの退去には、原状回復だけでなく多くの費用が発生します。違約金、引越し代、IT撤去費、敷金の償却など、想定外の出費に悩む企業は少なくありません。

本記事では、オフィス退去時に発生するすべての費用項目を横断的に整理します。費用の全体像を把握したうえで、退去コストを最小化する具体的な方法もご紹介します。

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オフィス退去時に発生する費用一覧

オフィスの退去では、以下の費用が発生する可能性があります。まず全体像を表で把握しましょう。

費用項目概算の目安発生条件
原状回復工事費坪単価2〜12万円ほぼ全物件で発生
違約金(中途解約金)賃料3〜6ヶ月分定期借家・中途解約時
解約予告期間中の賃料賃料3〜6ヶ月分移転先と二重賃料になるケース
敷金(保証金)の償却敷金の10〜30%契約に償却条項がある場合
引越し・運搬費1人あたり2〜5万円必ず発生
IT・通信設備の撤去費50〜200万円LAN・電話・セキュリティ等
残置物の処分費数万〜数十万円不要な什器・家具がある場合
各種届出・手続き費用数万円登記変更・郵便転送等

50坪のオフィスの場合、原状回復だけで250〜400万円かかります。さらに違約金や引越し代を加えると、退去費用の総額は500〜1,500万円に達することも珍しくありません。

以下のセクションで、各費用項目を詳しく解説します。

原状回復費用の相場

退去費用のなかで最も大きな割合を占めるのが原状回復工事費です。オフィスの規模(坪数)によって坪単価が異なります。

オフィス規模坪単価の目安50坪換算の費用例
小規模(〜30坪)2〜5万円/坪100〜250万円
中規模(30〜100坪)5〜8万円/坪250〜400万円
大規模(100坪〜)8〜12万円/坪400〜600万円

原状回復費用は、内装の状態やビル指定業者の有無で大きく変動します。特にB工事(ビルオーナー指定業者による工事)は費用が割高になりやすいため注意が必要です。

原状回復の範囲・工事区分・費用を抑える方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

→ オフィス原状回復の費用相場と節約方法【詳細解説】

なお、セットアップオフィスであれば原状回復工事が原則不要です。内装付きで入居でき、退去時もそのまま返却できるため、原状回復費用を大幅に削減できます。

→ セットアップオフィスの退去ガイド

中途解約時の違約金・解約予告期間

契約期間の途中でオフィスを退去する場合、違約金が発生する可能性があります。契約形態によって条件が大きく異なります。

普通借家契約の場合

普通借家契約では、通常6ヶ月前の解約予告が必要です。解約予告を行えば、違約金なしで退去できるケースがほとんどです。

ただし、契約開始から一定期間内(例:2年以内)の解約に対して違約金を定めている契約もあります。違約金の相場は賃料の3〜6ヶ月分です。

定期借家契約の場合

定期借家契約は、原則として中途解約ができません。契約期間の満了まで賃料を支払い続ける必要があります。

ただし、以下の条件を満たす場合は例外的に中途解約が認められます。

  • 床面積200平方メートル未満の居住用建物である場合(借地借家法38条5項)
  • 契約書に中途解約条項(特約)がある場合

事業用オフィスの場合、200平方メートル未満の特例は適用されません。中途解約条項がなければ残存期間の賃料全額が請求されるリスクがあります。契約前に必ず確認しましょう。

解約予告期間中の二重賃料問題

解約予告期間中に新オフィスへ移転すると、旧オフィスと新オフィスの賃料が同時に発生します。これが「二重賃料」の問題です。

解約予告期間二重賃料の発生額(月額50万円の場合)
3ヶ月前最大150万円
6ヶ月前最大300万円
12ヶ月前最大600万円

二重賃料を最小化するには、移転スケジュールを綿密に計画することが重要です。解約予告を出すタイミングと、新オフィスの契約開始日をできるだけ近づけましょう。

フリーレント(賃料無料期間)を新オフィスで交渉できれば、二重賃料の負担を軽減できます。

敷金(保証金)の返還と償却

退去時に気になるのが、入居時に預けた敷金の返還です。全額が戻るとは限りません。

敷金返還の仕組み

敷金は本来、退去時に全額返還されるものです。しかし、以下の金額が差し引かれた残額が返還されます。

  • 未払い賃料がある場合はその金額
  • 原状回復費用(契約で敷金から充当する旨の特約がある場合)
  • 償却金(後述)

敷金償却とは

敷金償却とは、退去時に敷金の一部を返還しない契約条件です。「敷金12ヶ月・償却3ヶ月」であれば、退去時に3ヶ月分は無条件で差し引かれます。

償却の相場は以下のとおりです。

敷金の月数償却の目安月額賃料50万円の場合
6ヶ月1〜2ヶ月分50〜100万円
10ヶ月2〜3ヶ月分100〜150万円
12ヶ月3〜4ヶ月分150〜200万円

敷金返還のよくあるトラブル

  • 返還時期が遅い:契約書に「退去後6ヶ月以内に返還」と書かれていることが多いですが、原状回復工事の完了後に精算されるため、実際には退去から3〜6ヶ月かかるケースが一般的です
  • 原状回復費との相殺:原状回復費用が敷金を上回り、追加請求されるケースがあります。特に敷金が少ない物件では注意が必要です
  • 償却条項の見落とし:契約時に償却条項を見落とし、退去時に「こんなはずでは」となるトラブルが多発しています

敷金返還に関するトラブルを防ぐには、入居時の契約書で償却条項・返還時期・原状回復費の充当方法を必ず確認しておきましょう。

引越し・移転にかかる費用

オフィスの引越し費用は、従業員数や荷物量によって変動します。

引越し費用の相場

オフィス規模従業員数の目安引越し費用の目安
小規模(〜30坪)〜15人30〜75万円
中規模(30〜100坪)15〜50人75〜250万円
大規模(100坪〜)50人〜250万円〜

引越し費用を抑えるコツは、3〜4社から相見積もりを取ることです。業者によって数十万円の差が出ることも珍しくありません。

また、繁忙期(3〜4月)を避けると費用を10〜20%程度抑えられます。

IT・通信設備の撤去・移設費用

見落としがちなのがIT関連の費用です。以下の項目が発生します。

項目費用の目安備考
LAN配線の撤去10〜30万円本数・フロア構成により変動
電話回線の移設5〜20万円番号変更が伴う場合はさらに追加
サーバー・ネットワーク機器の移設20〜50万円専門業者への依頼が必要
セキュリティ設備の撤去10〜30万円入退室管理・防犯カメラ等
インターネット回線の解約・新設5〜10万円違約金が発生する場合あり

IT設備の撤去・移設費用は、合計で50〜200万円が相場です。特にサーバーの移設はダウンタイムの問題もあるため、早めの計画が必要です。

残置物の処分費用

不要になったオフィス家具や什器の処分にも費用がかかります。

  • デスク1台:3,000〜5,000円
  • オフィスチェア1脚:1,000〜3,000円
  • キャビネット1台:5,000〜8,000円
  • 複合機1台:1〜3万円

大量の什器がある場合は、オフィス家具の買取業者に査定を依頼すると処分費を抑えられます。状態が良ければ買い取ってもらえるケースもあります。

退去費用シミュレーション

ここでは、50坪・坪単価2万円(月額賃料100万円)のオフィスを想定し、退去費用の総額をシミュレーションします。

通常の賃貸オフィス(敷金10ヶ月)敷金減額サービスを利用した場合(敷金0ヶ月)で、退去時のキャッシュフローがどう変わるかを比較します。

パターンA:通常賃貸(敷金10ヶ月預託)

項目金額
入居時に預けた敷金1,000万円(100万円 × 10ヶ月)
敷金償却(3ヶ月分)−300万円
原状回復費用(坪単価6万円 × 50坪)−300万円
敷金からの返還額400万円
引越し費用−100万円
IT撤去費用−80万円
退去時の実質キャッシュアウト80万円(返還400万円 − 引越し100万円 − IT撤去80万円 − 原状回復・償却は敷金から充当済み)

パターンAでは、敷金から原状回復費と償却分が差し引かれ、400万円が返還されます。ただし、入居時に1,000万円を預けているため、入居期間中にその資金を運用に回せなかったというデメリットがあります。

パターンB:敷金減額サービス利用(敷金0ヶ月)

敷金減額サービス(日商保「敷金半額くん」等)を利用すると、敷金の半額〜最大全額を減額できます。減額分は保証会社が保証を提供し、保証料は保証額に対して年率4.0%〜8.0%(審査結果により決定)です。

項目金額
入居時に預けた敷金0円(全額減額の場合)
保証料(保証額1,000万円 × 年率5%※ × 5年)−250万円(年間50万円 × 5年)
原状回復費用(坪単価6万円 × 50坪)−300万円
引越し費用−100万円
IT撤去費用−80万円
退去時の実質キャッシュアウト480万円(原状回復300万円 + 引越し100万円 + IT撤去80万円)

※保証料率は審査結果により4.0%〜8.0%の範囲で決定されます。ここでは5%で試算しています。

パターンA vs パターンB:キャッシュフロー比較

比較項目パターンA(敷金10ヶ月)パターンB(敷金0ヶ月)
入居時の敷金支出1,000万円0円
5年間の保証料合計0円250万円
退去時の敷金返還額400万円(償却・原状回復充当後)0円
退去時のキャッシュアウト80万円480万円
5年間の実質負担額680万円(敷金1,000万 − 返還400万 + 退去費80万)730万円(保証料250万 + 退去費480万)
入居時に手元に残る資金0円(敷金で拘束)1,000万円(運転資金に活用可能)

5年間の実質負担額の差はわずか50万円です。一方で、パターンBでは入居時に1,000万円の手元資金を確保できます。

この1,000万円を事業に投資した場合、年利5%の運用でも5年間で約280万円のリターンが見込めます。つまり、資金効率を加味すると敷金減額サービスの方が有利になるケースが多いのです。

特にスタートアップや成長期の企業にとっては、初期の手元資金を厚くできるメリットは非常に大きいです。事業フェーズに応じて最適な選択肢を検討しましょう。

退去費用を抑える5つの方法

1. 原状回復の相見積もり

原状回復工事は、ビル指定業者だけでなく他の業者からも見積もりを取りましょう。C工事(テナントが業者を選定できる工事)であれば、業者を変更することで20〜40%のコスト削減が可能です。

ビル指定業者しか選べないB工事でも、他社の見積もりを根拠に価格交渉ができます。見積もりの内訳を一つひとつ確認し、不要な工事項目がないかチェックすることが重要です。

→ 原状回復費用の詳細と節約方法はこちら

2. 居抜き退去の検討

居抜き退去とは、内装や什器をそのまま残して次のテナントに引き継ぐ方法です。原状回復工事が不要になるため、原状回復費用を丸ごと削減できます。

居抜き退去を実現するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • ビルオーナーの承諾を得ること
  • 次のテナントが内装を引き継ぐ意思があること
  • 退去時期と次のテナントの入居時期が合うこと

居抜き退去の仲介サービスを活用すると、マッチングの成功率が高まります。

3. セットアップオフィスを選ぶ(原状回復不要)

そもそも退去費用を根本的に抑えたいなら、セットアップオフィスという選択肢があります。セットアップオフィスは内装・什器が最初から備え付けられた物件です。

セットアップオフィスの最大のメリットは、退去時の原状回復が原則不要なことです。入居時の内装工事も不要なため、入退去の両方でコストを大幅に削減できます。

→ Growth Officeでセットアップオフィスを探す

→ セットアップオフィスの退去時に知っておくべきこと

4. 解約予告期間の確認と計画的な退去

二重賃料を最小化するには、解約予告期間を正確に把握し、移転スケジュールを逆算して立てることが重要です。

  • 解約予告は契約書に定められた期日までに書面で行う
  • 新オフィスの契約開始日を、旧オフィスの退去日にできるだけ近づける
  • 新オフィスでフリーレント(賃料無料期間)を交渉する
  • 原状回復工事の期間も考慮してスケジュールを組む

解約予告が6ヶ月前の物件であれば、移転の1年前から計画を始めるのが理想的です。

5. 敷金減額サービスの活用

敷金減額サービス(日商保「敷金半額くん」「敷金返還くん」)を活用すると、入居時の敷金を半額〜最大0円まで抑えられます。保証料は保証額に対して年率4.0%〜8.0%で、借入ではないため返済負担もありません。入居時に数百万〜数千万円の手元資金を確保できるのが最大のメリットです。

前述のシミュレーションで示したとおり、実質負担額の差はわずかで、資金効率を考慮すると敷金減額サービスの方が有利になるケースが多いです。

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まとめ

オフィスの退去費用は、原状回復・違約金・敷金償却・引越し・IT撤去など多岐にわたります。50坪規模のオフィスでは、退去費用の総額が500〜1,500万円に達するケースも珍しくありません。

退去費用を抑えるために、以下のポイントを押さえましょう。

  • 原状回復は相見積もりで適正価格を把握する
  • 居抜き退去やセットアップオフィスで原状回復費を削減する
  • 解約予告期間を踏まえた計画的な移転スケジュールを立てる
  • 敷金減額サービスで初期費用を軽減し、手元資金を確保する
  • 契約書の償却条項・違約金条項を入居前に必ず確認する

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