セットアップオフィスの退去時の注意点|原状回復の範囲・費用・流れを徹底解説【2026年版】
「セットアップオフィスは原状回復が不要だから、退去時の心配はない」。これはよくある誤解です。確かに通常オフィスと比較すると原状回復の範囲は限定的ですが、退去費用がゼロになるわけではありません。本記事では、セットアップオフィスの退去時に知っておくべき原状回復の範囲、退去の流れ、費用の目安、コスト削減のコツを詳しく解説します。
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「セットアップオフィス=原状回復不要」は間違い
セットアップオフィスでは、内装・什器がオーナーの資産です。そのため、通常オフィスのような「スケルトン戻し」は不要です。しかし、これが「原状回復が一切不要」ということではありません。
入居者が負担すべき原状回復の範囲は、契約書に定められています。一般的には以下のような項目が入居者負担となります。
- 壁クロスの汚損・破損の修繕
- 床タイルカーペットの汚損・破損の張替え
- 什器の破損(入居者の過失による場合)の修繕費
- 入居者が持ち込んだ什器・設備の撤去
- 入居者が行った追加工事の撤去
- 室内クリーニング費用
つまり、「入居時の状態に戻す」ことが原状回復の基本です。什器の撤去や内装の解体は不要ですが、汚損・破損の修繕は入居者の責任となります。
セットアップオフィスと通常オフィスの原状回復範囲比較
両者の原状回復の範囲を表で比較します。
| 原状回復項目 | 通常オフィス | セットアップオフィス | 備考 |
|---|---|---|---|
| 内装の解体(壁・パーテーション) | 入居者負担 | 不要 | 内装はオーナー資産 |
| 床材の撤去・張替え | 入居者負担(全面) | 汚損・破損箇所のみ | 経年劣化はオーナー負担が一般的 |
| 壁クロスの張替え | 入居者負担(全面) | 汚損・破損箇所のみ | ビス穴なども入居者負担 |
| 天井の復旧 | 入居者負担 | 不要 | 天井工事をしていない場合 |
| 什器の撤去 | 入居者負担 | 不要(オーナー什器) | 持ち込み什器は入居者負担 |
| 電気・通信配線の撤去 | 入居者負担 | 入居者が追加した分のみ | 元々の配線はオーナー資産 |
| クリーニング | 入居者負担 | 入居者負担 | 室内の専門清掃費用 |
| 看板・サインの撤去 | 入居者負担 | 入居者負担 | 入居者が設置した場合 |
| 鍵の交換 | 入居者負担の場合あり | 入居者負担の場合あり | 契約書で確認 |
| スケルトン戻し | 入居者負担 | 不要 | セットアップ最大のメリット |
通常オフィスではスケルトン戻しが原則のため、坪5〜10万円の原状回復費用がかかります。セットアップオフィスでは、この大部分が不要になるため、退去費用は大幅に抑えられます。
退去費用の目安
セットアップオフィスの退去費用は、物件の坪数や使用状況によって異なります。以下は東京都心の物件を想定した目安です。
| 坪数 | 想定人数 | 退去費用の目安(セットアップ) | 参考:通常オフィスの原状回復費 |
|---|---|---|---|
| 10坪 | 5〜8名 | 10〜30万円 | 50〜100万円 |
| 20坪 | 10〜15名 | 20〜60万円 | 100〜200万円 |
| 30坪 | 15〜25名 | 30〜90万円 | 150〜300万円 |
| 50坪 | 25〜40名 | 50〜150万円 | 250〜500万円 |
| 100坪 | 50〜80名 | 100〜300万円 | 500〜1,000万円 |
セットアップオフィスの退去費用は、通常オフィスの3分の1〜5分の1程度に収まるのが一般的です。ただし、これは「通常使用」の場合です。壁に大量のビス穴を開けた、床を大きく汚損したなどの場合は、費用が増加します。
退去費用の内訳は、主にクリーニング費、壁・床の部分補修費、持ち込み什器の撤去費で構成されます。
セットアップオフィスの退去の流れ
ステップ1:解約予告(退去6か月前)
多くの契約では、6か月前までに解約予告が必要です。定期借家契約の場合は、契約満了の6か月〜1年前にオーナーからの通知が届くことが一般的です。中途解約の場合は、契約書で定められた予告期間を確認しましょう。
ステップ2:退去日の確定と原状回復範囲の確認(退去3〜4か月前)
管理会社と退去日を確定させます。同時に、原状回復の範囲と見積もりを取得します。この段階で、入居時の写真と現状を比較し、修繕が必要な箇所を特定します。
ステップ3:次のオフィスの確保(退去3〜4か月前)
次のオフィスが決まっていない場合は、この段階で物件探しを開始します。セットアップオフィスからセットアップオフィスへの移転であれば、比較的短期間で次の物件を確保できます。
ステップ4:持ち込み什器・設備の搬出(退去1〜2週間前)
入居者が持ち込んだ什器や設備を搬出します。不要な什器は廃棄業者に依頼して処分します。新オフィスに持ち込む什器の搬出と、新オフィスへの搬入を同時に手配すると効率的です。
ステップ5:原状回復工事(退去日前後)
クリーニングや壁・床の補修工事を行います。セットアップオフィスの場合、原状回復工事は数日〜1週間程度で完了するのが一般的です。通常オフィスのスケルトン戻しは2〜4週間かかるため、大幅に短縮されます。
ステップ6:明け渡し・鍵の返却
原状回復工事の完了後、管理会社と共に室内を確認し、問題なければ鍵を返却します。敷金の精算は、明け渡し後1〜3か月以内に行われるのが一般的です。
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退去費用を抑えるための5つのコツ
1. 入居時に室内の写真を記録しておく
入居時の状態を写真で記録しておくことで、退去時の「言った・言わない」を防げます。壁・床・什器の状態を漏れなく撮影し、日付入りで保存しましょう。管理会社と共有しておくとさらに安心です。
2. 壁への直接施工を避ける
ビス穴やテープ跡は補修費が発生します。ピクチャーレールやパーテーションなど、壁を傷つけない方法で掲示物やホワイトボードを設置しましょう。
3. 定期的にクリーニングを行う
日常的にオフィスを清潔に保つことで、退去時のクリーニング費用を抑えられます。特に床の汚れは蓄積すると落ちにくくなります。月1回程度のプロによるクリーニングを検討しましょう。
4. 原状回復の見積もりを複数取得する
管理会社が指定する業者の見積もりが適正価格とは限りません。契約書で「指定業者」の条件を確認し、自分で業者を選べる場合は複数の見積もりを取得しましょう。
5. 退去時期を繁忙期から外す
3月・4月の引越しシーズンは、原状回復工事費や引越し費用が割高になります。可能であれば、退去時期を繁忙期から外すことで費用を抑えられます。
契約書で確認すべき退去関連条項
退去時のトラブルを防ぐために、契約時に以下の条項を確認しましょう。
原状回復特約
原状回復の範囲を具体的に定めた特約です。「入居時の状態に戻す」とだけ書かれている場合、解釈の余地が生まれます。具体的にどの部分が入居者負担になるのかを明記してもらいましょう。
敷金の精算方法
敷金からの原状回復費の差し引き方法、精算期限を確認します。「退去後○か月以内に精算」という期限が明記されているかを確認しましょう。
解約予告期間
解約予告の期間(3か月前、6か月前など)と予告方法(書面か口頭か)を確認します。予告期間を過ぎてしまうと、その分の賃料が余計に発生します。
残置物の取り扱い
退去時に入居者の所有物が残っていた場合の取り扱いを確認します。「残置物はオーナーの判断で処分し、費用は入居者負担」という条項が入っていることが多いです。
什器の返却条件
フルセットアップの場合、什器の返却条件を確認します。「通常使用による経年劣化」と「入居者の過失による破損」の定義が明確になっているかがポイントです。
退去時によくあるトラブルと対処法
トラブル1:経年劣化の修繕費を請求された
壁クロスの変色や床の軽微な傷など、通常使用による経年劣化は本来オーナー負担です。しかし、契約書に特約がある場合は入居者負担になることがあります。契約書の原状回復特約を再確認し、不当な請求には根拠を求めましょう。
トラブル2:入居時にあった傷を入居者のせいにされた
入居時の記録がないと、退去時に「この傷は入居者がつけたもの」と主張される可能性があります。入居時の写真記録が最も有効な対策です。
トラブル3:敷金の返還が遅れる
退去後も敷金の精算が行われず、資金繰りに影響が出るケースです。契約書に精算期限が明記されていない場合は、退去前に管理会社と精算のスケジュールを合意しておきましょう。
トラブル4:指定業者の見積もりが高すぎる
管理会社指定の原状回復業者の見積もりが市場価格より大幅に高いケースです。相見積もりが可能な場合は他社の見積もりを取得し、交渉の材料にしましょう。
セットアップオフィスから次のオフィスへの移転
セットアップオフィスの退去を検討している場合、次のオフィスの選択肢も重要です。
セットアップオフィスからセットアップオフィスへの移転は、最もスムーズなパターンです。退去・入居ともに原状回復や内装工事の負担が軽いため、移転に伴うダウンタイムを最小限に抑えられます。
セットアップオフィスから通常オフィスへの移転は、内装工事の期間(1〜3か月)を見込む必要があります。退去日と新オフィスの入居日の間に工事期間を確保できるよう、計画的に進めましょう。
賃料相場についてはセットアップオフィスの賃料相場【2026年版】、物件の選び方はセットアップオフィスの選び方【2026年版】をご参照ください。
まとめ
セットアップオフィスの退去は、通常オフィスと比較して負担が軽いのは事実です。しかし、「原状回復が完全に不要」ではありません。壁・床の汚損修繕、持ち込み什器の撤去、クリーニング費用は入居者負担となります。
退去費用を抑えるためには、入居時の記録、日常的な清掃、契約書の確認が重要です。退去の6か月前には解約予告を行い、計画的に退去準備を進めましょう。
次のオフィスを探す際は、退去スケジュールに合わせて早めに物件選びを開始することをおすすめします。
Growth Officeでは、退去後の移転先探しも含めて、ワンストップでサポートしています。お気軽にご相談ください。
