セットアップオフィスへの移転を検討する際、最も気になるのが賃料の相場ではないでしょうか。「通常のオフィスより高いのでは?」「坪単価はどのくらい?」といった疑問を持つ方は少なくありません。
本記事では、Growth Officeが保有する 241区画のリアルデータ(2026年4月時点) をもとに、東京都心のセットアップオフィスの賃料相場をエリア別に解説します。通常オフィスとのトータルコスト比較や、賃料を抑えるための具体的なコツもご紹介します。
Growth Officeでは、東京都心を中心にセットアップオフィスを多数掲載しています。エリア・面積・賃料で絞り込み検索が可能です。
セットアップオフィスの賃料相場の考え方
セットアップオフィスとは、内装・什器があらかじめ整備された状態で入居できるオフィスです。入居者は内装工事を行う必要がなく、契約後すぐに業務を開始できます。まずは、その賃料構造を理解しましょう。
通常オフィスとの賃料差
東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の一般オフィスの平均賃料は、2026年4月時点で 坪単価 約21,000円 です。
一方、セットアップオフィスの坪単価は同エリアで 約25,000〜40,000円 が相場です。通常オフィスと比較すると、 1.2〜1.5倍程度 の水準となっています。
この差額には理由があります。セットアップオフィスの賃料には、内装・設備の費用が実質的に含まれているためです。一見すると割高に映りますが、後述するトータルコスト比較で見ると、必ずしも高いとは言えません。
坪単価の内訳(賃料・共益費・その他)
セットアップオフィスの坪単価は、一般的に以下の要素で構成されています。
- 基本賃料: 物件そのものの賃借料
- 共益費(管理費): 共用部の清掃・設備維持にかかる費用
- 内装プレミアム: セットアップ仕様の付加価値分
物件情報に記載される坪単価は、基本賃料と共益費を合算した「グロス坪単価」であることが大半です。Growth Officeに掲載している坪単価も、共益費込みの金額で統一しています。比較検討の際は、他社サイトの表記が「ネット(賃料のみ)」か「グロス(共益費込み)」かを確認しましょう。
なぜ通常オフィスより高いのか
セットアップオフィスの坪単価が高い主な理由は3つあります。
1. 内装工事費の分割回収
オーナーが先行投資した内装工事費を、毎月の賃料に上乗せして回収する仕組みです。入居者にとっては、数百万円の初期投資が月額費用に分散されるメリットがあります。
2. デザイン性・機能性の付加価値
セットアップオフィスの多くは、プロのデザイナーが設計した内装を備えています。会議室やフォンブースの配置も考慮されており、自前で設計する手間が省けます。
3. 原状回復リスクの低減
通常オフィスでは退去時に原状回復工事が必要です。セットアップオフィスの場合、内装はオーナー資産のため、原状回復費が大幅に軽減されるケースが多いです。
【2026年最新】東京エリア別セットアップオフィスの坪単価一覧
ここからは、Growth Officeに掲載中の 273区画 のリアルデータをもとに、エリア別の坪単価を解説します。以下のデータはすべて2026年4月時点の実際の募集情報に基づいています。
| エリア | 掲載区画数 | 坪単価(平均) | 坪単価(範囲) | 平均面積 |
|---|---|---|---|---|
| 千代田区 | 97区画 | 29,529円 | 17,000〜71,129円 | 45.8坪 |
| 中央区 | 62区画 | 29,480円 | 17,000〜52,854円 | 57.0坪 |
| 港区 | 39区画 | 31,284円 | 22,727〜52,493円 | 43.4坪 |
| 渋谷区 | 24区画 | 39,333円 | 30,000〜50,000円 | 37.8坪 |
| 新宿区 | 19区画 | 29,736円 | 23,000〜36,411円 | 70.6坪 |
| 品川区 | 18区画 | 25,300円 | 17,999〜29,259円 | 60.1坪 |
| 文京区 | 14区画 | 28,377円 | 23,000〜33,059円 | 55.5坪 |
千代田区
千代田区は 97区画 と、都内で最もセットアップオフィスの選択肢が豊富なエリアです。
- 平均坪単価: 29,529円
- 坪単価の範囲: 17,000〜71,129円
- 平均面積: 45.8坪
大手町・丸の内・神田・九段下など、エリアによって坪単価に大きな幅があります。丸の内・大手町エリアでは坪単価40,000円を超える物件もありますが、神田・岩本町エリアでは20,000円台前半から見つかります。
坪単価17,000円台の物件も存在し、これは一般オフィスの平均賃料と同水準です。ベンチャー企業がブランド力のある千代田区にオフィスを構えたい場合、神田エリアのセットアップオフィスは有力な選択肢となります。
中央区
中央区は 62区画 を掲載しており、千代田区に次ぐ規模です。
- 平均坪単価: 29,480円
- 坪単価の範囲: 17,000〜52,854円
- 平均面積: 57.0坪
日本橋・八丁堀・京橋エリアを中心に、比較的まとまった面積の区画が多いのが特徴です。平均面積57.0坪は、20〜30名規模のチームに適したサイズ感です。
平均坪単価は千代田区とほぼ同水準の29,480円。坪単価の下限も17,000円と低く、コストパフォーマンスに優れたエリアと言えます。また、525.9坪という大型区画も存在し、成長フェーズの企業が拡張移転先として検討するケースも増えています。
港区
港区は 39区画 を掲載しています。
- 平均坪単価: 31,284円
- 坪単価の範囲: 22,727〜52,493円
- 平均面積: 43.4坪
赤坂・虎ノ門・六本木・田町エリアに物件が集中しています。坪単価の下限が22,727円と、千代田区・中央区より高めに設定されている点が特徴です。
港区はブランドイメージを重視する企業に人気があります。外資系企業やコンサルティングファームが多く集まるエリアのため、採用力や対外的な信頼性を高めたい企業にとって、坪単価の上乗せに見合う価値があります。
渋谷区
渋谷区は 24区画 を掲載しています。
- 平均坪単価: 39,333円
- 坪単価の範囲: 30,000〜50,000円
- 平均面積: 37.8坪
7区の中で 最も坪単価が高い エリアです。平均39,333円は、千代田区・中央区の約1.3倍に相当します。坪単価の下限も30,000円と、他エリアと比べて高い水準です。
一方で、平均面積は37.8坪と最もコンパクトです。10〜20名規模のIT企業やスタートアップ向けの区画が中心となっています。渋谷はIT・テック企業の集積地であり、エンジニア採用の観点から渋谷を選ぶ企業も多いです。
新宿区
新宿区は 19区画 を掲載しています。
- 平均坪単価: 29,736円
- 坪単価の範囲: 23,000〜36,411円
- 平均面積: 70.6坪
新宿区の注目ポイントは、 平均面積70.6坪 と7区の中で最も広いことです。30名以上の中規模チームを収容できる区画が多く揃っています。
坪単価の範囲は23,000〜36,411円と比較的狭く、価格帯が安定しています。平均坪単価は29,736円で、千代田区・中央区と同水準です。広い面積を確保しながら坪単価を抑えたい企業にとって、新宿区は有力な候補です。
その他エリア(品川区・文京区)
都心5区以外にも、注目すべきエリアがあります。
品川区(18区画)
- 平均坪単価: 25,300円
- 坪単価の範囲: 17,999〜29,259円
- 平均面積: 60.1坪
品川区は7区の中で 最も坪単価が低い エリアです。平均25,300円は渋谷区の約64%の水準です。五反田・大崎エリアを中心に、コストを重視する企業に人気があります。品川駅周辺は新幹線へのアクセスも良好で、出張の多い企業にも適しています。
文京区(14区画)
- 平均坪単価: 28,377円
- 坪単価の範囲: 23,000〜33,059円
- 平均面積: 55.5坪
文京区は坪単価の幅が狭く、相場が読みやすいエリアです。後楽園・本郷エリアが中心で、落ち着いたビジネス環境を求める企業に支持されています。平均面積55.5坪と、20〜30名規模のオフィスに適した物件が揃っています。
セットアップオフィスは本当に割高?トータルコストで比較
セットアップオフィスは坪単価だけを見ると割高に感じるかもしれません。しかし、オフィス移転にかかるトータルコストで比較すると、結論は変わります。ここでは、30坪のオフィスを想定してシミュレーションを行います。
通常オフィスの初期費用シミュレーション
30坪の通常オフィス(坪単価21,000円)を契約する場合の初期費用を試算します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 敷金(賃料12ヶ月分) | 756万円 |
| 礼金(賃料1ヶ月分) | 63万円 |
| 仲介手数料(賃料1ヶ月分) | 63万円 |
| 前払賃料(1ヶ月分) | 63万円 |
| 内装工事費 | 300〜900万円 |
| 什器・家具 | 100〜200万円 |
| 合計 | 約1,345〜2,045万円 |
内装工事費だけで300〜900万円かかるのが通常オフィスの特徴です。デザインにこだわる場合は、坪あたり20〜30万円の工事費が必要となります。さらに、工事期間中(2〜3ヶ月)のフリーレントが得られなければ、空家賃も発生します。
セットアップオフィスの初期費用シミュレーション
同じ30坪のセットアップオフィス(坪単価30,000円)を契約する場合の初期費用です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 敷金(賃料6ヶ月分) | 540万円 |
| 礼金 | 0円(無料の物件が多い) |
| 仲介手数料(賃料1ヶ月分) | 90万円 |
| 前払賃料(1ヶ月分) | 90万円 |
| 内装工事費 | 0円 |
| 什器・家具 | 0円(什器付き物件の場合) |
| 合計 | 約720万円 |
初期費用は 通常オフィスの約35〜55% に抑えられます。最大の違いは内装工事費がゼロになる点です。さらに、セットアップオフィスは敷金が6ヶ月以下の物件も多く、敷金0円の物件も増えています。
5年間のトータルコスト比較
初期費用だけでなく、5年間(60ヶ月)のトータルコストを比較してみましょう。
通常オフィス(坪単価21,000円 × 30坪)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 初期費用 | 約1,345〜2,045万円 |
| 月額賃料 × 60ヶ月 | 3,780万円 |
| 原状回復費(退去時) | 150〜300万円 |
| 5年間合計 | 約5,275〜6,125万円 |
セットアップオフィス(坪単価30,000円 × 30坪)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 初期費用 | 約720万円 |
| 月額賃料 × 60ヶ月 | 5,400万円 |
| 原状回復費(退去時) | 0〜50万円 |
| 5年間合計 | 約6,120〜6,170万円 |
5年間のトータルコストは ほぼ同水準 です。坪単価が約1.4倍高くても、初期費用と原状回復費の差額で相殺されます。
さらに重要なのは キャッシュフローへの影響 です。通常オフィスでは契約時に1,000万円以上のまとまった資金が必要ですが、セットアップオフィスなら700万円程度で済みます。差額の数百万円を事業投資に回せる点は、成長企業にとって大きなメリットです。
3年以内に再移転する可能性がある場合は、セットアップオフィスのほうがトータルでも割安になります。内装工事費の償却が進まないまま退去すると、通常オフィスでは大きな損失が発生するためです。
セットアップオフィスの賃料を抑えるコツ
最後に、セットアップオフィスの賃料をできるだけ抑えるための具体的なポイントを解説します。
エリアの選び方
前述のデータが示すとおり、エリアによって坪単価に大きな差があります。
- 渋谷区: 平均39,333円(最も高い)
- 品川区: 平均25,300円(最も低い)
その差は 約14,000円/坪 です。30坪のオフィスなら、月額で42万円、年間で504万円の差になります。
「本当に渋谷でなければならないのか」を再検討することで、大幅なコスト削減が可能です。たとえば、品川区の五反田エリアはIT企業の集積が進んでおり、渋谷に近い雰囲気を持ちながら坪単価は大幅に低くなります。
また、同じ区内でもエリアによって坪単価は異なります。千代田区を例にとると、丸の内では40,000円超の物件がある一方、神田エリアでは17,000円台から選べます。最寄り駅を1〜2駅ずらすだけで、坪単価が数千円下がるケースは珍しくありません。
面積・フロアの選び方
坪単価を抑えるには、面積の選び方にもポイントがあります。
適正面積を見極める
1人あたり3〜4坪が一般的な目安です。フリーアドレスやリモートワーク併用であれば、1人あたり2〜3坪でも十分な場合があります。在籍人数ではなく、 同時出社人数 をベースに面積を算出しましょう。
大きすぎる区画を避ける
面積が広くなるほど総額は上がりますが、坪単価は面積に比例して下がるわけではありません。「余裕を持って広めに」という判断は、年間で数百万円のコスト増に直結します。
築年数・階数にも注目する
新築ビルの高層階ほど坪単価は高くなります。築10年以上のビルや低層階を検討対象に入れることで、同エリアでも坪単価を抑えられます。セットアップオフィスは内装が新しいため、ビルの築年数が古くてもオフィス空間自体は快適です。
契約条件の交渉ポイント
賃料以外の条件交渉で、実質的なコストを下げる方法もあります。
フリーレントの交渉
セットアップオフィスでも、1〜3ヶ月のフリーレント(賃料無料期間)が付く物件があります。坪単価30,000円 × 30坪のオフィスなら、1ヶ月のフリーレントで90万円相当の削減になります。
敷金の減額交渉
信用力の高い企業や、保証会社の利用を条件に、敷金を減額できるケースがあります。敷金6ヶ月を3ヶ月に減額できれば、30坪のオフィスで270万円の資金が浮きます。
契約期間と賃料の関係
長期契約(3年以上)を前提とすることで、賃料の引き下げに応じてもらえる場合があります。ただし、途中解約時のペナルティには注意が必要です。自社の事業計画と照らし合わせて判断しましょう。
複数物件の比較見積もり
当然ながら、1つの物件だけで即決するのは避けましょう。Growth Officeのような検索サイトで複数の候補を比較し、条件交渉の材料にすることが重要です。
まとめ
セットアップオフィスの賃料相場について、2026年4月時点のリアルデータをもとに解説しました。ポイントをまとめます。
- 東京都心のセットアップオフィスの坪単価は 25,000〜40,000円 が相場
- 通常オフィス(平均21,000円/坪)の 1.2〜1.5倍 だが、内装費込みの価格
- エリアによる差が大きく、 品川区(25,300円)と渋谷区(39,333円)で約14,000円の開き がある
- 初期費用は通常オフィスの 35〜55% に抑えられる
- 5年間のトータルコストは 通常オフィスとほぼ同水準
- 3年以内の再移転なら、セットアップオフィスのほうが割安
坪単価だけを見て「高い」と判断するのではなく、初期費用・原状回復費・キャッシュフローを含めたトータルで比較することが重要です。
Growth Officeでは、東京都心7区を中心に 273区画以上 のセットアップオフィスを掲載しています。坪単価・面積・エリアで絞り込み検索ができるので、ぜひご活用ください。
関連記事:
