オフィス内装工事の費用相場は、スケルトン物件で坪30〜80万円、居抜き物件で坪10〜35万円、セットアップオフィスなら坪0〜15万円が2026年現在の目安です。10人規模(30坪)のオフィスでは、物件タイプの選択だけで初期費用に最大2,400万円の差が生まれます。
本記事では、物件タイプ別・人数規模別・工事項目別の3つの切り口から内装工事費用の相場を早見表つきで解説します。さらに「初期費用だけでは見えない3年間のトータルコスト比較」や「業種ごとに内装費をかけるべきポイント」など、実際にオフィス仲介の現場で得た知見も交えてお伝えします。
オフィス内装工事の費用相場を物件タイプ別に比較
オフィスの内装工事費用は、物件がどの状態で引き渡されるかによって大きく異なります。以下の早見表で、物件タイプごとの坪単価・総額・工期の目安を一覧で確認してください。
| 物件タイプ | 坪単価の目安 | 20坪の総額 | 50坪の総額 | 100坪の総額 | 工期 |
|---|---|---|---|---|---|
| スケルトン物件 | 30〜80万円/坪 | 600〜1,600万円 | 1,500〜4,000万円 | 3,000〜8,000万円 | 2〜3ヶ月 |
| 居抜き物件 | 10〜35万円/坪 | 200〜700万円 | 500〜1,750万円 | 1,000〜3,500万円 | 2〜6週間 |
| セットアップオフィス | 0〜15万円/坪 | 0〜300万円 | 0〜750万円 | 0〜1,500万円 | 即日〜2週間 |
※ 都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の2026年相場。郊外エリアでは10〜20%程度安くなる傾向があります。
スケルトン物件の内装工事費用が高くなる理由
スケルトン物件はコンクリート打ちっぱなしの状態で引き渡されるため、床・壁・天井の仕上げ、電気・空調・防災設備の施工、間仕切り壁の設置まで、すべての工事を一からこなす必要があります。自由度が最も高い反面、坪30〜80万円と費用も最大です。
特に注意したいのが坪単価の幅の広さです。同じ30坪のスケルトンでも、シンプルなワンルーム仕上げなら坪30万円程度で済みますが、会議室を3室設けてガラスパーティションを使い、エントランスにデザインウォールを施すと坪60〜80万円まで跳ね上がります。
居抜き物件で内装費用を半額以下に抑える条件
居抜き物件は前テナントの内装をそのまま引き継ぐため、改装範囲が少なければスケルトンの3分の1〜半額のコストで済みます。ただし、前テナントと業種やレイアウトが大きく異なる場合は、解体して作り直す範囲が広がるため、コストメリットが薄れます。
居抜きのコスト削減効果を最大化するポイントは、同業種・同規模の居抜きを選ぶことです。IT企業が前テナントもIT企業の居抜きに入るケースでは、OAフロアやLAN配管がそのまま流用でき、改装費が坪10万円以下で済むことも珍しくありません。
セットアップオフィスなら内装工事費用はほぼゼロ
セットアップオフィスは、ビルオーナーが内装・什器・OAフロアを整えた状態で貸し出す物件です。テナント側の内装工事がほぼ不要なため、スケルトン物件と比較して初期費用を最大90%以上削減できます。
Growth Officeでは東京のセットアップオフィスを多数掲載しています。月額賃料はスケルトンより10%程度割高になるケースがありますが、後述するトータルコスト比較では最もコスト効率の良い選択肢です。
【早見表】面積別・オフィス内装工事の費用目安
「うちのオフィスだといくらかかるの?」という疑問に即答できるよう、面積帯ごとの費用目安を一覧にまとめました。物件タイプは居抜き・セットアップオフィス・スケルトンの3パターンで比較しています。
| 面積 | 居抜き物件 (10〜30万円/坪) |
セットアップオフィス (0〜5万円/坪) |
スケルトン物件 (30〜50万円/坪) |
|---|---|---|---|
| 10坪(約33㎡・3〜5名規模) | 100万〜300万円 | 0〜50万円 | 300万〜500万円 |
| 20坪(約66㎡・6〜12名規模) | 200万〜600万円 | 0〜100万円 | 600万〜1,000万円 |
| 30坪(約99㎡・10〜20名規模) | 300万〜900万円 | 0〜150万円 | 900万〜1,500万円 |
| 50坪(約165㎡・20〜35名規模) | 500万〜1,500万円 | 0〜250万円 | 1,500万〜2,500万円 |
| 100坪(約330㎡・40〜70名規模) | 1,000万〜3,000万円 | 0〜500万円 | 3,000万〜5,000万円 |
※上記は内装工事費のみの概算です。什器・家具・IT工事は含みません。
面積が大きいほど坪単価は下がる傾向
内装工事には面積に関係なく発生する固定費(現場管理費・諸経費・設計費など)が含まれます。そのため10坪の小規模オフィスでは坪単価が割高になりやすく、50坪以上になるとスケールメリットで坪単価が下がる傾向があります。
具体的には、スケルトン物件の場合、10坪で坪単価40〜50万円だったものが、100坪では坪単価30〜35万円程度まで下がるケースが一般的です。見積もりを比較する際は、総額だけでなく坪単価の水準にも注目してください。
面積帯別・コストを抑えるワンポイント
- 10〜20坪(小規模): スケルトンからの造作は割高になりがちです。居抜きまたはセットアップオフィスを第一候補にすると、初期費用を大幅に圧縮できます。
- 30〜50坪(中規模): 会議室の数と間仕切りの仕様がコストを大きく左右します。造作壁ではなくガラスパーティションを活用すると、1部屋あたり20万〜40万円の節約が可能です。
- 100坪以上(大規模): 複数の施工会社から相見積もりを取ることで10〜20%のコストダウンが見込めます。また、B工事(ビル指定業者工事)の比率が高くなるため、入居前にビル側と工事区分を必ず確認しましょう。
内装工事費用を人数規模別にシミュレーション
「自社の規模だと内装工事にいくらかかるのか」を把握するため、従業員数ごとの費用シミュレーションを用意しました。一般的なオフィスワークでは1人あたり2.5〜3.5坪が面積の目安です。
| 従業員数 | 必要面積の目安 | スケルトン | 居抜き | セットアップ |
|---|---|---|---|---|
| 5人 | 12〜18坪 | 360〜1,440万円 | 120〜630万円 | 0〜270万円 |
| 10人 | 25〜35坪 | 750〜2,800万円 | 250〜1,225万円 | 0〜525万円 |
| 20人 | 50〜70坪 | 1,500〜5,600万円 | 500〜2,450万円 | 0〜1,050万円 |
| 30人 | 75〜105坪 | 2,250〜8,400万円 | 750〜3,675万円 | 0〜1,575万円 |
| 50人 | 125〜175坪 | 3,750〜1.4億円 | 1,250〜6,125万円 | 0〜2,625万円 |
10人規模の企業がスケルトン物件を選んだ場合、内装工事費だけで750〜2,800万円。これに敷金(賃料の6〜12ヶ月分)・什器購入費・引っ越し費用を加えると、初期費用の総額は2,000〜5,000万円規模になります。創業期のスタートアップや成長フェーズの企業にとって、この金額を内装に投じるか事業成長に回すかは重要な経営判断です。
初期費用だけで判断すると損をする——3年間トータルコスト比較
オフィス移転の費用比較で見落としがちなのが、入居後のランニングコストと退去時の原状回復費用です。初期費用が安くても、3年間のトータルで見ると逆転するケースがあります。30坪のオフィスを3年間使用する前提で試算してみましょう。
| コスト項目 | スケルトン | 居抜き | セットアップ(敷金0円) |
|---|---|---|---|
| 敷金(預託金) | 396万円(6ヶ月分) | 396万円(6ヶ月分) | 0円 |
| 内装工事費 | 1,500万円 | 600万円 | 0円 |
| 什器購入費 | 150万円 | 50万円 | 0円(備付) |
| 引っ越し費用 | 50万円 | 50万円 | 50万円 |
| 月額賃料×36ヶ月 | 2,376万円 | 2,376万円 | 2,592万円(+10%) |
| 原状回復費 | 450万円 | 200万円 | 0円 |
| 3年間トータル | 4,922万円 | 3,672万円 | 2,642万円 |
※ 月額賃料は都心5区の平均坪単価22,000円(三鬼商事 2026年1月データ)で算出。セットアップは什器込みのため坪24,000円で計算。敷金は退去時に返還されるため差引済み。
月額賃料が10%割高でも、内装工事費・敷金・原状回復費がゼロになることで、3年間のトータルではスケルトンより約2,280万円、居抜きより約1,030万円安くなる計算です。この差額を採用・マーケティング・プロダクト開発に投資できることが、セットアップオフィスが成長企業に選ばれている最大の理由です。
オフィス内装工事の費用内訳を項目別に解説
内装工事の見積書には多くの工事項目が並び、どこにどれだけ費用がかかるのか分かりにくいものです。ここでは主要な工事項目ごとの坪単価と、費用を左右するポイントを解説します。
仮設・解体工事の費用(坪2〜5万円)
既存内装の撤去、壁・床の養生(保護)、仮設電源の設置などが含まれます。スケルトン物件では発生しませんが、居抜き物件で大幅な改装を行う場合は、解体範囲に比例して費用が膨らみます。見積もり段階で「どこまで解体するか」を明確にしておくことが重要です。
間仕切り壁(軽鉄・ボード)工事の費用(坪3〜10万円)
会議室や個室を作るための間仕切り壁の施工です。壁の仕様によって費用が大きく変わります。一般的な石膏ボード壁なら坪3〜5万円ですが、遮音性能が求められる会議室では防音壁(坪6〜8万円)、デザイン性を重視する場合はガラスパーティション(坪8〜15万円)が選択肢になります。
コスト削減のポイント:個室の数を最小限にし、オープンスペース中心のレイアウトにすれば、この費用を半分以下に抑えられます。Web会議用のフォンブースを2〜3台導入する方が、会議室を増やすよりコスト効率が良いケースも多いです。
床工事・OAフロアの費用(坪2〜8万円)
床仕上げとOAフロア(配線を収納する二重床)の施工です。IT機器が多いオフィスではOAフロアが必須ですが、仕上げ材と二重床の組み合わせで費用に幅があります。
| 床仕上げの種類 | 坪単価 | 特徴と選定基準 |
|---|---|---|
| タイルカーペット | 0.5〜1.5万円/坪 | 最も一般的。汚れた部分だけ交換可能で長期コストも低い |
| フロアタイル(塩ビ) | 0.8〜2万円/坪 | 木目調・石目調の意匠性。エントランスや応接に最適 |
| OAフロア(置敷式) | 1〜3万円/坪 | 高さ50〜100mm。小〜中規模オフィスの標準仕様 |
| OAフロア(支柱式) | 2〜5万円/坪 | 高さ調整可能。配線量が多い大規模オフィス向け |
電気設備工事の費用(坪3〜12万円)
照明・コンセント・分電盤の設置です。LED照明が標準となった現在でも、照明計画(配置・色温度・調光)によって費用と快適性が大きく変わります。デスク周りは1人あたり3〜4口のコンセントを確保するのが目安です。
| 電気設備 | 単価目安 | 備考 |
|---|---|---|
| LED照明(ダウンライト等) | 0.5〜2万円/台 | 色温度は執務エリア4,000K、休憩エリア3,000Kが推奨 |
| コンセント増設 | 0.5〜1万円/箇所 | 電動昇降デスク対応なら専用回路が必要 |
| 分電盤設置 | 5〜15万円/面 | 既存容量で不足する場合に追加 |
| 専用回路引き込み | 10〜30万円/回路 | サーバー室・大型複合機用 |
空調設備工事の費用(坪3〜10万円)
ビル共用の空調がある場合は、間仕切りに合わせた吹出口の移設・増設が主な工事です。個別空調(パッケージエアコン)を新設する場合は坪10万円以上かかります。サーバールームには専用の精密空調が必要になることがあり、その場合は別途100万円以上を見込んでください。
通信・LAN配線工事の費用(坪1〜5万円)
有線LAN(Cat6A推奨)、Wi-Fiアクセスポイント、電話回線の施工です。Wi-Fi 6E/7が主流の2026年でも、Web会議の品質や大容量ファイルの転送を考えると、基幹部分の有線LAN整備は省略すべきではありません。アクセスポイント1台あたりの推奨カバー範囲は15〜20坪です。
防災設備工事の費用(坪1〜4万円)
消防法に基づく感知器・スプリンクラー・誘導灯の設置・移設です。間仕切り壁を新設すると消防法の基準に従った増設が必要になります。この工事はB工事(ビル指定業者による施工)になるケースが多く、テナント側で業者を選べないため割高になりがちです。
オフィス什器・家具の費用(1人あたり10〜30万円)
| 什器の種類 | 新品 | 中古 | 選定のポイント |
|---|---|---|---|
| デスク(W1200) | 3〜8万円 | 1〜3万円 | 電動昇降デスクは新品10〜15万円だが生産性向上に効果大 |
| チェア(メッシュ) | 3〜15万円 | 1〜5万円 | 長時間座る業種はチェアに投資すべき。腰痛による離職リスクを軽減 |
| 会議テーブル(6人用) | 5〜15万円 | 2〜6万円 | キャスター付きなら配置変更が容易 |
| 収納キャビネット | 3〜10万円 | 1〜4万円 | ペーパーレス化が進んでいれば数を半減できる |
全て新品で揃えると1人あたり15〜30万円かかりますが、中古オフィス家具を活用すれば5〜10万円に圧縮可能です。特にデスク・キャビネットは中古でも品質差が出にくいため、予算を抑えたい場合は中古を検討してください。チェアだけは座り心地が生産性に直結するため、新品を推奨します。
内装工事費を大幅に削減したい方へ
セットアップオフィスなら、上記の工事費用・什器購入費がほぼゼロになります。Growth Officeでは東京のセットアップオフィスや敷金0円のスタートアップオフィスを多数掲載中です。
内装工事の見積書の読み方 — チェックすべき7つのポイント
内装工事の見積書は専門用語が多く、初めてオフィス移転を担当する方には読みづらいものです。ここでは、見積書を受け取ったときに必ず確認すべき7つのポイントを解説します。
①「一式」表記が多すぎないか
見積書に「電気工事 一式 ○○万円」のように「一式」が多用されている場合は要注意です。内訳が不明確なまま契約すると、追加費用が発生しやすくなります。特に以下の項目は数量・単価の明記を求めましょう。
- 間仕切り工事(枚数・m数・仕様ごとの単価)
- 電気工事(コンセント増設の口数、照明器具の台数)
- 空調工事(移設・増設の台数)
②仮設工事・養生費が含まれているか
工事中の共用部の養生(保護シート敷設)やエレベーター養生は、ビルから義務づけられるケースがほとんどです。見積書に「仮設工事」または「養生費」の項目がない場合、後から追加請求される可能性があります。目安は5万〜15万円(30坪の場合)です。
③諸経費・現場管理費の割合
見積書の末尾に記載される「諸経費」や「現場管理費」は、工事金額全体の8〜15%が相場です。20%を超えている場合は、内訳の説明を求めるべきでしょう。
- 適正範囲: 工事金額の8〜15%
- 要確認: 15〜20%
- 要交渉: 20%超
④原状回復を見据えた仕様になっているか
退去時の原状回復費用は、入居時の内装仕様によって大きく変わります。見積書の段階で、造作壁の撤去しやすさや床材の復旧方法について施工会社に確認しておくと、退去時のコストを抑えられます。原状回復費の目安は5万〜15万円/坪(30坪で150万〜450万円)です。
⑤工期と追加費用の条件
見積書に工期の記載がない、または曖昧な場合は必ず確認しましょう。チェックすべきポイントは以下の通りです。
- 工期の起算日と完了予定日
- 土日・夜間工事の割増費用の有無(通常20〜50%増)
- 工期延長時の追加費用の取り扱い
- ビル側の工事可能時間帯との整合性
⑥産廃処理費・搬出費が含まれているか
解体工事で出る廃材の処理費(産業廃棄物処理費)は、見落としやすい項目の一つです。30坪のスケルトン戻しで20万〜50万円程度かかることがあります。見積書に「廃材処理費」「産廃処分費」の項目があるか確認してください。
⑦支払い条件とスケジュール
内装工事の支払いは、以下のパターンが一般的です。
- 着手金50%・完了時50%(最も一般的)
- 着手金30%・中間30%・完了時40%(大規模工事の場合)
- 完了後一括払い(小規模工事・信頼関係がある場合)
見積書の段階で支払い条件を確認し、キャッシュフローに問題がないか事前に検討しておきましょう。
見積書の内容に不安がある方は、セットアップオフィスという選択肢もあります。内装工事済みの物件なら、見積書の比較検討自体が不要になります。
A工事・B工事・C工事の費用区分と交渉のコツ
オフィスビルの内装工事には「誰が費用を負担し、誰が業者を選ぶか」によって3つの区分があります。この区分を理解せずに契約すると、想定外の出費につながります。
| 区分 | 費用負担 | 業者選定 | 対象工事の例 | 交渉のポイント |
|---|---|---|---|---|
| A工事 | ビルオーナー | ビル指定 | 共用部・外壁・エレベーター | 交渉余地なし |
| B工事 | テナント | ビル指定 | 防災設備・空調幹線・電気幹線 | 契約前にB工事の範囲と概算を必ず確認 |
| C工事 | テナント | テナント自由 | 内装仕上げ・間仕切り・什器 | 3社以上の相見積もりで30〜50%の差が出る |
最大の落とし穴はB工事です。ビル指定業者が施工するため競争原理が働かず、市場相場の1.5〜2倍の費用がかかることがあります。入居申込みの前にB工事の詳細見積もりを取り、C工事に切り替えられる項目(LAN配線、照明交換など)がないか交渉することが重要です。
業種別に見る内装費用の優先順位
「内装にどこまで費用をかけるべきか」は業種によって正解が異なります。全ての項目に均等に予算を配分するのではなく、自社の業務に直結する項目に集中投資する方が費用対効果は高くなります。
| 業種 | 内装費の目安 | 最優先の投資項目 | 節約してよい項目 |
|---|---|---|---|
| IT・スタートアップ | 坪15〜30万円 | 電気容量・LAN・空調(サーバー) | 壁の仕上げ・エントランス装飾 |
| 士業・コンサルティング | 坪25〜50万円 | 応接室の内装・防音性能 | 執務スペースの装飾 |
| クリエイティブ・デザイン | 坪30〜60万円 | 照明計画・素材感・ショールーム兼用エリア | バックオフィスの仕上げ |
| 営業主体の企業 | 坪10〜20万円 | 会議室の数と通信環境 | 個別デスク(フリーアドレスで面積圧縮可能) |
IT・スタートアップ企業の場合、内装の見た目より電気容量とネットワーク環境に予算を集中させるのが正解です。空間の印象を変えたければ、壁の一面だけにアクセントカラーを入れる「1面アクセント」が最もコスパの高い手法。坪2,000〜5,000円の追加で、オフィス全体の雰囲気が変わります。
見積もりに出てこない「隠れコスト」一覧
内装工事の見積書に記載されていない費用が後から発覚し、予算を10〜30%超過するケースは珍しくありません。以下のチェックリストで事前に洗い出してください。
| 隠れコスト | 費用目安 | 発生条件と対策 |
|---|---|---|
| 夜間・休日工事の割増 | 通常の1.3〜1.5倍 | 都心テナントビルでは工事時間が制限されることが多い。契約前に確認 |
| 産業廃棄物処理費 | 1台5〜15万円 | 解体工事で発生。見積もりに含まれていない場合がある |
| 管理組合の承認待ち | 2〜4週間の遅延 | 区分所有ビルでは工事に管理組合の承認が必要。スケジュールに余裕を |
| 近隣テナントへの養生費 | 10〜30万円 | 工事中の騒音・振動対策。共用廊下の保護シート費用も含む |
| 設計変更の追加費用 | 変更箇所の1.5〜2倍 | 着工後のプラン変更は割増。図面確定後の変更を極力避ける |
| 二重賃料 | 旧オフィス1ヶ月分 | 工期遅延で旧オフィスの退去日と新オフィス入居日が重なるケース |
2026年の内装工事費用に影響する市場動向
建設資材の価格高騰が内装工事費に直結
2024年以降、鋼材・木材・石膏ボードなどの建設資材は高止まりが続いています。2026年現在、物流コストの上昇と円安の影響も加わり、内装工事の坪単価は3年前と比べて10〜15%上昇しています。特にガラスパーティションや特注什器は価格上昇が顕著で、20%以上値上がりしている製品もあります。
職人不足で内装工事の工期が長期化
建設業の2024年問題(残業規制の本格適用)により、内装工事の人手確保が難しくなっています。繁忙期(1〜3月・9〜12月)は工期が通常の1.5倍に延びることがあり、移転スケジュールには最低2〜3週間の予備期間を設けることを強く推奨します。
セットアップオフィスの供給が拡大
資材高騰と人手不足を背景に、ビルオーナー側もテナント誘致の手段としてセットアップ仕様での貸し出しを増やしています。2024年と比較して、都心5区のセットアップオフィスの供給数は約1.5倍に増加しており、選択肢が広がっています。
オフィス内装工事の費用を抑える7つの方法
① セットアップオフィスで内装工事自体をなくす
最もインパクトの大きいコスト削減策です。内装工事と什器購入がゼロになるため、スケルトン物件と比べて初期費用を80〜90%削減できます。さらに敷金0円のスタートアップオフィスを選べば、移転時の初期費用を最小限に抑えられます。
② 居抜き物件で既存内装を活用する
前テナントの内装を引き継ぐことで、スケルトンの半額以下で済むケースが多いです。特に前テナントと同業種なら、レイアウト変更を最小限に抑えられます。Growth Officeでは東京都内のオフィス物件を幅広く掲載しています。
③ B工事の範囲を契約前に確認・交渉する
B工事は市場価格の1.5〜2倍になりがちです。契約交渉の段階でB工事の詳細見積もりを請求し、LAN配線や照明交換などC工事に切り替えられる項目を一つずつ確認してください。この交渉だけで50〜200万円の削減に成功するケースもあります。
④ C工事は3社以上の相見積もりを必ず取る
テナントが自由に業者を選べるC工事では、同じ工事内容でも業者間で30〜50%の価格差が出ることは珍しくありません。見積もりは工事項目ごとに単価を比較し、極端に高い項目は理由を確認しましょう。
⑤ 什器は中古+チェアだけ新品が最適解
デスクやキャビネットは中古でも品質差が出にくいため、中古品を活用すれば什器費用を半額以下に圧縮できます。ただしチェアだけは座り心地が生産性と健康に直結するため、新品の投資を推奨します。
⑥ 国の補助金制度を活用する
| 制度名 | 補助上限 | 対象経費の例 |
|---|---|---|
| IT導入補助金 | 最大450万円 | クラウド・セキュリティツール導入 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 最大200万円 | 販路開拓に伴う設備投資 |
| ものづくり補助金 | 最大1,250万円 | 革新的な設備投資・システム構築 |
内装工事そのものは補助対象外のケースが多いですが、移転に伴うITインフラ整備やセキュリティ機器の導入は対象になりえます。申請には事業計画書の作成が必要ですが、数百万円規模の補助を受けられる可能性があります。
⑦ 閑散期(4〜6月)に工事を発注する
内装工事業者の繁忙期を避けることで、10〜20%の値引き交渉が通りやすくなります。4〜6月は比較的空いている時期で、職人の確保もしやすいため工期短縮にもつながります。
内装工事で失敗しないために確認すべき5つのポイント
退去時の原状回復費用を入居前に概算する
退去時の原状回復工事は、入居時の内装と同等かそれ以上の費用がかかることがあります。スケルトン戻しが条件の場合、30坪で300〜600万円が目安です。入居前に「入居時の内装工事費+退去時の原状回復費」のトータルで他物件と比較してください。
B工事の「概算見積もり」と正式見積もりの乖離に注意
ビル側から入居前に提示されるB工事の概算は、正式見積もりと大きく乖離することがあります。「概算200万円」が正式見積もりでは400万円になった事例もあります。概算の段階で工事項目ごとの単価内訳を求め、合理的な水準かどうかを確認しましょう。
電気容量は物件選定の段階で確認する
IT機器が多いオフィスでは既存の電気容量が不足するケースがあります。電気容量の増設はA工事(ビルオーナー側の工事)になるため、テナント側でコントロールできず、数ヶ月の待ちが発生することもあります。物件を内見する段階で電気容量を必ず確認してください。
工期遅延に備えて予備期間を確保する
旧オフィスの退去日と新オフィスの入居日の間に最低2週間、繁忙期なら3〜4週間の予備期間を設けてください。工期遅延で旧・新オフィスの賃料が同時に発生する「二重賃料」は、もっとも避けたいコスト増加要因です。
消防届出は内装業者と連携して早期に対応する
間仕切り壁の新設や用途変更を伴う工事では、所轄消防署への届出が法的に義務付けられています。届出が遅れると着工できずスケジュール全体に波及するため、内装業者と連携して早めの手続きを進めてください。
オフィス内装工事に関するよくある質問
Q. オフィス内装工事の坪単価はいくらですか?
2026年現在の相場は、スケルトン物件で坪30〜80万円、居抜き物件で坪10〜35万円、セットアップオフィスで坪0〜15万円です。都心5区では郊外より10〜20%割高になる傾向があります。坪単価は間仕切りの数、仕上げ材のグレード、B工事の範囲によって大きく変動します。
Q. 10人規模のオフィスの内装工事費用はいくらかかりますか?
10人規模(25〜35坪)の場合、スケルトンで750〜2,800万円、居抜きで250〜1,225万円、セットアップオフィスなら0〜525万円が目安です。什器・敷金・引っ越し費用を含むトータルの初期費用は、この金額に200〜600万円を加算して試算してください。
Q. 内装工事の工期はどのくらいかかりますか?
スケルトン物件で2〜3ヶ月、居抜き物件で2〜6週間、セットアップオフィスなら即入居〜2週間です。ただし2026年現在は職人不足の影響で、繁忙期(1〜3月・9〜12月)には工期が通常の1.5倍に延びるケースが増えています。
Q. A工事・B工事・C工事とは何ですか?
ビルの内装工事における費用負担と業者選定の区分です。A工事はビルオーナー負担(共用部)、B工事はテナント負担+ビル指定業者(防災・空調等)、C工事はテナント負担+テナントが業者を自由に選定(内装仕上げ・什器等)です。B工事は市場価格の1.5〜2倍になりやすいため、契約前の確認・交渉が重要です。
Q. 内装工事費用を最も効果的に削減する方法は?
セットアップオフィスを選ぶことが最も効果的です。内装工事費と什器購入費がほぼゼロになり、初期費用を80〜90%削減できます。さらに敷金0円の物件なら、初期費用を最小限に抑えたオフィス移転が実現します。
セットアップオフィスで削減できるコストの全体像
セットアップオフィスは内装工事費がゼロになるだけではありません。オフィス移転にかかる複数のコストを同時に削減できます。
| コスト項目 | スケルトン物件 | セットアップオフィス | 削減額の目安(30坪) |
|---|---|---|---|
| 内装設計費 | 50万〜150万円 | 0円 | ▲50万〜150万円 |
| 内装工事費 | 900万〜1,500万円 | 0円 | ▲900万〜1,500万円 |
| 什器・家具購入費 | 150万〜300万円 | 0円(備え付き) | ▲150万〜300万円 |
| 原状回復費(退去時) | 150万〜450万円 | 0〜30万円 | ▲120万〜420万円 |
| 工事期間のフリーレント損失 | 1〜2ヶ月分の賃料 | なし | ▲数十万〜100万円超 |
| 合計削減額 | — | — | ▲1,370万〜2,470万円 |
セットアップオフィスが特に向いている企業
- 創業〜3年目のスタートアップ: 初期投資を最小限に抑え、事業成長に資金を集中できます
- 人数変動が読めない成長期の企業: 1〜2年後に手狭になっても、原状回復費が最小限のため移転しやすい
- 移転を急いでいる企業: 内装工事期間(通常1〜2ヶ月)が不要なので、最短2〜3週間で入居可能
- 内装にこだわりがないバックオフィス拠点: 営業所・サテライトオフィスなど、機能性重視の拠点に最適
2026年、セットアップオフィスの供給が増加中
近年、ビルオーナー側が空室対策としてセットアップオフィスを積極的に供給する動きが加速しています。特に渋谷・新宿・品川エリアでは、築浅ビルでもセットアップ仕様で募集されるケースが増えており、以前より選択肢が広がっています。
内装工事費に1,000万円以上かける前に、まずはセットアップオフィスの物件をチェックしてみることをおすすめします。
東京のセットアップオフィスを面積・エリアで検索
セットアップオフィスの賃料相場については「セットアップオフィスの賃料相場【2026年最新】」もあわせてご覧ください。
まとめ:オフィス内装工事は物件選びで費用が決まる
オフィス内装工事の費用は、物件タイプの選択によって坪0〜80万円と大きく変動します。2026年現在は建設資材の高騰と職人不足により費用が上昇傾向にあるため、コスト最適化の重要性はかつてないほど高まっています。
本記事で解説した通り、初期費用だけでなく3年間のトータルコストで比較すると、セットアップオフィスが最もコスト効率の良い選択肢です。特にスタートアップや成長フェーズの企業にとって、内装費用をゼロに近づけ、浮いた資金を事業成長に投資できるメリットは大きいでしょう。
Growth Officeでは、セットアップオフィスや敷金0円物件を多数掲載しています。内装工事費用を抑えながら、すぐに業務を開始できるオフィスをお探しの方はぜひご活用ください。
