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本社を地方移転するメリット・デメリット比較【2026年版】

Growth Office 編集部
本社を地方移転するメリット・デメリット比較【2026年版】

「本社を地方に移転したらどれくらいコストを削減できるのか」「地方移転で失敗しないためには何を準備すべきか」——こうした疑問を持つ経営者・総務担当者は少なくありません。本社の地方移転は、オフィスコストを50〜70%削減しながらBCP対策と地方人材の活用を同時に実現できる経営戦略です。ただし取引先との距離やブランドイメージなど、事前に検討すべきリスクもあります。

この記事では、地方移転のメリット・デメリットを具体的な数値で比較し、成功企業の共通点や最もリスクの低い移転パターンまで徹底解説します。

本社を地方に移転する5つのメリット

本社の地方移転には、コスト面だけでなく採用・BCP・社員の生活の質など多角的なメリットがあります。ここでは主な5つのメリットを解説します。

オフィスコストを50〜70%削減できる

地方移転で最も大きなインパクトがあるのはオフィスコストの削減です。東京都心のオフィス賃料は坪単価20,000〜40,000円が相場ですが、地方都市では5,000〜15,000円程度で同等以上の広さを確保できます。100坪のオフィスなら年間1,200万〜3,000万円のコスト削減が見込めます。賃料だけでなく、社員の住居手当や交通費なども大幅に抑えられるため、トータルの固定費削減効果はさらに大きくなります。

地方拠点強化税制で税額控除を受けられる

国は地方への企業移転を後押しするため、地方拠点強化税制を設けています。東京23区から地方に本社機能を移転した場合、建物等の取得価格に対する特別償却や税額控除が適用されます。加えて、自治体ごとの補助金・助成金制度を併用すれば、移転コストの大部分をカバーできるケースもあります。移転先の自治体に事前相談することで、活用可能な制度を網羅的に把握できます。

地方の優秀な人材を直接採用できる

東京一極集中が続く一方で、地方にはUターン・Iターンを希望する優秀な人材が増えています。地方に本社を構えることで、東京では採用競争が激しいエンジニア・デザイナー・バックオフィス人材を地方の採用市場で獲得できます。地方大学との産学連携やインターンシップも実施しやすくなり、長期的な人材パイプラインの構築につながります。

BCP(事業継続計画)を強化できる

首都直下地震のリスクが高まるなか、事業拠点を地理的に分散させるBCP対策として地方移転が注目されています。東京で大規模災害が発生した際、地方に本社機能があれば業務を継続できます。取引先や投資家に対しても、BCPの実効性をアピールする材料になります。実際に、コロナ禍以降はサテライトオフィスの導入と併せてBCP強化を進める企業が急増しました。

社員の生活の質(QOL)が向上する

地方では通勤時間の短縮、住居費の低減、自然環境の豊かさなど、社員の生活の質が大きく向上します。満員電車での長時間通勤がなくなることで、ストレス軽減と生産性向上の両方が期待できます。家族帯同の場合は子育て環境の改善も大きなメリットです。これらは社員の定着率向上にも直結し、採用コストの削減にもつながります。

本社を地方に移転する4つのデメリット

メリットが大きい一方で、地方移転にはリスクや課題も存在します。事前に把握し、対策を講じることが成功の鍵です。

取引先との物理的な距離が拡大する

東京に取引先が集中している企業にとって、地方移転は対面での商談・打ち合わせの頻度低下を意味します。オンライン会議で代替できる範囲は広がっていますが、契約締結や重要な交渉など対面が不可欠な場面では、出張コストと時間的ロスが発生します。特に営業活動が対面中心の業種では、移転前にオンライン化できる業務の範囲を見極める必要があります。

「東京の会社」というブランド力を失う

BtoB・BtoCを問わず、「東京都港区」「東京都渋谷区」といった住所が企業の信頼性に影響するケースは少なくありません。特に創業間もないスタートアップや、オフィスの立地が企業信頼に関わる業種では、地方移転によるブランドイメージの低下リスクを慎重に評価する必要があります。

移転コストと社員の転勤負担が大きい

本社移転には引っ越し費用、新オフィスの内装工事費、IT環境の再構築費用がかかります。さらに社員の転勤に伴う住居手配・引っ越し補助・家族の生活環境調整など、人的コストは金銭的コスト以上に大きい場合があります。社員の転勤拒否による離職リスクも考慮し、移転スケジュールは余裕を持って設定してください。

東京での人材採用が困難になる

本社を地方に移転すると、東京の採用市場へのアクセスが弱まります。「東京勤務」を条件に転職活動をしている人材は多く、地方勤務のポジションでは母集団が大幅に減少する可能性があります。リモートワーク制度を整備して東京の人材にもアプローチできる体制を併せて構築することが重要です。

メリット・デメリット比較表

本社の地方移転を検討する際は、以下の比較表で自社に当てはまる項目を確認してください。

項目メリットデメリット
コストオフィス賃料50〜70%削減移転費用・転勤手当が発生
税制地方拠点強化税制で控除適用条件の確認が必要
人材地方人材の直接採用が可能東京の人材採用が困難に
BCP拠点分散でリスク軽減
ブランド地域密着のイメージ向上「東京の会社」の信頼性低下
社員QOL通勤・住居環境が改善転勤への抵抗・離職リスク

地方移転に成功する企業・失敗する企業の特徴

すべての企業にとって地方移転が最適解とは限りません。成功しやすい企業と失敗しやすい企業の特徴を比較します。

成功しやすい企業の3つの共通点

地方移転に成功している企業には明確な共通点があります。第一に、リモートワークが定着済みで業務のオンライン化が完了している企業です。第二に、BtoBのオンライン取引が中心で対面営業の依存度が低い企業。第三に、経営者自身が地方に縁があり、移転先の地域ネットワークを活用できる企業です。IT・SaaS企業がこれらの条件を満たしやすく、実際に地方移転の成功事例が多い業種です。

失敗しやすい企業の3つの特徴

一方、失敗リスクが高い企業にも特徴があります。対面の営業活動が収益の柱である企業、東京の取引先への頻繁な訪問が必要な企業、そして社員の大半が東京在住で転勤に強い抵抗がある企業です。金融・不動産・士業など、対面での信頼構築が重要な業種では、完全な地方移転は慎重に検討すべきです。

観点成功しやすい企業失敗しやすい企業
業務形態リモートワーク定着済み対面営業が収益の柱
取引形態BtoBオンライン取引中心東京の取引先への訪問多数
業種IT・SaaS企業金融・不動産・士業
経営者地方出身・地方に縁あり地方との接点なし
社員構成リモート前提の採用実績あり東京在住者が大半で転勤不可

「完全移転」より「二拠点体制」が現実的な理由

本社を完全に地方へ移すのはリスクが高いため、多くの企業が選択しているのが二拠点体制です。ここではその具体的な進め方を解説します。

二拠点体制のベストプラクティス

最も成功率が高いのは、「東京に営業・採用拠点を残し、開発・バックオフィスを地方に移す」パターンです。東京拠点は最小限の面積に縮小し、地方拠点に予算を集中させます。東京側は敷金0円のスタートアップオフィスセットアップオフィスを活用すれば、内装工事費ゼロ・敷金ゼロで東京の拠点を維持できます。

段階的な移転スケジュールの組み方

二拠点体制への移行は段階的に進めるのが鉄則です。まずバックオフィス部門(経理・人事・情報システム)を地方に移し、3〜6か月の運用実績を検証します。問題がなければ開発部門を移転し、最終的に本社登記を地方に変更する流れが安全です。各フェーズで社員の満足度調査と業務効率の定量評価を実施し、課題があれば計画を修正してください。オフィス移転の流れと優先順位も参考にしてください。

コストシミュレーション例

東京100坪(坪単価30,000円)から地方80坪(坪単価10,000円)+東京20坪(セットアップオフィス坪単価25,000円)に移行した場合のシミュレーションです。移転前は月額300万円だった賃料が、地方80万円+東京50万円=月額130万円となり、年間約2,040万円のコスト削減が実現します。オフィス移転時のコスト削減ポイントも併せてご確認ください。

地方移転を検討する際のチェックリスト

実際に移転を検討する段階では、以下の項目を社内で確認してください。

移転前に確認すべき5つの項目

地方移転の成否は事前準備で決まります。以下の5項目を経営陣・総務・各部門長で確認してください。①現在のオフィスコストと移転後の試算比較、②取引先との打ち合わせ頻度とオンライン化可能な割合、③社員へのヒアリング(転勤の可否・条件)、④移転先自治体の支援制度の調査、⑤IT環境の移行計画です。特に社員ヒアリングは最も重要で、総務がやるべきタスク一覧を参考にチェックリストを作成することを推奨します。

移転先選びで重視すべきポイント

移転先の選定では、賃料だけでなく複数の要素を総合的に判断する必要があります。交通アクセス(新幹線・空港へのアクセス時間)、通信インフラ(光回線・データセンターの有無)、生活環境(住宅相場・教育機関・医療機関)、そして地元企業・自治体との連携可能性です。福岡への移転・支店設立のメリットのように、支援制度が充実した都市は特に検討価値があります。

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よくある質問(FAQ)

Q. 本社を地方に移転すると法人税は安くなりますか?

地方拠点強化税制の対象になれば、税額控除を受けられます。また、一部の自治体では独自の法人税減免制度を設けています。ただし、法人税の税率自体は全国一律のため、税制優遇の適用条件を自治体に確認してください。

Q. 社員が転勤を拒否した場合はどうすればよいですか?

リモートワーク制度を併用し、東京に残る社員にはサテライトオフィスやコワーキングスペースでの勤務を認める方法が一般的です。強制的な転勤は離職リスクが高いため、段階的な移行と個別の条件交渉を推奨します。

Q. 本社登記だけ地方に移して実態は東京に残す方法はありますか?

登記上の本店所在地を地方に移し、東京をサテライトオフィスとして運用する企業もあります。ただし、実態と登記が乖離している場合は税務調査でリスクがあるため、実際に業務機能の一部を移転させることを推奨します。

Q. 地方移転に適した都市はどこですか?

福岡・札幌・仙台・広島・那覇が人気です。新幹線や空港へのアクセス、IT人材の供給、自治体の支援制度を総合的に比較してください。IT企業には福岡、クリエイティブ系には那覇・鎌倉などが選ばれる傾向にあります。

まとめ

本社の地方移転は、オフィスコスト50〜70%削減、地方人材の活用、BCP強化という大きなメリットがある一方、取引先との距離やブランドへの影響を慎重に検討する必要があります。最もリスクの低い方法は、東京に営業・採用拠点を残す二拠点体制です。東京側を敷金0円のスタートアップオフィスで最小化し、地方に予算を集中させましょう。

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