オフィスに必要な面積の目安は一人あたり2.5〜3.5坪(約8〜12㎡)です。ただし業種・働き方・共用スペースの規模によって最適な面積は大きく変わります。面積の見積もりを誤ると、「手狭で業務効率が落ちる」「広すぎて無駄な賃料を払い続ける」といった問題が発生します。本記事では、日商保が年間数百件のオフィス仲介で蓄積した知見をもとに、人数別の早見表・業種別の計算方法・面積を効率化する具体策まで体系的に解説します。
【早見表】人数別のオフィス面積目安
まず、人数別に必要なオフィス面積と賃料の目安を一覧にまとめました。物件探しの初期段階で、予算感をつかむための参考にしてください。
| 人数 | 必要面積の目安 | 坪数(一人あたり) | 月額賃料の目安(都心5区) |
|---|---|---|---|
| 1〜2人 | 5〜8坪 | 3〜4坪 | 11〜18万円 |
| 3人 | 8〜12坪 | 2.7〜4坪 | 18〜26万円 |
| 5人 | 13〜18坪 | 2.6〜3.6坪 | 29〜40万円 |
| 10人 | 25〜35坪 | 2.5〜3.5坪 | 55〜77万円 |
| 20人 | 50〜70坪 | 2.5〜3.5坪 | 110〜154万円 |
| 30人 | 75〜105坪 | 2.5〜3.5坪 | 165〜231万円 |
| 50人 | 125〜175坪 | 2.5〜3.5坪 | 275〜385万円 |
| 100人 | 250〜350坪 | 2.5〜3.5坪 | 550〜770万円 |
※ 坪単価22,000円(都心5区平均)で算出。共用部・会議室を含む総面積の目安です。エリアやビルグレードによって賃料は大きく変動します。
オフィス面積の計算方法
早見表はあくまで概算です。自社に最適な面積を算出するには、以下の計算式を使います。正確な見積もりで無駄のないオフィス選びを実現しましょう。
基本の計算式
オフィスの必要面積は以下の計算式で求められます。必要面積 =(在籍人数 × 一人あたり執務面積)+ 共用部面積 + バッファです。バッファとは、将来の増員やレイアウト変更に備えた余裕分で、全体の10〜20%を目安に設定します。たとえば在籍20人・一人あたり2.5坪・共用部15坪の場合、(20×2.5)+15=65坪が基本面積、バッファ20%を加えると78坪が必要面積の目安になります。この計算式は東京へのオフィス移転を検討する際の物件選定にも活用できます。
スペース種別ごとの面積配分
オフィスの面積は、執務スペースだけでなく会議室や収納、通路など多くの要素で構成されます。以下の表でスペース種別ごとの目安を確認し、自社の優先順位に応じて配分を調整してください。
| スペース種別 | 面積の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 執務スペース | 一人あたり2〜2.5坪 | デスク・チェア・通路を含む |
| 会議室 | 10人あたり3〜5坪 | 4〜6人用会議室1室分 |
| 収納・複合機スペース | 全体の5〜10% | ペーパーレス化で縮小可能 |
| エントランス・通路 | 全体の10〜15% | 避難経路幅120cm以上を確保 |
| 休憩スペース | 全体の5〜10% | 50人以上は法令上の休憩室設置義務あり |
| サーバールーム | 1〜3坪 | 自社サーバーがある場合のみ |
| 役員室 | 3〜5坪/室 | 規模・企業文化に応じて設置 |
通路やエントランスの面積配分については、オフィスの適切な通路幅の記事で法令基準と推奨幅を詳しく解説しています。
業種別の推奨面積と選定ポイント
一人あたりの必要面積は業種によって大きく異なります。以下の業種別推奨面積を参考に、自社の業務内容に合った面積を設定してください。
一般事務・営業職の場合
一般事務や営業職は一人あたり2〜2.5坪が目安です。標準的なデスクワークが中心で、営業職は外出が多いためフリーアドレスとの併用で面積を圧縮しやすい業種です。営業資料の保管スペースを考慮しつつ、ペーパーレス化を進めることで面積効率をさらに高められます。固定席の在席率が50%以下であれば、フリーアドレスで席数を70%程度に削減する検討価値があります。
IT・エンジニア職の場合
IT企業やエンジニア職は一人あたり2.5〜3.5坪が必要です。複数モニターやデスクトップPCの使用、テスト機材の設置などで通常より広いデスクスペースが求められます。集中ブースやスタンディングデスクを導入する場合はさらに面積を加算してください。また、サーバールームを社内に設ける場合は別途1〜3坪を確保する必要があります。
デザイン・クリエイティブ職の場合
デザイン・クリエイティブ職は一人あたり3〜4坪と、最も広い面積が推奨されます。大型ディスプレイや液タブの使用、作品・サンプルの保管スペースが必要なためです。アイデアを出し合うコラボレーションスペースも重要で、オフィス環境の重要性を踏まえた空間設計がクリエイティビティに直結します。
コンサル・士業の場合
コンサルティング会社や士業事務所は一人あたり2.5〜3坪が目安です。クライアントとの打ち合わせが多いため、応接室や会議室の面積を通常より多めに確保する必要があります。守秘義務の観点から個室の会議室が必要になるケースも多く、面積配分の中で会議室の割合を15〜20%に引き上げることを検討してください。
| 業種 | 一人あたり推奨面積 | 主な特徴 | 面積効率化のポイント |
|---|---|---|---|
| 一般事務・営業 | 2〜2.5坪 | 標準デスクワーク中心 | フリーアドレスで圧縮可能 |
| IT・エンジニア | 2.5〜3.5坪 | 複数モニター・機材が必要 | 集中ブースで効率化 |
| デザイン・クリエイティブ | 3〜4坪 | 大型ディスプレイ・作品保管 | 共用スペースを兼用設計 |
| コンサル・士業 | 2.5〜3坪 | 応接・会議室を多めに確保 | 会議室の時間制予約で稼働率向上 |
| 物流・バックオフィス | 2〜2.5坪 | 書類・在庫管理が必要 | 電子化で保管スペース削減 |
面積を効率化する5つの方法
賃料はオフィスの固定費の中でも大きな割合を占めます。無駄な面積を削減しつつ快適性を維持する方法を、効果の高い順に紹介します。
1. フリーアドレスの導入
在席率が70%以下の企業なら、固定席を廃止して席数を在籍人数の70〜80%に設定できます。これだけで必要面積を20〜30%圧縮可能です。導入前には2週間程度の在席率調査を行い、実態に基づいた席数を設定してください。ロッカーの設置や荷物のルール整備も重要な成功要因です。ただし、エンジニアやデザイナーなど固定の周辺機器が必要な職種では無理にフリーアドレスにせず、ゾーン別に運用を分けるのが現実的です。
2. ペーパーレス化で収納を削減
書類の電子化が進んでいれば、キャビネットの数を半減でき、その分を執務スペースやコラボスペースに転用できます。エコオフィスの取り組みとしても有効で、コスト削減と環境配慮を両立できます。まずは文書管理台帳を作成し、保管年限が過ぎた書類の廃棄から着手するのが効率的です。
3. 会議室の稼働率を上げる
多くのオフィスで会議室の平均稼働率は40〜60%にとどまっています。予約制の導入・会議時間の短縮ルール・Web会議用個室ブースの併設により、会議室の必要数を減らして面積を節約できます。「会議室が足りない」と感じる場合でも、稼働率データを取ってみると意外と空き時間が多いケースは珍しくありません。
4. 多目的スペースの活用
休憩スペースと打ち合わせスペースを兼用設計にすることで、それぞれ独立して設ける場合と比較して5〜10%の面積を節約できます。可動式パーテーションを使えば、用途に応じて空間を仕切ることも可能です。オフィスに従業員の意見をどこまで反映させるかも参考にしながら、社員のニーズに合った多目的スペースを設計してください。
5. セットアップオフィスの活用
セットアップオフィスはプロが効率的にレイアウト設計しているため、同じ面積でもスケルトン物件より多くの人数を収容できるケースがあります。内装工事費が不要なため、初期費用を大幅に抑えながら即座に快適なオフィス環境を手に入れることが可能です。特にスタートアップや急成長中の企業にとっては、短期間で入居できる点も大きなメリットです。
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オフィス面積の見直し時期と判断基準
オフィス面積は一度決めたら終わりではなく、事業フェーズに応じて定期的に見直す必要があります。以下の基準に該当する場合は、面積の再検討を行ってください。
面積が足りないサイン
会議室の予約が常に埋まっている、デスク間の通路で頻繁にすれ違いが困難になっている、新しい社員の席を確保できない、といった状況は面積不足のサインです。これらの問題を放置すると、通路幅の法令基準を下回るリスクや、従業員の離職率上昇につながるおそれがあります。
面積が余っているサイン
在席率が50%を下回っている、使われていない会議室がある、空いたデスクが島ごと放置されている場合は面積が過剰です。余剰面積は賃料の無駄遣いに直結します。シェアオフィスから賃貸オフィスへの移転のように段階的に面積を調整する方法もあるので、現状の在席率データをもとに最適な面積を再算出してください。
見直しのタイミング
以下のタイミングで面積の見直しを行うことをおすすめします。契約更新の6ヶ月前、社員数が20%以上増減した時、リモートワーク制度を導入・変更した時、事業内容が変わった時の4つが主な見直しタイミングです。オフィス移転時の従業員ケアも考慮しながら、計画的に移転・縮小を進めてください。
よくある質問(FAQ)
Q. オフィスの一人あたり面積は何坪が適正ですか?
一人あたり2.5〜3.5坪が一般的な目安です。一般事務なら2〜2.5坪、IT・エンジニアなら2.5〜3.5坪、デザイン・クリエイティブなら3〜4坪と、業種によって適正面積は異なります。自社の業務内容に合わせて設定し、将来の増員に備えて10〜20%のバッファを加算してください。
Q. 10人のオフィスに必要な面積と賃料はどれくらいですか?
10人のオフィスに必要な面積は25〜35坪が目安です。東京都心5区の場合、月額賃料は55〜77万円程度になります。ただし、エリア・ビルグレード・築年数によって賃料は大きく変動するため、複数の物件を比較検討してください。
Q. 坪数と平米数はどう換算すればよいですか?
1坪は約3.3058㎡です。坪数に3.3を掛けると概算の平米数が出ます。たとえば30坪なら約99㎡、50坪なら約165㎡です。物件情報では坪数表記が一般的ですが、契約書では平米数が使われることが多いため、両方の数字を把握しておくと便利です。
Q. リモートワーク併用の場合、オフィス面積はどれくらい削減できますか?
在席率によりますが、一般的にフリーアドレスとの併用で20〜30%の面積削減が可能です。たとえば在席率60%の企業なら、席数を在籍人数の70%に設定し、余剰面積をコラボスペースや会議室に転用するのが効果的です。
Q. 将来の増員に備えてどれくらいの余裕を持たせるべきですか?
一般的には現在の必要面積に対して10〜20%のバッファを確保することが推奨されます。急成長が見込まれるスタートアップの場合は30%程度の余裕を持たせるケースもあります。ただし、余裕を持たせすぎると賃料負担が重くなるため、2〜3年後の人員計画をもとに判断してください。
まとめ
オフィスの必要面積は一人あたり2.5〜3.5坪が目安ですが、業種・働き方・共用スペースの規模によって最適な面積は異なります。本記事の早見表と計算式を活用して、自社に合った面積を算出してください。将来の増員も見据えて10〜20%の余裕を確保し、フリーアドレスやペーパーレス化で面積効率を高めることも重要です。Growth Officeでは人数や面積で絞り込み検索ができるセットアップオフィスを多数掲載しています。
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