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オフィスの「おしゃれ」を言語化してみる|その言葉が持つ意味とは

Growth Office 編集部
オフィスの「おしゃれ」を言語化してみる|その言葉が持つ意味とは

近年、オフィスデザインへの関心が高まっています。特に「おしゃれなオフィス」という言葉をよく耳にしますが、実際にどのような要素で構成されているのでしょうか。漠然と「かっこいい」「洗練されている」と感じる空間には、実は建築やインテリアの視点から見た明確な特徴が存在します。本記事では、建築のプロフェッショナルの視点から、「おしゃれなオフィス」を構成する具体的な要素を説明していきます。

建築要素で見る「おしゃれ」の正体

建築物としてのオフィスには、その空間の印象を大きく左右する基本的な要素が存在します。意匠性の高いオフィスには、必ずと言っていいほど共通する建築的特徴があり、それらは空間全体の基調を決定づける重要な役割を果たしています。素材の選び方から、構造体の見せ方まで、建築的な処理が空間の質を形作る土台となっているのです。

コンクリート打ちっ放しの壁

コンクリート打ちっ放しの壁面は、現代的なオフィスデザインの代表的な要素として広く認知されています。その無機質な質感は、空間に都会的で洗練された印象をもたらすと同時に、どこか親しみやすい雰囲気も醸し出します。特徴的なのは、コンクリートの持つ「不完全さ」です。型枠の跡や細かな気泡、わずかな色むらなど、工業製品とは異なる手作り感が、むしろ空間に味わい深さを与えているのです。建築家たちはこれらの「欠点」を意図的に活かし、素材感を際立たせる設計手法を採用することが多いでしょう。

天井の高さと梁の見せ方

空間の印象を決定づける重要な要素として、天井の高さと梁の処理があります。一般的なオフィスビルの標準的な天井高は2.5m程度ですが、おしゃれなオフィスとして注目される空間の多くは、3m以上の天井高を確保しています。さらに特徴的なのは、天井を張らずに梁をあえて見せる「スケルトン天井」の採用です。設備配管や梁構造をむき出しにすることで、空間に開放感と同時に、インダストリアルな雰囲気をもたらします。この手法は、建築の構造体そのものを意匠的要素として活用する現代的なアプローチといえるでしょう。

大きな窓と自然光の取り入れ方

自然光の取り入れ方は、オフィス空間の質を大きく左右する要素です。おしゃれなオフィスの多くは、大きな開口部を設けることで、豊富な自然光を室内に導き入れています。これは単に明るさを確保するだけでなく、外部との視覚的なつながりを生み出し、空間に奥行きと開放感をもたらします。また、季節や時間帯による光の変化が、空間に自然な表情の変化を与えることも重要なポイントとなっています。このような自然光の活用は、人工的な照明では得られない、豊かな空間体験を創出する重要な要素となっているのです。

黒いスチールサッシ

黒いスチールサッシは、現代的なオフィスデザインにおいて、空間の印象を決定づける重要なアクセントとなっています。従来のアルミサッシとは異なり、スチールサッシは細いフレーム幅と力強い印象を併せ持ちます。特に黒色の持つシャープさは、コンクリートの無機質な質感や木材の温かみとも相性が良く、空間全体にモダンでスタイリッシュな印象をもたらします。また、室内のパーティションや建具にも同様のデザインを採用することで、統一感のある洗練された空間を作り出すことが可能です。このような細部へのこだわりが、空間全体の質を高めているのです。

あえての配管むき出し

設備配管を隠さずにあえて見せる手法は、インダストリアルデザインの代表的な要素として定着しています。天井裏に隠すことが一般的だった空調ダクトや配管類を露出させることで、空間に独特の表情が生まれます。特に、配管を黒や白でペイントしたり、銀色のダクトをそのまま活かしたりすることで、意匠的な要素として効果的に機能させることができます。このような「完成された未完成」とも呼べる空間づくりは、従来のオフィスデザインの概念を覆し、新しい美意識を提示する手法として広く認知されているのです。

インテリアで作る「おしゃれ」の要素

建築的な要素に加え、インテリアの選び方や配置によって、空間の印象は大きく変化します。照明計画から家具の選定まで、これらの要素は空間の雰囲気を決定づける重要な役割を果たしています。とりわけ現代的なオフィスデザインでは、機能性だけでなく、空間全体との調和を意識したインテリアの構成が求められているのです。

間接照明の配置

空間の質を高める重要な要素として、間接照明の存在が挙げられます。天井や壁に光を当て、反射光で空間を照らすこの手法は、直接照明では得られない柔らかな明るさを生み出します。特に、天井と壁の境界に設置された間接照明は、空間に浮遊感をもたらし、圧迫感を軽減する効果があります。また、LEDテープライトを用いた建築化照明は、昼夜を問わず空間に洗練された印象を与えます。このような光の演出は、単なる明るさの確保を超えて、空間全体の質を大きく向上させる重要な要素となっているのです。

スポットライトの使い方

スポットライトによる光の強弱は、空間に緩急をつける効果的な手法として注目されています。天井に設置されたダクトレールと組み合わせることで、フレキシブルな照明計画が可能となり、空間の用途に応じた光環境を創出できます。特に、アート作品や観葉植物、テクスチャのある壁面など、空間のアクセントとなる部分を効果的に照らすことで、より豊かな空間体験を演出することができます。光と影のコントラストが織りなす陰影は、空間に奥行きと立体感を与える重要な要素となっているのです。

観葉植物の量と配置

オフィス空間における観葉植物の存在は、単なる装飾以上の意味を持っています。無機質な建築要素に生命感を吹き込むグリーンは、空間に自然な潤いをもたらす重要な要素です。特に注目すべきは、その「量感」と「配置」のバランスです。天井近くまで伸びた背の高い植物は空間に縦のアクセントを、ワイドな葉を持つ中型の観葉植物は横の広がりを演出します。また、小さな多肉植物をところどころに配置することで、視線の動きを作り出すことができます。このようなグリーンの重層的な使い方が、空間の奥行きを生み出しているのです。

木の質感を活かした家具

オフィス家具における木材の使用は、空間に温かみと品格を与える重要な要素として機能しています。特にコンクリートや鉄といった無機質な建築要素が目立つ空間では、木材の持つ有機的な質感が効果的なアクセントとなります。素材の選定においては、オーク材やウォールナットといった木目の美しい材を用い、その自然な表情を活かした仕上げが好まれます。塗装を最小限に抑え、木材本来の経年変化を楽しめる仕上げ方は、時間とともに味わいを増す空間づくりの重要な要素となっているのです。

アイアン素材のアクセント

アイアン(鉄)素材は、現代的なオフィスデザインにおいて欠かせないアクセント材として定着しています。その特徴的な存在感は、空間全体を引き締める効果をもたらします。デスクの脚部や棚のフレーム、パーティションの支柱など、構造的な部分にアイアンを用いることで、インダストリアルな雰囲気と同時に洗練された印象を演出することができます。特に黒皮鉄板や錆び加工を施した素材は、経年変化による味わいも楽しめる要素として、空間に深みを与えているのです。

空間構成による「おしゃれ」の演出

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空間の質は、個々の要素だけでなく、それらをどのように構成し、配置するかによっても大きく変わります。現代のオフィスデザインでは、従来の機能的な区分けを超えて、より有機的なつながりを持った空間構成が求められています。エリア同士の関係性や動線計画によって、空間全体の印象は大きく変化するのです。

ガラス張りの会議室

透明性の高いガラス張りの会議室は、現代のオフィスデザインを象徴する要素となっています。視線の抜けを確保することで、限られた空間でも広がりのある印象を作り出すことができます。また、ガラスの持つ透明性は、組織の開放性や透明性を表現する象徴的な役割も果たしています。黒いフレームで区切られたガラスパネルは、空間に規則的なリズムをもたらし、同時にモダンな印象を演出します。このような視覚的な開放感と物理的な区切りのバランスが、洗練された空間を生み出す鍵となっているのです。

カフェのようなミーティングスペース

従来のオフィスにはない、リラックスした雰囲気のミーティングスペースが、創造的な空間づくりのトレンドとなっています。カウンター席やソファセッティング、丸テーブルを配置することで、より自由なコミュニケーションを促す環境が生まれます。照明も一般的なオフィス照明より温かみのある色温度を選択し、カフェのような落ち着いた雰囲気を演出します。このような非定型的な打ち合わせスペースは、アイデアの創出や気軽な情報交換の場として、重要な役割を果たしているのです。

余白を活かしたレイアウト

現代的なオフィスデザインにおいて、「余白」の存在は空間の質を高める重要な要素となっています。デスクやミーティングスペースを必要最小限の密度で配置し、意図的に空いたスペースを設けることで、空間に呼吸を与えることができます。この「引き算」のデザイン手法は、単なる省スペースとは異なり、人々の活動や視線の余裕を生み出します。また、壁際や共用部分にゆとりを持たせることで、偶発的な出会いや立ち話のような自然なコミュニケーションを促す効果も期待できるのです。

シームレスな空間のつなぎ方

従来のオフィスに見られた明確な区画分けとは異なり、現代的なオフィスでは空間の境界をあえて曖昧にする手法が採用されています。執務スペースからミーティングエリア、リフレッシュスペースまでを緩やかにつなぐことで、より自然な人の流れが生まれます。床材の微妙な変化や、家具のレイアウトによる視覚的な区分けなど、ソフトな境界線の引き方が特徴です。このような空間の連続性は、コミュニケーションの活性化と同時に、空間全体の一体感を高める効果をもたらしているのです。

細部で感じる「おしゃれ」のディテール

空間の印象は、大きな建築要素だけでなく、細部のディテールによっても大きく左右されます。一見些細に思える要素であっても、それらの積み重ねが空間全体の質を決定づけています。特に使用頻度の高いオフィスでは、これらの細部への配慮が、日常的な使いやすさと美しさを両立させる重要な要素となっているのです。

電源タップの隠し方

オフィスにおける電源タップの処理は、空間の見た目を左右する重要なポイントです。配線が露出することで生まれる煩雑な印象は、どれだけ洗練された空間でも台無しにしてしまいます。そこで注目されているのが、デスク天板への埋め込み式コンセントや、床からの配線を隠すケーブルダクトの活用です。特に最新のオフィスでは、ワイヤレス充電対応の家具を採用したり、フロア配線を計画的に設置したりすることで、必要な機能性を保ちながら、見た目の美しさを実現しているのです。

サインや内装グラフィック

空間のアイデンティティを表現する上で、サインデザインや内装グラフィックは重要な役割を果たしています。会議室の名称表示や案内サイン、壁面のアートワークなど、これらのグラフィック要素は空間に個性とストーリー性を持たせます。特に注目すべきは、建築やインテリアのデザインコードと統一感を持たせた、洗練されたタイポグラフィの使用です。素材感にこだわったサインや、壁面に直接施工されたグラフィックは、空間全体の質を高める重要な装飾的要素となっているのです。

スケルトン天井の処理

スケルトン天井の処理方法は、インダストリアルな空間の質を決定づける重要な要素です。露出された配管や設備機器を無秩序に見せるのではなく、それらを意図的にデザインすることで、空間の個性を際立たせることができます。特に注目すべきは配管類の整理整頓と色彩計画です。空調ダクトや電気配管を規則正しく配置し、黒や白といったモノトーンで統一することで、むしろ空間のアクセントとして活かすことが可能です。このような「意図的な露出」が、現代的なオフィスデザインにおける一つの美学として確立されているのです。

床材の使い分け

床材の選択と使い分けは、空間の領域性を視覚的に表現する重要な手法となっています。エントランスからオフィスエリア、ミーティングスペースまで、それぞれの用途に応じて異なる床材を採用することで、自然な空間の区分けが可能になります。コンクリート調の床材やウッドフローリング、カーペットタイルなど、素材の持つ質感の違いを活かしながら、全体としての統一感も保つことが重要です。また、床材の目地やパターンによって、視線の流れや動線を自然にデザインすることもできるのです。

建具や取手のチョイス

建具や取手といった細部の要素は、空間の質を左右する重要なアクセントとなっています。特にドアや引き戸の取手は、人が直接触れる部分だけに、その素材感や形状は慎重に選定される必要があります。マットブラックやブラスといった金属素材の使用、シンプルでありながら手になじむ形状の採用など、見た目の美しさと使い勝手を両立させることが求められます。このような細部へのこだわりが、空間全体の完成度を高める重要な要素となっているのです。

まとめ

「おしゃれなオフィス」の正体は、単一の要素だけでなく、様々な建築的要素とインテリアの組み合わせによって形作られています。コンクリート打ちっ放しの無機質な質感、黒いスチールサッシがもたらすシャープさ、そして間接照明による柔らかな光環境。これらの要素は、それぞれが独立して存在するのではなく、互いに調和し合うことで空間の質を高めているのです。また、グリーンや木材といった自然素材を効果的に取り入れることで、硬質な印象に温かみが加わり、より居心地の良い空間が生まれます。さらに、電源タップの処理や建具の選定といった細部へのこだわりが、空間全体の完成度を決定づけています。重要なのは、これらの要素を単にトレンドとして取り入れるのではなく、空間の用途や企業文化に合わせて適切に選択し、組み合わせることです。そうすることで、真に魅力的で機能的な「おしゃれなオフィス」が実現されるのです。

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