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オフィスの熱中症対策|室内での予防法と対処法【2026年版】

Growth Office 編集部
オフィスの熱中症対策|室内での予防法と対処法【2026年版】

「オフィスは室内だから熱中症は関係ない」と思っていませんか?実はオフィス内での熱中症リスクは年々高まっています。節電による空調抑制、窓際席の温度上昇、在宅勤務からの出社切り替えによる体温調節機能の低下が主な要因です。

結論として、オフィスの熱中症は「空調管理」「水分補給の仕組み化」「ビル選び」の3つの観点から対策することで大部分を予防できます。本記事では、オフィスの熱中症対策として、発生原因・予防策・万が一発症した場合の対処法・企業の安全配慮義務まで、網羅的に解説します。

なぜオフィスで熱中症が起きるのか?

オフィスは空調が効いた屋内環境のため、熱中症とは無縁だと思われがちです。しかし、2025年の厚生労働省データによると、職場での熱中症の約15%が屋内作業中に発生しています。まずはオフィスで熱中症が起きる原因を正しく理解しましょう。

原因1:空調の設定温度と室温のギャップ

環境省が推奨する28℃は「室温」の目安であり、空調の「設定温度」ではありません。空調を28℃に設定しても、日射や人体の発熱、OA機器の発熱により、実際の室温が30℃を超えることがあります。特に窓際席や南面のフロアでは、輻射熱の影響で体感温度がさらに上がります。

原因2:フロア内の温度ムラ

大きなフロアでは、空調の吹き出し口から離れた場所は温度が3〜5℃高くなることがあります。同じオフィス内でも、席によって快適な場所と暑い場所の差が大きいのです。OAフロアがない物件や天井が低い物件では、この温度ムラが顕著になります。

原因3:在宅勤務から出社への切り替え

ハイブリッド勤務が一般化した現在、週1〜2回しか出社しない社員にとって、オフィスの温度環境は体に慣れていない環境です。在宅勤務中は自分で冷房を調節できますが、オフィスでは共有の空調に依存するため、体温調節が追いつかないケースが発生します。

原因4:水分摂取の不足

デスクワークに集中していると、水分補給のタイミングを逃しがちです。特に会議が連続する日は、数時間にわたって水分を摂取しないケースも珍しくありません。気づいたときには軽度の脱水状態になっていることがあります。

オフィスで熱中症が起きる原因一覧

オフィスでの熱中症リスクを一覧表で整理します。自社のオフィス環境と照らし合わせて、該当する項目がないか確認してください。

原因詳細リスクが高い状況
空調の設定温度が高い節電対応で28℃設定が一般的だが、体感温度は場所により30℃超窓際席、高層階の南面
フロア内の温度ムラ空調の吹き出し口から離れた場所は3〜5℃高い大部屋レイアウト、OAフロアなしの物件
在宅→出社の切り替え自宅の冷房に慣れた体がオフィスの温度に適応できない週1〜2回の出社日
水分摂取の不足作業に集中して水分補給を忘れる会議が連続する日
OA機器の発熱PC・プリンター・サーバーの発熱がフロア温度を押し上げるサーバールームに隣接したエリア
服装の制約スーツ着用の職場では放熱が妨げられる来客対応が多い部署

オフィスの熱中症を予防する6つの対策

熱中症は予防可能な症状です。以下の6つの対策を組み合わせることで、オフィス内の熱中症リスクを大幅に低減できます。コストがかからない施策から順に紹介しますので、できるものから実施してください。

対策1:室温を温度計で実測し28℃以下を維持する

空調の設定温度ではなく、実際の室温を温度計で計測して28℃以下を維持してください。フロアの複数地点に温湿度計を設置し、温度ムラがないかを確認します。特に窓際席はブラインドを閉めても輻射熱で温度が上がるため、サーキュレーターの設置で空気を循環させることが効果的です。

個別空調のビルであれば、エリアごとに温度調整が可能で、温度ムラの問題を解消できます。セットアップオフィスには個別空調が標準装備されている物件が多く、きめ細かい温度管理が可能です。

対策2:水分補給の仕組みを作る

「個人の注意力」に頼る水分補給は限界があります。仕組みとして水分補給を促進しましょう。

  • フロアの目立つ場所にウォーターサーバーを設置する
  • 夏季は1時間に1回、コップ1杯(200ml程度)の水分摂取を推奨する
  • 会議室にペットボトルの水を常備する
  • デスクに水筒を置くことを推奨する
  • チャットツールで定期的に水分補給のリマインドを送る

経口補水液やスポーツドリンクも常備しておくと、汗をかいたときの塩分補給に役立ちます。

対策3:服装規定を柔軟に運用する

夏季のクールビズを超えて、Tシャツやポロシャツでの勤務を認めるなど、服装規定を柔軟に運用してください。来客対応時のみジャケットを着用するルールにすれば、外見の適切さと快適性を両立できます。

通気性の良い素材の推奨や、冷感インナーの着用促進も効果的な対策です。2026年には多くの企業が「スーパークールビズ」を導入しており、服装のカジュアル化は社会的にも受け入れられています。

対策4:席替え・レイアウトの工夫

窓際の席や空調の死角になるエリアは熱中症リスクが高くなります。夏季限定で席替えを実施したり、フリーアドレスを導入して暑い席に固定されないようにすることも有効です。

サーキュレーターやスポットクーラーを温度の高いエリアに設置することで、大がかりな空調工事なしでも改善できます。狭いオフィスの改善策としても、レイアウトの工夫は効果的です。

対策5:熱中症対応マニュアルを整備する

万が一熱中症が発生した場合に備えて、対応マニュアルを整備しておきましょう。以下の項目を含めてください。

  • 熱中症の症状の見分け方(軽度・中等度・重度)
  • 症状別の対処手順
  • 経口補水液・保冷剤の保管場所
  • 最寄りの医療機関の連絡先
  • 労災報告の手順

管理職やフロアの安全担当者向けに、夏前に熱中症対応の研修を実施することも推奨します。

対策6:ビル選びの段階で根本対策する

空調管理に限界がある場合、根本的な対策は空調設備が充実したビルへの移転です。以下の設備が整ったビルを選ぶことで、熱中症リスクを大幅に低減できます。

設備・条件熱中症予防への効果
個別空調エリアごとに温度を細かく調整できる
天井高2,700mm以上暖気が上部に逃げ、体感温度が下がる
Low-Eガラス日射熱を遮断し、窓際の温度上昇を抑える
ブラインド内蔵型ガラス輻射熱の影響を大幅に軽減
24時間空調対応早朝・夕方の暑い時間帯にも空調が使える

セットアップオフィスは個別空調が標準装備されている物件が多いため、温度管理の課題を抱えている企業にとって有力な選択肢になります。

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オフィスで熱中症が発生した場合の対処法

予防策を講じていても、熱中症を完全にゼロにすることは困難です。万が一発生した場合に、迅速かつ適切に対処できるよう、症状別の対処法を把握しておきましょう。

症状の重症度と対処法一覧

症状重症度対処法判断のポイント
めまい、立ちくらみ、大量の発汗、筋肉のけいれん軽度(I度)涼しい場所へ移動、衣服を緩める、水分・塩分を補給自力で水分を飲める状態
頭痛、吐き気、倦怠感、集中力の著しい低下中等度(II度)上記に加え、経口補水液を少量ずつ飲ませる。30分で改善しなければ医療機関へ自力での回復に不安がある状態
意識障害、けいれん、高体温(40℃以上)、発汗の停止重度(III度)直ちに119番通報。首・脇の下・脚の付け根を保冷剤で冷却意識が朦朧、会話が成立しない状態

応急処置の手順

熱中症が疑われる場合は、以下の手順で対処してください。

  1. 涼しい場所に移動:会議室や休憩室など、空調が効いた場所に移動させる
  2. 衣服を緩める:ネクタイ・ベルト・ボタンを外し、放熱しやすくする
  3. 体を冷やす:首・脇の下・脚の付け根に保冷剤を当てる(太い血管を冷やす)
  4. 水分・塩分を補給:経口補水液が最適。なければスポーツドリンクや塩水でも可
  5. 経過観察:30分で改善しなければ医療機関を受診。意識障害があれば即座に119番

重要:意識が朦朧としている場合は、無理に水を飲ませないでください。誤嚥のリスクがあります。

オフィスに常備すべきもの

夏季に向けて、以下のアイテムをオフィスに常備しておくことを推奨します。

  • 経口補水液(OS-1など):最低5〜10本
  • 保冷剤(冷凍庫で保管):3〜5個
  • スポーツドリンク
  • 温湿度計(フロアの複数地点に設置)
  • サーキュレーター(予備として1台)

企業の安全配慮義務と熱中症

企業には労働契約法第5条に基づく安全配慮義務があります。オフィス内で熱中症が発生した場合、企業の安全配慮義務が問われる可能性があることを経営者・管理職は理解しておく必要があります。

安全配慮義務で求められること

厚生労働省の「職場における熱中症予防対策マニュアル」では、事業者に対して以下の措置を求めています。

  • WBGT値(暑さ指数)の測定と管理
  • 水分・塩分の補給ができる環境の整備
  • 熱中症予防に関する労働者への教育
  • 異常時の連絡体制の整備
  • 健康管理(特に熱中症の既往歴がある労働者への配慮)

これらの措置を怠った結果、従業員が熱中症を発症した場合、労災認定されるだけでなく、損害賠償請求の対象になる可能性もあります。リスク管理の観点からも、熱中症対策は企業の経営課題として取り組む必要があります。

労災としての熱中症

オフィス内での熱中症も労災の対象となります。業務との因果関係が認められれば、療養補償給付・休業補償給付の対象になります。発症時には速やかに労災の手続きを進めてください。

よくある質問(FAQ)

Q. オフィスの適切な室温は何℃ですか?

労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則では、室温を17℃以上28℃以下に維持することが定められています。実際の快適温度は25〜26℃とされており、この範囲を目安に空調を管理してください。湿度は40〜70%が適切です。

Q. 熱中症の症状と風邪の症状の違いは何ですか?

熱中症の初期症状(頭痛・倦怠感・吐き気)は風邪と似ていますが、「暑い環境にいた」「水分を十分に摂っていない」という状況であれば熱中症を疑ってください。判断に迷う場合は、まず涼しい場所に移動して水分・塩分を補給し、改善しなければ医療機関を受診してください。

Q. テレワーク中の自宅での熱中症は会社の責任ですか?

テレワーク中の熱中症も、業務との因果関係が認められれば労災の対象になります。企業としては、テレワーク環境での室温管理や水分補給に関する注意喚起を行うことが推奨されます。ただし、自宅の空調費用を企業が負担する義務はなく、手当として支給するかは企業の判断です。

Q. 空調の電気代を抑えつつ熱中症を予防するには?

サーキュレーターで空気を循環させることで、空調の効率が上がり、設定温度を上げても体感温度を下げることができます。また、ブラインドや遮熱フィルムで日射を遮断することも効果的です。Low-Eガラスが採用されたビルであれば、日射熱の遮断性能が高く、空調負荷を大幅に軽減できます。

Q. 熱中症対策のためにオフィスを移転するのは大げさですか?

決して大げさではありません。空調設備の改善には多額の費用がかかりますが、個別空調が標準装備されたビルに移転すれば、根本的に問題を解決できます。社員の健康と生産性の向上を考えると、オフィス移転は合理的な選択肢の一つです。

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まとめ

オフィスの熱中症は、正しい知識と適切な対策で大部分を予防できます。本記事で解説した6つの対策を振り返ります。

  1. 室温を温度計で実測し、28℃以下を維持する
  2. 水分補給の仕組みを作る(ウォーターサーバー設置、リマインド)
  3. 服装規定を柔軟に運用する
  4. 席替え・レイアウトの工夫で温度ムラを解消する
  5. 熱中症対応マニュアルを整備し、研修を実施する
  6. 空調設備が充実したビルへの移転を検討する

企業の安全配慮義務の観点からも、熱中症対策は経営課題として取り組む必要があります。根本的な空調環境の改善をお考えの方は、Growth Officeで空調環境が充実したオフィスを検索してみてください。

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