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【比較】オフィスビルの空調システム2種を徹底解説!セントラル空調と個別空調の違いを比較

Growth Office 編集部
【比較】オフィスビルの空調システム2種を徹底解説!セントラル空調と個別空調の違いを比較

オフィスビルの空調システムは、入居する企業の業務効率や従業員の快適性に大きく影響を与える重要な設備です。経営者や総務部門の管理者の方々に向けて、セントラル空調と個別空調それぞれの特徴や、導入時のコスト比較、業態別の選び方などを詳しく解説します。新規オフィス開設や移転を検討中の方、空調システムの刷新を考えている方は、コスト削減と快適な職場環境づくりのため、ぜひ参考にしてください。

セントラル空調・個別空調の比較表

セントラル空調とは?

セントラル空調は、主に大規模オフィスビルや商業施設で採用されている空調方式です。建物全体の空調を一括で管理できる特徴を持ち、効率的な温度管理と省エネ性を両立させることができます。ここでは、セントラル空調の基本的な仕組みから、導入・運用におけるメリット・デメリットまで詳しく解説していきます。

セントラル空調方式の仕組みと特徴

セントラル空調方式は、建物の地下や屋上に設置された大型の熱源機器から、配管を通じて各フロアに冷温水や冷媒を供給する仕組みです。この中央管理方式により、建物全体の温度を効率的にコントロールすることが可能となります。熱源設備から送り出された空調用の水や冷媒は、各階に設置された空調機器に届けられ、そこで空気の温度調節が行われます。一般的に、機械室には大型の冷凍機やボイラー、冷却塔などが設置され、これらの機器が24時間体制で稼働することで安定した空調環境を実現しています。また、ビル管理システムと連動することで、エネルギー使用量の最適化や室内環境の監視も可能となっています。

セントラル空調のメリット

セントラル空調システムには、大規模施設ならではの優れた特徴が多く存在します。空調管理の効率化による人件費削減や、建物全体での安定した温度管理が可能となることから、大型オフィスビルや商業施設での導入が進んでいます。具体的なメリットについて、管理面、コスト面、設備面から詳しく見ていきましょう。

中央管理方式の最大の特徴は、建物全体の温度を均一に保つことができる点です。大型の熱源設備から各フロアに安定して冷暖房を供給することで、階数や方角による温度差を最小限に抑えることができます。また、外気温の変化に対しても素早く対応が可能であり、一年を通じて快適な室内環境を維持できます。これにより、オフィスワーカーの生産性向上にも貢献し、特に大規模なオープンフロアを持つオフィスビルでその効果を発揮します。

セントラル空調方式では、建物全体の空調を一元的に管理することができます。専門のビル管理者が中央監視室で一括して温度管理を行うため、各フロアでの個別の管理が不要となり、人件費の大幅な削減につながります。さらに、最新のビル管理システムと連動することで、エネルギー使用量の最適化や効率的な運転スケジュールの設定も可能です。これにより、長期的な視点での運用コストの削減が期待できます。

セントラル空調の大きな利点として、優れた静音性が挙げられます。主要な空調機器は機械室に集約されているため、オフィスフロアでの騒音をほとんど気にする必要がありません。また、各フロアに室外機を設置する必要がないため、建物の外観を損なうことなく、限られたスペースを有効活用することができます。これは特に都心部の高層ビルにおいて重要なメリットとなっています。

セントラル空調のデメリット

セントラル空調システムには多くのメリットがある一方で、いくつかの課題も存在します。導入を検討する際は、これらのデメリットも十分に考慮に入れる必要があります。ここでは、経済面や運用面での主な課題について解説していきます。

セントラル空調システムの導入には、大規模な設備投資が必要となります。熱源機器、配管設備、制御システムなど、多岐にわたる機器の設置が必要であり、その費用は個別空調と比較して大幅に高額となります。また、建物の構造自体にも空調設備のための配慮が必要となるため、新築時からの計画的な導入が求められます。既存建物へのセントラル空調の後付けは、技術的にも費用的にもハードルが高くなることが一般的です。

建物全体を一括管理するシステムのため、各フロアや個別スペースでの細かな温度調整が難しいという特徴があります。たとえば、日当たりの違いによる温度差や、在席人数の変動に応じた柔軟な温度調整には限界があります。特に、異なる業態のテナントが入居するビルでは、各テナントの要望に細かく対応することが困難となる場合があり、これは運用上の大きな課題となっています。

中央管理システムの性質上、一部のフロアだけを稼働させることが難しく、休日出勤や残業時の対応に課題があります。少人数での利用時でも建物全体の空調システムを稼働させる必要があるため、エネルギー効率が著しく低下し、運転コストが割高になってしまいます。また、空調の開始から快適な温度に達するまでに時間がかかるため、急な利用にも対応が難しいという特徴があります。

個別空調とは?

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個別空調は、各フロアや区画ごとに独立した空調システムを設置する方式です。中小規模のオフィスビルやテナントビルで多く採用されており、柔軟な運用が可能という特徴があります。ここでは、個別空調の基本的な仕組みから、導入・運用における具体的なメリット・デメリットまでを詳しく解説していきます。

個別空調の仕組みと特徴

個別空調方式は、一般的なビルマルチエアコンやパッケージエアコンを使用するシステムです。各フロアや区画に室外機と室内機を設置し、それぞれが独立して温度管理を行います。室外機は建物の外壁や屋上に設置され、冷媒配管を通じて室内機と接続されています。各ユニットは個別のリモコンで制御でき、必要な場所だけを効率的に空調することが可能です。近年では、IoT技術を活用した集中管理システムと組み合わせることで、より効率的な運用を実現することもできます。

個別空調のメリット

個別空調システムの採用は、特に中小規模のオフィスビルや複数のテナントが入居する建物において、大きなメリットをもたらします。利用者のニーズに合わせた柔軟な運用が可能であり、エネルギー効率の面でも優れた特徴を持っています。具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。

個別空調の最大の強みは、各フロアや区画ごとに最適な温度設定が可能な点です。テナントの業務内容や執務時間に合わせて、それぞれが独自に温度管理を行うことができます。たとえば、サーバールームのある区画は低めの温度に設定し、一般のオフィスエリアは快適な温度を保つといった使い分けも可能です。また、フロア内でも日当たりの違いによる温度差に対して、きめ細かな調整を行うことができます。

個別空調では、使用していないエリアの空調を完全に停止することができるため、無駄な電力消費を抑制できます。休日出勤や残業時には、必要な区画のみを稼働させることで、エネルギーコストを大幅に削減することが可能です。また、各区画の使用電力を個別に計測できるため、テナントごとの公平な電気代の按分にも対応できます。これにより、より実態に即した費用負担が実現できます。

個別空調システムは、設置工事やメンテナンスが比較的容易です。各ユニットが独立しているため、一部の故障が他のエリアに影響を与えることがなく、修理や交換も該当区画のみで完結します。また、テナントの入れ替わりや増床に応じて、柔軟にシステムの追加や変更が可能です。設備更新の際も、全館一斉ではなく、必要な区画から順次実施できるため、コストの平準化も図れます。

個別空調のデメリット

個別空調システムには多くの利点がある一方で、考慮すべき課題も存在します。特に大規模施設での運用や、建物の外観に関する制約については、導入前に十分な検討が必要です。ここでは、主要なデメリットについて解説していきます。

個別空調方式では、各フロアや区画ごとに室外機の設置スペースが必要となります。建物の外壁や屋上に多数の室外機を設置することになるため、建物の外観を損ねる可能性があります。都心部の高層ビルでは、設置スペースの確保自体が課題となることも少なくありません。また、室外機の設置位置によっては、周辺環境への騒音や温風の影響についても配慮が必要になってきます。

個別のエアコンユニットで空調を行うため、設置位置や風向きによって室内に温度ムラが生じやすい傾向があります。特に広いオープンフロアでは、空調の効きにムラが出やすく、快適な環境を維持するためには適切な台数の設置と綿密な気流計画が必要です。また、外気の影響を受けやすく、窓際と室内では大きな温度差が生じる可能性もあり、これらの課題に対する対策が必要となります。

施設の規模が大きくなるほど、管理すべきユニット数が増加し、運用管理の負担が大きくなります。各ユニットの設定確認や運転状況の監視、フィルター清掃などの日常メンテナンス作業が増え、管理コストの上昇につながります。また、多数のユニットを個別に制御する必要があるため、建物全体でのエネルギー効率の最適化が難しくなる場合もあります。これらの課題に対しては、集中管理システムの導入などの対策が必要となってきます。

ビル規模による空調方式の選び方

オフィスビルの規模は、最適な空調方式を選定する上で最も重要な要素となります。一般的に、延床面積3,000㎡以下の中小規模ビルでは個別空調が、それ以上の大規模ビルではセントラル空調が選ばれる傾向にあります。ただし、近年では両方式のメリットを組み合わせたハイブリッド型の採用も増えており、建物の用途や入居テナントの特性を考慮した柔軟な選択が可能となっています。特に、今後の増床や用途変更の可能性がある場合は、将来的な拡張性も含めて検討することが重要です。

空調の重要な比較ポイント

空調方式の選定には、建物の特性だけでなく、実際の利用形態や経済性など、多角的な視点からの検討が必要です。ここでは、空調システム選びにおける重要なポイントについて、具体的な判断基準とともに解説していきます。

入居社数と利用時間帯での判断基準

テナントの数や業務時間の違いは、空調方式の選定に大きく影響します。複数企業が入居し、それぞれの営業時間が異なるビルでは、個別空調のほうがニーズに柔軟に対応できます。一方で、単一企業が使用する大規模オフィスビルや、営業時間が統一されている商業施設では、セントラル空調による一括管理が効率的です。また、24時間稼働のフロアと通常の営業時間のフロアが混在する場合は、ゾーニングによる使い分けも検討する必要があります。

建物の規模と構造からみる適切な方式

建物の構造や階数によって、採用できる空調方式が制限される場合があります。高層ビルでは配管長さの制限から個別空調が適さないことがあり、低層ビルでは比較的自由に方式を選択できます。また、天井高や設備スペースの確保状況も重要な判断材料となります。セントラル空調では大型の機械室が必要となり、個別空調では室外機の設置スペースを確保する必要があります。これらの物理的な制約を考慮した上で、最適な方式を選定することが重要です。

導入コストと月々の運用費用の比較

初期投資と運用コストのバランスは、空調方式選定の重要な判断基準です。セントラル空調は導入時の設備投資が大きいものの、規模が大きくなるほど1㎡あたりのランニングコストは抑えられます。一方、個別空調は初期費用は抑えられますが、運用面での効率は建物規模が大きくなるほど低下する傾向にあります。電気料金の契約形態や保守管理費用なども含めて、長期的な視点でのコスト比較が必要となります。

温度管理の自由度に関する要件

業務内容や執務環境によって、求められる温度管理の自由度は大きく異なります。IT機器を多用するオフィスや、精密機器を扱う研究施設では、エリアごとの細かな温度管理が重要となります。また、フロア内でも窓際と内側では必要な設定温度が異なることがあり、これらの要件に応じて適切な方式を選択する必要があります。フレキシブルな温度調整が必要な場合は個別空調が、安定した温度管理が求められる場合はセントラル空調が適しています。

将来的な拡張性と省エネ性能の検討

将来的なレイアウト変更や増床の可能性も、空調方式選定の重要な検討事項です。個別空調は後からの増設や変更が比較的容易である一方、セントラル空調は当初から計画的な設備設計が必要となります。また、近年では省エネ性能への要求が高まっており、最新の空調技術やエネルギー管理システムの導入も検討するべきです。特に大規模施設では、空調による消費エネルギーの削減が運用コストに大きく影響するため、長期的な視点での省エネ対策が重要となります。

業態別の最適な空調システムの選び方

業態によって空調に求められる要件は大きく異なります。特に、IT機器の発熱対策や24時間稼働への対応、精密な温度管理など、それぞれの業態特有のニーズに応じた空調システムの選定が重要となります。ここでは、代表的な業態ごとに最適な空調システムの選び方について解説していきます。

IT企業のサーバールーム併設オフィスでの選択

IT企業のオフィスでは、サーバールームの温度管理が特に重要となります。サーバー機器からの発熱量は一般的なオフィスの何倍にも及び、年間を通じて安定した冷房が必要です。このような環境では、サーバールーム専用の個別空調システムと、一般執務室用のセントラル空調を組み合わせるハイブリッド方式が効果的です。サーバールームには予備機を含めた複数台の業務用エアコンを設置し、万が一の故障時にもバックアップが効く設計とすることが推奨されます。

営業時間が異なる雑居ビルでの空調設計

様々な業種のテナントが入居する雑居ビルでは、営業時間帯が大きく異なることが一般的です。このような場合、個別空調システムの採用が最も合理的な選択となります。各テナントが独自の営業時間に合わせて空調を管理できるため、無駄な電力消費を抑制できます。また、電気料金の按分も使用実態に即して行うことができ、テナント間の公平性も確保できます。特に、飲食店や小売店が混在するビルでは、この方式が標準的となっています。

24時間稼働の金融機関向け空調プラン

金融機関では、コンピューターシステムの安定運用のため、24時間365日の空調運転が必要となります。このような環境では、高い信頼性と冗長性を備えたセントラル空調システムが適しています。主要な空調機器を二重化し、定期的なメンテナンス時や故障時にも空調を止めることなく運転を継続できる設計が求められます。また、執務室とマシンルームで異なる温度設定が可能な、ゾーニング制御機能も重要な要素となります。

研究開発施設における温度管理重視の空調

研究開発施設では、実験・測定の精度確保と執務環境の快適性という、異なる要件を同時に満たす必要があります。実験室エリアでは、測定機器の性能を最大限に発揮させるため、温度変化を±0.1℃以内に抑える高精度な恒温恒湿システムが不可欠です。また、局所排気設備との連携や室内気圧の管理など、実験内容に応じた特殊な要件にも対応する必要があります。一方、執務スペースでは研究者の快適性と集中力維持が重要となります。実験室との往来が多いエリアでは温度差による体調管理も考慮し、個別制御が可能なマルチ空調システムを採用することで、それぞれのエリアに最適な環境を実現することができます。

まとめ

オフィスビルの空調システムは、建物の規模や用途、入居するテナントの業態によって最適な選択が異なります。セントラル空調は大規模施設での効率的な運用に適しており、個別空調は柔軟な温度管理が求められる中小規模ビルに適しています。また、近年では両方式のメリットを組み合わせたハイブリッドシステムの採用も増えています。空調方式の選定には、イニシャルコストとランニングコストのバランス、将来的な拡張性、省エネ性能など、多角的な視点からの検討が重要です。特に、業態特有の要件や建物の構造的な制約を十分に考慮し、長期的な視点で最適なシステムを選択することが、快適なオフィス環境の実現につながります。

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