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スケルトンオフィスとは?費用や内装工事の注意点を全解説

Growth Office 編集部
スケルトンオフィスとは?費用や内装工事の注意点を全解説

「スケルトンオフィスって何?普通のオフィスと何が違うの?」——オフィス移転を検討中の方なら、一度はこの疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。スケルトンオフィスとは、コンクリート打ちっぱなしの未内装状態で引き渡される賃貸オフィスのことです。床・壁・天井の仕上げから電気・空調・防災設備まで、すべての内装工事をテナント側で実施します。自由度が最も高い一方で、費用や工期の面では注意が必要です。

本記事では、スケルトンオフィスの費用相場・メリット・デメリットから、セットアップオフィスや居抜きとの違い、選ぶべき企業の特徴まで網羅的に解説します。最後まで読めば、自社にとって最適なオフィスタイプを判断できるようになります。

スケルトンオフィスの基本|定義と特徴

スケルトンオフィスの基本的な定義と特徴を理解することが、最適なオフィス選びの第一歩です。ここでは具体的にどのような状態で引き渡されるのかを詳しく解説します。

スケルトンオフィスの定義

スケルトンオフィスとは、建物の躯体(くたい)のみの状態で貸し出されるオフィスです。「スケルトン」は英語で「骨格」を意味し、文字通り建物の骨組みだけが残された状態を指します。コンクリートの床・壁・天井がむき出しで、内装・設備は一切施されていません。入居するテナントが自社の予算とニーズに合わせて、ゼロから内装を設計・施工します。新築ビルの初期テナント募集時や、前テナント退去後にスケルトン状態に戻された区画で見かけることが多いです。

スケルトン引き渡しの具体的な状態

スケルトン状態で引き渡される場合、一般的に以下の設備はテナント側で施工が必要です。

  • :OAフロア(二重床)、タイルカーペットやフローリングの施工
  • :間仕切り壁の設置、クロス貼り、塗装
  • 天井:天井ボードの設置、または打ちっぱなしのまま利用
  • 電気設備:照明器具、コンセント、分電盤の設置
  • 空調設備:エアコン本体・ダクトの設置
  • 防災設備:スプリンクラー、火災報知器の移設・増設
  • 給排水:給湯室やトイレの造作(専有部内にある場合)

なお、ビル共用部のエレベーターやトイレ、給排水の幹線などは建物側に含まれるため、テナントの負担にはなりません。契約前に「どこまでがビル側の負担か」を必ず確認しましょう。

スケルトンオフィスが多いエリアと物件タイプ

スケルトン渡しの物件は、主に以下のようなケースで見られます。

  • 新築オフィスビル:竣工時に内装未施工で募集するケース
  • 大型オフィスビル(100坪以上):大規模テナント向けにスケルトン渡しが主流
  • リノベーションビル:ビル全体を改修し、スケルトン状態で募集するケース
  • クリエイティブ系が多いエリア:渋谷・恵比寿・代官山・中目黒など

東京都心部では50坪以上の物件でスケルトン渡しが一般的ですが、30坪以下の小規模物件ではセットアップオフィスとして内装付きで募集されることが増えています。

スケルトンオフィスの費用相場

スケルトンオフィスの最大の関心事は費用です。内装工事費・敷金・原状回復費の3つの観点から、具体的な金額感を解説します。

内装工事費の相場|坪単価30〜80万円

スケルトンオフィスの内装工事費は、坪単価30〜80万円が相場です。仕上げのグレードや設備の充実度によって大きく変わります。

グレード坪単価30坪の場合内容
エコノミー30〜40万円900〜1,200万円最低限の仕上げ。タイルカーペット、量産クロス、既製品照明
スタンダード40〜60万円1,200〜1,800万円標準的な仕上げ。造作壁、デザイン照明、会議室2〜3室
ハイグレード60〜80万円1,800〜2,400万円高品質な仕上げ。自然素材、間接照明、エントランス造作、防音室

上記に加えて、什器(デスク・チェア・収納)で坪5〜15万円、IT工事(LAN配線・Wi-Fi・サーバー)で坪3〜8万円が別途必要です。結果として、30坪のスケルトンオフィスの初期費用は1,200〜3,000万円が目安となります。

敷金の相場|賃料の6〜12ヶ月分

スケルトンオフィスの敷金は、一般的に月額賃料の6〜12ヶ月分です。たとえば月額賃料60万円の物件であれば、敷金360〜720万円が必要です。セットアップオフィスでは敷金3〜6ヶ月が多いため、スケルトンの方が敷金負担も重くなります。敷金を抑えたい場合は、敷金0円のスタートアップオフィスも選択肢に入れましょう。

原状回復費の相場|坪単価10〜15万円

退去時にはスケルトン状態に戻す原状回復工事が必要です。相場は坪単価10〜15万円で、30坪なら300〜450万円、100坪なら1,000〜1,500万円が目安です。入居時に投資した内装がすべて撤去される点は、スケルトンオフィス最大のデメリットのひとつと言えます。

トータルコスト早見表

項目30坪の目安50坪の目安100坪の目安
内装工事費900〜2,400万円1,500〜4,000万円3,000〜8,000万円
什器・IT工事240〜690万円400〜1,150万円800〜2,300万円
敷金(賃料60万円/坪1万円想定)360〜720万円600〜1,200万円1,200〜2,400万円
原状回復費(退去時)300〜450万円500〜750万円1,000〜1,500万円
合計1,800〜4,260万円3,000〜7,100万円6,000〜14,200万円

スケルトンオフィスのメリット5選

費用が高いにもかかわらず、スケルトンオフィスが選ばれる理由があります。ここでは5つの主要メリットを解説します。

メリット1:内装を完全にカスタマイズできる

スケルトンオフィス最大のメリットは、内装を100%自由に設計できる点です。企業のブランドアイデンティティを空間に反映し、間仕切りの配置・素材の選定・色彩計画・照明設計をすべて自社の方針で決定できます。エントランスで企業の世界観を表現したい、ショールーム機能を持たせたいといったニーズにも対応可能です。来客が多い企業やクリエイティブ業界では、オフィス空間そのものがブランディングツールになります。

メリット2:長期利用でコストメリットが出る

5年以上の長期利用を前提にすると、セットアップオフィスの割増賃料(通常+10〜30%)を支払い続けるよりも、初期の内装投資+標準賃料の方がトータルコストで有利になるケースがあります。たとえば月額賃料50万円・セットアップ割増15%の場合、5年間の割増分は450万円。内装投資との損益分岐点を試算して判断しましょう。

メリット3:レイアウトの自由度が最大

既存の間仕切りや設備配置に縛られず、業務フローに最適化したレイアウトを実現できます。執務エリアと会議室の比率、集中ブースの設置、カフェスペースの配置など、働き方に合わせた空間設計が可能です。リモートワークとの併用でフリーアドレスを導入したい場合も、最初から最適な設計ができます。

メリット4:設備スペックを自社基準で選べる

空調の能力、電気容量、ネットワーク配線、防音性能など、設備のスペックを自社の業務要件に合わせて決定できます。IT企業なら電気容量を多めに、映像制作会社なら防音性能を重視するなど、業種特有のニーズに対応可能です。セットアップオフィスでは設備が固定されているため、この柔軟性はスケルトンならではの強みです。

メリット5:賃料が標準水準で割増がない

セットアップオフィスやレンタルオフィスと異なり、スケルトンオフィスの月額賃料には内装分の上乗せがありません。坪単価が標準水準のため、長期的なランニングコストを抑えられます。毎月の固定費を最小化したい企業にとって、大きなメリットです。

スケルトンオフィスのデメリット5選

メリットが大きい一方で、スケルトンオフィスには見過ごせないデメリットがあります。契約前に必ず確認してください。

デメリット1:初期費用が数百万〜数千万円

前述の通り、30坪のスケルトンオフィスで内装工事費900〜2,400万円。これに什器、IT工事、敷金を加えると、初期費用は1,800〜4,260万円規模に膨らみます。スタートアップや中小企業にとって、この初期投資は大きな負担です。資金調達のタイミングとオフィス移転のスケジュールを慎重に調整する必要があります。

デメリット2:工期2〜3ヶ月+二重賃料が発生

内装工事には最低でも2〜3ヶ月の工期がかかります。この間、新オフィスの賃料が発生しつつ、旧オフィスの賃料も並行して支払う「二重賃料」が発生します。月額賃料60万円なら、2ヶ月の工事で120万円の追加コストです。オフィスの空間設計に時間をかけすぎると、二重賃料がさらに増加するため注意しましょう。工事期間中のフリーレント交渉も有効です。

デメリット3:退去時のスケルトン戻しが高額

多くの場合、退去時には入居前のスケルトン状態に戻す原状回復が求められます。坪10〜15万円が相場で、30坪で300〜450万円、100坪なら1,000〜1,500万円。入居時にかけた内装がすべて撤去される「もったいなさ」も心理的な負担です。居抜き退去が可能な物件を選ぶと、この費用を大幅に削減できます。

デメリット4:設計・施工の専門知識が必要

スケルトンからの内装工事では、設計事務所やオフィスデザイン会社との連携が不可欠です。防災設備・電気容量・空調設計など専門的な判断が求められ、知識がないまま進めると追加工事や手戻りが発生するリスクがあります。信頼できるオフィス仲介会社や内装会社のサポートを受けることを強くおすすめします。

デメリット5:入居までのリードタイムが長い

物件探しから入居まで、最短でも4〜6ヶ月のリードタイムが必要です。物件選定1〜2ヶ月、設計1ヶ月、工事2〜3ヶ月——急な移転ニーズには対応できません。「来月中に移転したい」「急な増員に対応したい」という場合は、即入居が可能なセットアップオフィスの方が現実的です。

スケルトンオフィスと他タイプの徹底比較

オフィスタイプの選定では、スケルトン・セットアップ・居抜きの3つを正しく比較することが重要です。

スケルトン・セットアップ・居抜きの比較表

比較項目スケルトンセットアップ居抜き
内装工事全て必要(坪30〜80万円)不要一部必要
自由度最高低い中程度
初期費用非常に高い(1,800万円〜)低い(100万円〜)中程度(500万円〜)
工期2〜3ヶ月即日〜2週間2〜6週間
原状回復スケルトン戻し(高額)基本不要条件による
月額賃料標準+10〜30%標準
敷金6〜12ヶ月3〜6ヶ月6〜12ヶ月
向いている企業大企業・長期利用・ブランド重視スタートアップ・短中期利用コスト重視・中規模企業

詳しい違いは「オフィス全7種類の特徴とタイプ別の選び方」も参考にしてください。

判断フローチャート

以下の質問に答えることで、最適なオフィスタイプを判断できます。

  • 入居期間は5年以上か? → はい → スケルトンを検討
  • 初期費用に1,000万円以上の予算があるか? → いいえ → セットアップオフィスを推奨
  • 独自の内装デザインが必要か? → はい → スケルトンを検討
  • 入居までに3ヶ月以上の余裕があるか? → いいえ → セットアップオフィスを推奨

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スケルトンオフィスの内装工事で失敗しないポイント

スケルトンオフィスで後悔しないためには、内装工事の進め方が鍵を握ります。よくある失敗と対策を解説します。

複数の内装会社から相見積もりを取る

内装工事費は会社によって30〜50%の差が出ることも珍しくありません。最低3社から相見積もりを取り、内訳を比較しましょう。見積もり項目が曖昧な会社は避け、「何にいくらかかるか」が明確な会社を選ぶことが重要です。オフィス仲介会社経由で紹介を受けると、相場感のあるアドバイスをもらえます。

B工事・C工事の区分を確認する

ビルオーナー指定の工事業者が行う「B工事」は、テナントの費用負担でありながら業者を選べないため、割高になりがちです。契約前にB工事の範囲と概算費用を確認し、予算に組み込んでおきましょう。空調・防災・電気幹線の工事がB工事に該当するケースが多いです。

原状回復の条件を契約時に確認する

「どの状態まで戻す必要があるか」は契約書に明記されています。入居前の状態を写真で記録し、退去時のトラブルを防ぎましょう。居抜き退去の可否も事前に確認しておくと、移転時のコスト削減につながります。

工事スケジュールに余裕を持たせる

内装工事は予定通りに進まないことが多いです。資材の納期遅延、追加工事の発生、消防検査のスケジュール変更など、想定外の遅れが発生します。最低2週間のバッファを見込んだスケジュールを組みましょう。オフィス移転の流れを事前に把握しておくと、計画がスムーズです。

スケルトンオフィスを選ぶべき企業の特徴

すべての企業にスケルトンオフィスが最適なわけではありません。以下の条件に当てはまる企業に向いています。

5年以上の長期利用を予定している企業

内装投資の回収には最低3〜5年が必要です。5年以上の利用を前提にできる安定期の企業であれば、初期投資を十分に回収でき、トータルコストでもセットアップオフィスを下回る可能性があります。逆に3年以内に再移転の可能性がある場合は、投資回収が困難です。

ブランディングにオフィス空間を活用したい企業

クライアントの来訪が多いコンサルティングファーム、デザイン事務所、広告代理店など、オフィス空間がビジネスに直結する業種ではスケルトンオフィスの価値が高まります。エントランスや応接室のデザインが企業イメージを左右する場合、自由設計は大きな武器です。

特殊な設備要件がある企業

サーバールーム用の電気容量増設、映像編集用の防音室、研究開発用のクリーンルームなど、特殊な設備要件がある企業はスケルトンオフィス一択です。セットアップオフィスの標準仕様では対応できない設備ニーズに、スケルトンなら柔軟に応えられます。

よくある質問(FAQ)

Q. スケルトンオフィスの内装工事費は経費で落とせますか?

内装工事費は「建物附属設備」または「構築物」として資産計上し、耐用年数に応じて減価償却するのが原則です。ただし、賃借期間が耐用年数より短い場合は賃借期間で償却できます。少額の什器(10万円未満)は一括経費計上が可能です。具体的な会計処理は税理士に相談してください。

Q. スケルトンオフィスの工事期間中にフリーレントは交渉できますか?

はい、工事期間中のフリーレント交渉は一般的に行われています。1〜3ヶ月のフリーレントが得られるケースが多く、二重賃料の負担を大幅に軽減できます。交渉の成功率はビルの空室率や入居時期によって変動するため、家賃交渉のコツを事前に把握しておきましょう。

Q. 居抜き退去は可能ですか?

ビルオーナーの承諾と次のテナントの合意があれば、居抜き退去は可能です。居抜き退去ができれば原状回復費(坪10〜15万円)を大幅に削減でき、30坪で300〜450万円のコスト削減につながります。ただし、すべての物件で認められるわけではないため、契約時に確認しておくことが重要です。

Q. 小規模(10〜20坪)でもスケルトンオフィスはありますか?

10〜20坪の小規模スケルトン物件は少数ですが存在します。ただし、小規模の場合は内装工事費の坪単価が割高になりやすく、セットアップオフィスの方がコスト効率は良い傾向です。小規模オフィスでの独自内装を希望する場合は、原状回復不要のリノベーション物件も検討してみてください。

Q. スケルトンオフィスの退去予告期間はどのくらいですか?

一般的には6〜12ヶ月前の退去予告が必要です。セットアップオフィスの3〜6ヶ月と比べて長期間のため、移転計画は早めに立てる必要があります。退去予告期間は契約書に明記されているため、契約時に必ず確認してください。

まとめ

スケルトンオフィスは、内装の自由度が最大のオフィスタイプです。企業ブランドを空間に反映し、業務フローに最適化したレイアウトを実現できます。一方で、初期費用は30坪で1,800〜4,260万円、工期は2〜3ヶ月、退去時の原状回復費も高額です。

スケルトンオフィスを選ぶべき条件は、5年以上の長期利用・十分な初期投資予算・独自内装の必要性の3つが揃っていること。いずれかが欠ける場合は、セットアップオフィスや居抜き物件の方が合理的な選択です。

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