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オフィス移転の用語集|契約・費用・工事の必須30語を解説

Growth Office 編集部
オフィス移転の用語集|契約・費用・工事の必須30語を解説

オフィス移転では「B工事」「原状回復」「フリーレント」「坪単価」など、日常では使わない専門用語が次々と登場します。これらの用語を正しく理解していないと、契約交渉で不利になったり、想定外の費用が発生したりするリスクがあります。

本記事では、初めてオフィス移転を担当する方でも安心できるよう、移転プロジェクトで頻出する30の専門用語を「契約」「費用」「工事」「物件タイプ」「手続き・届出」「設備・仕様」の6カテゴリに分けて解説します。移転プロジェクトが始まったら、このページをブックマークして辞書代わりにご活用ください。

契約に関する用語

オフィスの賃貸借契約は住居用の契約よりも複雑で、独特の用語が多く使われます。契約交渉前に以下の用語を必ず押さえておきましょう。

敷金(保証金)

賃料滞納や原状回復費に備えてオーナーに預ける金銭のことです。都心オフィスでは賃料の6〜12ヶ月分が相場で、退去時に原状回復費等を控除して返還されます。敷金の相場と返還の仕組みは別記事で詳しく解説しています。近年は敷金0円のスタートアップオフィスも増えています。

礼金

契約時にオーナーに支払う一時金で、返還されません。オフィスの場合は賃料1〜2ヶ月分が相場です。空室率が高いエリアや物件では礼金ゼロで交渉できるケースもあります。

フリーレント

契約開始から一定期間の賃料が無料になる特約のことです。1〜3ヶ月分が一般的で、内装工事期間中の二重賃料を回避する手段として活用されます。フリーレントの詳細はこちらの記事をご覧ください。

解約予告期間

退去する際に事前にオーナーへ通知すべき期間です。通常6ヶ月前で、通知が遅れると旧オフィスの賃料が余分に発生します。契約によっては3ヶ月前の場合もあるため、契約書を必ず確認してください。

定期建物賃貸借契約

契約期間の満了で自動的に終了する契約形態です。更新がないため、契約期間と事業計画のスパンを照らし合わせた上で締結する必要があります。再契約が可能な場合もありますが、条件変更のリスクがあります。

普通建物賃貸借契約

正当事由がない限りオーナー側から更新を拒否できない契約形態です。テナントに有利な契約で、長期入居を前提とする企業に適しています。一般的なオフィス賃貸では普通賃貸借が主流です。

用語ポイント注意点
敷金(保証金)賃料6〜12ヶ月分を預け、退去時に精算して返還敷金0円物件も選択肢に入れる
礼金返還されない一時金。賃料1〜2ヶ月分交渉で減額・ゼロにできる場合あり
フリーレント1〜3ヶ月の賃料無料期間途中解約時に返還義務が生じることがある
解約予告期間通常6ヶ月前に通知が必要遅延すると二重賃料が発生
定期建物賃貸借契約期間で自動終了更新なし。再契約条件を確認
普通建物賃貸借正当事由なしに解約不可テナント有利。長期入居向け

費用に関する用語

オフィス移転にかかるコストを正確に把握するためには、費用関連の用語理解が不可欠です。見落としがちな費用項目も含めて解説します。

坪単価

1坪(約3.3㎡)あたりの月額賃料を指し、オフィスの賃料比較の基本単位です。都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の相場は20,000〜35,000円/坪で、Aクラスビルでは35,000〜50,000円/坪になります。共益費が別途の場合があるため、「グロス坪単価」(共益費込み)で比較するのがポイントです。

共益費(管理費)

ビルの共用部の維持管理費をテナントが負担する費用です。賃料の5〜15%が相場で、エレベーターの保守費・共用部の電気代・清掃費などが含まれます。共益費の相場と管理費との違いはこちらで詳しく解説しています。

原状回復費

退去時にオフィスを入居前の状態に戻すための工事費です。坪あたり8〜12万円が標準的な相場ですが、スケルトン戻しの場合は坪20万円に達することもあります。原状回復の相場と費用削減のポイントを押さえておきましょう。

二重賃料

旧オフィスと新オフィスの賃料が同時に発生する期間のコストです。新オフィスの内装工事期間中は旧オフィスの退去ができないため発生します。フリーレントやセットアップオフィスを活用すれば、二重賃料の期間を最小化できます。

敷引き(償却)

退去時に敷金から無条件に差し引かれる金額のことです。原状回復の有無に関わらず控除されるため、契約締結時に敷引きの有無と金額を必ず確認してください。消費税が課税される点にも注意が必要です。

用語相場・目安注意点
坪単価都心5区:20,000〜35,000円/坪共益費込みの「グロス」で比較する
共益費賃料の5〜15%空調時間外料金は別途の場合あり
原状回復費坪8〜12万円B工事は市場の1.5〜2倍になることも
二重賃料1〜3ヶ月分セットアップオフィスで回避可能
敷引き(償却)賃料1〜3ヶ月分消費税が課税される

工事に関する用語

オフィスの内装工事は「A工事・B工事・C工事」の3区分に分かれます。この区分を知らないままプロジェクトを進めると、予算超過の原因になります。

A工事(甲工事)

ビルオーナーが費用を負担し、ビル指定業者が施工する工事です。ビルの構造体・共用部のエレベーター・外壁などが対象で、テナントに交渉の余地はありません。ビルのグレード維持のために実施されるものです。

B工事(乙工事)

テナントが費用を負担するが、ビル指定業者が施工する工事です。防災設備・空調・電気の幹線工事などが該当します。テナントが業者を選べないため、市場価格の1.5〜2倍になることがある最大の落とし穴です。見積もりを入手したら、必ずC工事業者の相見積もりと比較してください。

C工事(丙工事)

テナントが費用を負担し、テナントが選んだ業者が施工する工事です。内装仕上げ・家具・IT設備などが対象です。相見積もりで30〜50%の差が出ることがあるため、最低3社から見積もりを取ることをおすすめします。

スケルトン

コンクリート打ちっぱなしの状態で、内装が一切ない物件の状態を指します。全ての内装工事が必要になるため自由度は最大ですが、コスト・工期も最大です。退去時に「スケルトン戻し」が条件の場合、原状回復費が高額になります。

OAフロア(二重床)

電源・ネットワークなどの配線を床下に収納するための二重床構造です。IT機器が多いオフィスでは必須の設備で、床下の高さは50〜100mmが一般的です。OAフロアがないビルでは、フロアの新設にC工事費用がかかります。

工事区分費用負担業者選定対象
A工事オーナービル指定構造体・共用部
B工事テナントビル指定防災・空調・電気幹線
C工事テナントテナント選定内装仕上げ・什器・IT

物件タイプに関する用語

オフィス物件にはさまざまなタイプがあり、それぞれ初期費用・柔軟性・契約形態が異なります。自社のフェーズと予算に合った物件タイプを選ぶことが、移転成功の第一歩です。

セットアップオフィス

内装・什器(デスク・チェア・会議テーブルなど)が完備された状態で提供される賃貸オフィスです。内装工事が不要で即入居できるため、移転コストを大幅に削減できます。原状回復も不要(またはクリーニングのみ)の物件が多く、退去コストも抑えられます。セットアップオフィスの物件一覧はこちらからご覧いただけます。

居抜きオフィス

前テナントの内装・什器をそのまま引き継ぐ物件です。同業種の居抜きが見つかれば内装工事費を大幅に節約できますが、レイアウトの自由度は低くなります。前テナントの内装が自社に合わない場合、かえって改修費がかかることもあります。

レンタルオフィス

設備完備の個室空間をサービス利用契約(賃貸借契約ではない)で借りる形態です。1〜5人の小規模チームや短期利用に適しています。月額費用にインターネット・受付・共用会議室などが含まれるため、坪単価換算では割高ですがトータルコストでは合理的な場合があります。賃貸オフィスとレンタルオフィスの違いはこちらで比較しています。

シェアオフィス

共用のワークスペースを複数の企業・個人が利用する形態です。コワーキングスペースとも呼ばれます。固定費を最小化したい創業直後の企業に適していますが、機密性や来客対応に制約があります。

スタートアップオフィス

敷金0円+セットアップ仕様の成長企業向け物件です。初期費用を最小限に抑えながら、専用の執務空間を確保できます。スタートアップオフィスの詳細はこちらの記事をご覧ください。

物件タイプ初期費用柔軟性適した企業
セットアップオフィス低い(内装工事不要)中(退去しやすい)スタートアップ・即入居したい企業
居抜きオフィス低〜中低(レイアウト固定)同業種の内装を活用できる場合
レンタルオフィス最も低い高(短期契約可)1〜5人チーム・短期利用
シェアオフィス最も低い最も高い創業直後・固定費最小化
スタートアップオフィス低い(敷金0円)中〜高成長フェーズのスタートアップ

手続き・届出に関する用語

オフィス移転では、物件選びや工事だけでなく各種届出も欠かせません。届出漏れは法的リスクにつながるため、担当者が知っておくべき用語を整理します。

防火管理者届出

オフィスビルの収容人員が一定数を超える場合、テナント側で防火管理者を選任し、消防署に届出する必要があります。移転後すみやかに届出しなければ消防法違反になるため、移転時の総務タスク一覧に含めて管理してください。

本店移転登記

法人の本店所在地が変わる場合、法務局へ移転登記を行う必要があります。移転から2週間以内が期限で、同一管轄内の移転は登録免許税3万円、管轄外移転は6万円です。

入居審査

オーナーやビル管理会社がテナントの信用力を審査するプロセスです。決算書・会社概要・事業計画書の提出が求められることが一般的です。Aクラスビルほど審査が厳しく、業種制限がある場合もあります。

設備・仕様に関する用語

物件選びの際に出てくる設備・仕様の用語を理解しておくと、内見時に的確な質問ができるようになります。

セントラル空調と個別空調

セントラル空調はビル全体を一括管理するシステムで、使用時間が限定されることがあります。個別空調は各テナントが自由に温度・稼働時間を設定できるシステムです。空調システムの比較はこちらで詳しく解説しています。時間外空調料金が発生するかどうかは、共益費の見積もりに大きく影響します。

天井高

床面から天井までの高さを指します。一般的なオフィスは2,500〜2,700mmですが、Aクラスビルでは2,800mm以上の物件もあり、開放感が異なります。天井高はレイアウトの自由度にも影響するため、内見時に必ず確認しましょう。

グリッド天井

照明・空調吹出口が一定間隔(モジュール)で配置された天井のことです。レイアウト変更に対応しやすく、増床や席替えが頻繁な企業に適しています。

初めてのオフィス移転でも安心

Growth Officeでは、セットアップオフィスをはじめ幅広い物件タイプを掲載しています。専門用語がわからなくても、条件を選ぶだけで最適な物件を見つけることができます。

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よくある質問(FAQ)

Q. B工事の費用が高すぎる場合、交渉できますか?

直接的に業者を変更することはできませんが、C工事業者の相見積もりを根拠にビル管理会社と交渉することは可能です。10〜30%の減額に成功するケースがあります。交渉のタイミングは契約締結前がベストです。

Q. セットアップオフィスと居抜きオフィスの違いは?

セットアップオフィスはビルオーナーが内装を整備した物件で、退去時の原状回復が不要(またはクリーニングのみ)です。居抜きオフィスは前テナントの内装を引き継ぐ物件で、原状回復の義務が残る場合があります。

Q. 坪単価の「ネット」と「グロス」の違いは?

ネット坪単価は賃料のみ、グロス坪単価は賃料+共益費を含む坪単価です。物件比較の際はグロスで統一すると正確に比較できます。

Q. フリーレント期間中に解約するとどうなりますか?

多くの契約では、フリーレント期間中やフリーレント直後の解約に対して、免除された賃料の返還義務が生じます。契約書の「フリーレント特約」の条項を必ず確認してください。

Q. オフィス移転の全体の流れを知りたいです

オフィス移転の流れと優先順位を解説した記事がありますので、移転プロジェクトの全体像を把握するのにご活用ください。

オフィス移転のご相談はGrowth Officeへ

物件の比較検討から契約・入居まで、オフィス移転をトータルでサポートします。まずは条件に合う物件を探してみてください。

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まとめ

オフィス移転の専門用語は多岐にわたりますが、特に重要なのは「B工事」「原状回復」「解約予告期間」「二重賃料」「坪単価」の5つです。これらを正しく理解していないと、数十万〜数百万円の想定外コストが発生するリスクがあります。

用語が多くて不安な方は、内装工事不要・原状回復不要・即入居可能なセットアップオフィスを選ぶことで、覚えるべき用語と対応すべきタスクの大部分を省略できます。本記事をブックマークして、移転プロジェクトの辞書としてご活用ください。

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