オフィス移転の初期費用は、契約時に不動産会社へ支払うお金だけで賃料の約11ヶ月分かかります。ここに内装工事費と旧オフィスの原状回復費が乗るため、30坪・10人規模で2,000万円から3,900万円が現実的な水準です。
ただしこの金額は、物件の選び方だけで300万円台まで落ちます。何にいくらかかり、どこが削れるのか。当社が保有する東京の空室データ(2026年9月7日時点・8,781区画)の実測値で解説します。
オフィス移転の初期費用は3つに分かれる
「初期費用」という言葉は、話す相手によって指す範囲が違います。不動産会社が言う初期費用は①だけを指すことが多く、経営会議で必要になるのは①②③の合計です。この食い違いが、移転予算が途中で膨らむ最大の原因です。
| 区分 | 中身 | 30坪・10人の目安 | 削減余地 |
|---|---|---|---|
| ① 契約時費用 | 敷金・前家賃・仲介手数料・保証委託料・火災保険 | 約781万円 | 大きい(物件選びで最大560万円) |
| ② 入居準備費用 | 内装工事・什器・IT工事・引越し | 1,110万〜2,990万円 | 非常に大きい(物件タイプで10倍差) |
| ③ 退去費用 | 旧オフィスの原状回復 | 60万〜150万円 | 小さい(契約で決まっている) |
| 合計 | 1,951万〜3,921万円 |
以下の金額は30坪・10人規模、東京の実勢賃料(月70万円)を前提にしています。
① 契約時費用|賃料の約11ヶ月分
内訳は次のとおりです。
| 項目 | 目安 | 30坪モデルの実額 | 交渉・削減の余地 |
|---|---|---|---|
| 敷金・保証金 | 賃料6〜12ヶ月分 | 560万円 | ◎ 物件選びで0円にできる |
| 前家賃(当月・翌月分) | 賃料1ヶ月分 | 70万円 | △ フリーレントで実質圧縮 |
| 仲介手数料 | 賃料1ヶ月分+消費税 | 77万円 | △ 業者により無料の場合あり |
| 保証委託料 | 賃料1ヶ月分程度 | 70万円 | × ほぼ固定 |
| 火災保険料 | 2年で3〜5万円 | 4万円 | × 固定 |
| 合計 | 賃料の約11ヶ月分 | 781万円 |
敷金だけで全体の7割を占めます
781万円のうち560万円、つまり72%が敷金です。ここを動かせるかどうかで、契約時費用はほぼ決まります。
東京の敷金は実際に何ヶ月なのか。敷金月数が判明している7,079区画の分布です。
| 敷金 | 区画数 | 割合 |
|---|---|---|
| 12ヶ月 | 1,777 | 25.1% |
| 6ヶ月 | 1,627 | 23.0% |
| 10ヶ月 | 942 | 13.3% |
| 8ヶ月 | 739 | 10.4% |
| 3ヶ月 | 512 | 7.2% |
| 5ヶ月 | 484 | 6.8% |
| 4ヶ月 | 429 | 6.1% |
| 2ヶ月 | 202 | 2.9% |
| その他 | 367 | 5.2% |
中央値は8ヶ月。最多は12ヶ月で4区画に1つ、次いで6ヶ月が2割強と二極化しています。この差は30坪モデルで420万円。賃料が同じでも敷金月数が違えば、支払総額は別物になります。規模別の早見表と返還額の試算はオフィスの敷金相場はいくら?にまとめています。
② 入居準備費用|物件タイプで10倍変わる
初期費用が読みにくくなる原因はここです。同じ30坪でも、物件の状態で内装工事費が10倍以上変わります。
| 物件タイプ | 内装工事の坪単価 | 30坪の総額 | 工期 |
|---|---|---|---|
| スケルトン物件 | 30〜80万円/坪 | 900万〜2,400万円 | 2〜3ヶ月 |
| 居抜き物件 | 10〜35万円/坪 | 300万〜1,050万円 | 2〜6週間 |
| セットアップオフィス | 0〜15万円/坪 | 0〜450万円 | 即日〜2週間 |
スケルトンは何も無い状態で引き渡される物件で、壁・床・天井から電気・空調まで一から作ります。一方セットアップオフィスは、オーナー側が内装と什器を用意済みで、そのまま入居できます。工事項目ごとの単価はオフィス内装工事の費用相場と坪単価で分解しています。
見落とされがちなのが工期の差です。スケルトンの2〜3ヶ月は旧・新オフィスの賃料を二重に払います。30坪なら2ヶ月で140万円、これも実質的な初期費用です。工事区分によって誰が費用を負担するかが変わるため、A工事・B工事・C工事の違いも契約前に確認してください。
内装以外にかかるもの
| 項目 | 目安 | 30坪・10人の実額 |
|---|---|---|
| 什器(デスク・チェア・収納) | 1人あたり10〜30万円 | 100万〜300万円 |
| IT工事(LAN配線・Wi-Fi・サーバー) | 坪3〜8万円 | 90万〜240万円 |
| 引越し・運搬 | 1人あたり2〜5万円 | 20万〜50万円 |
什器はセットアップなら不要です。IT工事も、固定電話をクラウドPBXに、有線LANを業務用Wi-Fiに寄せれば圧縮できます。
③ 旧オフィスの原状回復費用
見積もりから抜け落ちやすいのが出ていく側の費用です。オフィスの原状回復は住宅と違い、間仕切り撤去・天井床壁の復旧・電気配線の撤去まで含みます。
| 規模 | 坪単価の目安 | 総額の目安 |
|---|---|---|
| 〜30坪 | 2〜5万円/坪 | 60万〜150万円 |
| 30〜100坪 | 5〜8万円/坪 | 150万〜800万円 |
| 100坪〜 | 8〜12万円/坪 | 800万円〜 |
この費用は退去時に敷金から差し引かれるのが一般的です。つまり「敷金が返ってくるから次の物件に回せる」という計算は、原状回復費を引いた残りでしか成立しません。坪単価の根拠と削減方法はオフィスの原状回復費用の相場、違約金や敷金精算まで含めた全体像はオフィス退去費用の全体像で解説しています。
【一次データ】東京の実勢賃料と敷金
東京の空室8,781区画(4,675棟)のうち、賃料を公開している区画の中央値です。
| 広さ | 人数の目安 | 坪単価の中央値 | 月額賃料の中央値 | 集計区画数 |
|---|---|---|---|---|
| 15坪前後 | 5人 | 19,036円 | 269,993円 | 189 |
| 30坪前後 | 10人 | 23,000円 | 697,268円 | 166 |
| 50坪前後 | 20人 | 20,000円 | 923,400円 | 129 |
敷金については、セットアップオフィスとそれ以外で明確な差が出ています。
| 物件タイプ | 敷金の中央値 | 平均 | 集計区画数 |
|---|---|---|---|
| セットアップオフィス | 6ヶ月 | 5.8ヶ月 | 350 |
| それ以外 | 8ヶ月 | 7.7ヶ月 | 6,729 |
セットアップは坪単価が高い代わりに敷金が2ヶ月分低く、内装工事費も不要なので、初期費用では有利に働きます。
敷金0円で入居できる区画は176区画・65棟、うち内装付きは74区画・34棟です(同時点)。数は限られますが、当てはまれば初期費用は劇的に変わります。
同じ30坪でも、エリアが違えば初期費用は500万円変わる
賃料が安いエリアなら初期費用も安い。そう考えがちですが、敷金の月数がエリアごとに違うため、実データはそう単純ではありません。区ごとの坪単価と敷金月数の中央値から、30坪の契約時費用を計算しました。
| エリア | 坪単価の中央値 | 30坪の月額賃料 | 敷金の中央値 | 契約時費用の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 渋谷区 | 33,495円 | 1,004,850円 | 7ヶ月 | 約1,019万円 |
| 品川区 | 23,500円 | 705,000円 | 10ヶ月 | 約928万円 |
| 港区 | 27,000円 | 810,000円 | 7.5ヶ月 | 約863万円 |
| 中央区 | 24,272円 | 728,160円 | 8ヶ月 | 約812万円 |
| 千代田区 | 24,000円 | 720,000円 | 6ヶ月 | 約659万円 |
| 新宿区 | 18,000円 | 540,000円 | 6ヶ月 | 約495万円 |
渋谷区と新宿区の差は523万円。ここは賃料差から想像がつきます。注目すべきは次の2点です。
中央区と千代田区は、坪単価がほぼ同じでも153万円違う
坪単価の差はわずか272円(中央区24,272円/千代田区24,000円)なのに、契約時費用は153万円離れます。敷金の中央値が中央区8ヶ月、千代田区6ヶ月だからです。月額賃料だけを並べた比較表では、この差は絶対に見えません。
品川区は「賃料が安いのに初期費用が高い」逆転が起きている
品川区の30坪は月額705,000円で、港区の810,000円より月10万5,000円安い。ところが敷金の中央値が10ヶ月と都内で最も重く、契約時費用は港区より65万円高くなります。長期では年126万円安い品川区が有利ですが、入居時のキャッシュでは逆転します。手元資金が限られていれば、この差が結論を変えます。
初期費用はいつ、いくら出ていくのか
総額だけでは資金繰りを組めません。支払いは数ヶ月に分散します。30坪・スケルトンのケースを時系列に並べます。
| 時期 | 支払うもの | 30坪の目安 |
|---|---|---|
| 申込〜契約(入居の2〜3ヶ月前) | 敷金・前家賃・仲介手数料・保証委託料・火災保険 | 781万円 |
| 契約後〜工事着手 | 内装工事の着手金(工事費の3〜5割) | 270万〜1,200万円 |
| 工事期間(2〜3ヶ月) | 旧オフィスと新オフィスの二重賃料 | 140万円(2ヶ月分) |
| 引渡し前後 | 内装工事の残金・什器・IT工事 | 640万〜2,220万円 |
| 入居月 | 引越し・運搬 | 20万〜50万円 |
| 旧オフィス退去後 | 原状回復費(敷金から精算) | 60万〜150万円 |
山は契約時の781万円と工事着手金の2つで、2ヶ月以内に連続することが多く、ここで資金がショートします。セットアップを選べば工事着手金と二重賃料がまるごと消え、契約から入居までの期間も短くなります。
会計上はどう扱われるか
支出のタイミングと費用計上のタイミングは一致しません。
| 項目 | 会計上の扱い | 消費税 |
|---|---|---|
| 敷金・保証金 | 差入保証金として資産計上(費用にならない) | 不課税 |
| 敷金の償却分 | 償却が確定した期の費用 | 課税 |
| 内装工事費 | 建物附属設備等として資産計上し減価償却 | 課税 |
| 什器・備品 | 10万円未満は費用、以上は資産計上して減価償却 | 課税 |
| 仲介手数料・引越し費用 | 支払時の費用 | 課税 |
| 原状回復費 | 原則として発生時の費用 | 課税 |
つまりキャッシュは大きく出ていくのに、その期の損益にはほとんど乗らないのがオフィス移転です。稟議では損益計算書ではなく資金繰り表で説明するほうが伝わります。敷金と保証金の消費税の扱いは判断を間違えやすいため、敷金・保証金の消費税ルールで詳しく整理しています。

規模別シミュレーション|通常物件と初期費用を抑えた場合
ここまでの数字を積み上げます。「通常」はスケルトン・敷金8ヶ月、「抑えた場合」は敷金0円のセットアップです。
| 費用区分 | 30坪・通常 | 30坪・抑えた場合 |
|---|---|---|
| 敷金 | 560万円 | 0円 |
| 前家賃・仲介手数料・保証料・保険 | 221万円 | 221万円 |
| 内装工事 | 900万〜2,400万円 | 0〜450万円 |
| 什器 | 100万〜300万円 | 0円 |
| IT工事 | 90万〜240万円 | 数万〜(Wi-Fi中心なら圧縮可) |
| 引越し | 20万〜50万円 | 20万〜50万円 |
| 原状回復(旧オフィス) | 60万〜150万円 | 60万〜150万円 |
| 合計 | 1,951万〜3,921万円 | 301万〜871万円 |
差は1,650万〜3,050万円。賃料を1〜2割値切る交渉より、物件タイプの選択が桁違いに効きます。
規模別の契約時費用(①のみ)は次のとおりです。
| 広さ | 月額賃料 | 敷金8ヶ月 | その他の契約時費用 | 契約時合計 |
|---|---|---|---|---|
| 15坪(5人) | 27万円 | 216万円 | 87万円 | 約303万円 |
| 30坪(10人) | 70万円 | 560万円 | 221万円 | 約781万円 |
| 50坪(20人) | 92万円 | 736万円 | 290万円 | 約1,026万円 |
移転の進め方とスケジュール
費用の大半は「物件を決めた瞬間」に確定します。起点は現オフィスの解約予告で、オフィスは6ヶ月前が一般的です。ここから逆算します。
| 時期 | やること | ここで確定する費用 |
|---|---|---|
| 6ヶ月前 | 解約予告の期限を確認し、予算上限と譲れない条件を決める | —(ここを飛ばすと後で全部ブレる) |
| 5〜4ヶ月前 | 物件を探す。賃料・敷金・物件タイプ(スケルトン/居抜き/セットアップ)を並べて比較 | 敷金・内装工事費(総額の8割以上) |
| 4〜3ヶ月前 | 内見。追加工事なしで使えるかを確認し、フリーレントと賃料を交渉 | 追加工事の要否、フリーレント |
| 3ヶ月前 | 申込・契約。解約予告を提出 | 契約時費用781万円(30坪) |
| 3〜1ヶ月前 | レイアウト設計、内装工事、什器・IT手配 | 工事の追加変更分 |
| 入居月 | 引越し。不要物を処分してから運ぶ | 引越し・処分費 |
| 入居後1ヶ月 | 旧オフィスの原状回復・明渡し、敷金精算 | 原状回復費 |
セットアップオフィスなら、この工程は3ヶ月前からで足ります。設計と工事の3ヶ月が不要になるためです。解約予告後に物件が決まらず二重賃料が伸びる事態も避けられます。
費用面で効くのは4〜3ヶ月前の内見です。分電盤の容量、空調の能力と位置、LAN配線の有無、什器の状態を設備単位で確認してください。見落とした項目はそのまま追加工事になります。
見積もりが後からブレる3つのポイント
当初見積もりから金額が動く原因は、ほぼ次の3つです。いずれも契約前に潰せます。
B工事の範囲
工事はビル側のA工事、ビル指定業者のB工事、テナントが自由に発注できるC工事に分かれます。問題はB工事で、業者を選べず相見積もりが取れません。空調・防災・電気幹線などが該当し、坪10〜40万円と幅が大きく想定を超えがちです。範囲は物件ごとに違うので、申込前に工事区分表をもらってください。
原状回復の範囲
契約書が「スケルトン返し」か「原状復帰」かで、退去時の金額は数倍変わります。入居時に内装があった物件でスケルトン返しの条件だと、自分が作っていない部分まで撤去することになります。入居前に必ず確認してください。
電気容量と空調
築古・小規模のビルでは、既存の電気容量が足りないことがあります。1人あたりのPC・モニター・ネットワーク機器が増えているためです。容量不足なら増設工事が必要で、B工事に該当すると費用が読めません。内見時にブレーカー容量と想定人数を伝えて可否を確認してください。
初期費用を抑える6つの方法【効果の大きい順】
| 方法 | 30坪での削減額 | 難易度 |
|---|---|---|
| 1. セットアップオフィスを選ぶ | 1,000万〜2,700万円 | 低(探せばある) |
| 2. 敷金0円・敷金減額の物件を選ぶ | 最大560万円 | 中(物件数が限られる) |
| 3. 居抜き物件を検討する | 600万〜1,350万円 | 中(前テナント都合で流動的) |
| 4. フリーレントを交渉する | 70万〜210万円 | 中(空室期間が長い物件ほど通る) |
| 5. 什器をリース・中古にする | 50万〜200万円 | 低 |
| 6. 引越しを閑散期に実施する | 5万〜15万円 | 低 |
1. セットアップオフィスを選ぶ
最も大きく最も読みにくい内装工事費と什器購入費を、まとめて消せます。工期ゼロなので二重家賃も出ません。坪単価は高くなりますが、3年以内の利用ならトータルコストで逆転します。什器までそろった物件はフルセットアップオフィスと呼ばれます。詳しくはセットアップオフィスの初期費用シミュレーションで面積別・エリア別に試算しています。
2. 敷金0円・敷金減額の物件を選ぶ
契約時費用の72%を占める敷金を直接叩けます。東京の敷金0円オフィス一覧から現在の掲載を確認できます。保証会社の利用が条件になる場合があり、保証委託料の目安は賃料1ヶ月分程度です。
3. 居抜き物件を検討する
前テナントが内装を残して退去した物件で、内装工事費が坪10〜35万円まで下がります。ただしレイアウトは前テナントのもので、業種が違うと使いにくいことがあります。退去する側の視点は居抜き退去の6ステップで扱っています。
4. フリーレントを交渉する
入居後の一定期間、賃料が無料になる条件です。1〜3ヶ月が一般的で、30坪なら70万〜210万円。空室期間が長い物件、期の変わり目、複数区画を抱えるビルほど通ります。賃料の値下げより、オーナーが応じやすい交渉材料です。
5. 什器をリース・中古にする
1人15万円の什器を10人分そろえると150万円ですが、リースなら月額数万円に平準化できます。キャッシュを採用やプロダクトに回したい成長期の企業には合理的です。
6. 引越しを閑散期に実施する
引越し業者の繁忙期は3〜4月と9月です。ずらせるなら見積もりが下がります。金額は小さいものの、日程に自由が利くなら取っておく価値はあります。
やってはいけない3つのこと
原状回復費用を計算に入れないまま予算を組む
最も多い失敗です。新オフィスの費用だけで予算を組み、退去時に旧オフィスの原状回復で数百万円を請求されて資金繰りが崩れます。移転を決めた時点で、現契約の原状回復条項を読み直してください。B工事の範囲がどこまでかで金額が大きく変わります。
立地を妥協しすぎる
賃料の安さだけで郊外に移ると、採用への影響と通勤負担が後から効いてきます。月10万円の賃料削減より、採用が1人止まるコストのほうが大きいことは珍しくありません。初期費用は物件タイプで削り、立地は削らないのが原則です。
契約直前まで契約書を読まない
解約予告期間(6ヶ月前が一般的)、中途解約時の違約金、原状回復の範囲、更新料の有無。これらは入居後には変えられません。初期費用を抑えても、退去時の条件が重ければ結局トータルでは高くつきます。
よくある質問
Q. オフィスの初期費用は結局いくら見ておけばいいですか?
A. 契約時に不動産会社へ支払う分だけなら賃料の約11ヶ月分。内装工事と原状回復を含めた総額は物件タイプ次第で、30坪なら300万円台から3,900万円まで幅があります。まず物件タイプを決めないと総額は出ません。
Q. 敷金は返ってくるのだから初期費用に含めなくてよいのでは?
A. 会計上は資産計上ですが、入居時にキャッシュが出る事実は変わりません。退去時には原状回復費が差し引かれ、償却条項があれば一部は戻りません。資金繰りでは初期費用として扱うのが安全です。返還の時期と実態はオフィスの敷金はいつ返る?で解説しています。
Q. 仲介手数料が無料の会社は信頼できますか?
A. 貸主から手数料を受け取る形(元付け業者)なら、借主が無料でも成り立つ仕組みです。ただし紹介物件が自社の管理物件に偏る可能性はあるため、扱える範囲を最初に確認してください。
Q. セットアップオフィスは退去時も費用がかかりませんか?
A. 軽くなる傾向はありますが、ゼロではありません。造作や什器はオーナーの所有物なので対象外ですが、自社で追加した工事や損耗は対象です。契約ごとに範囲が違うため、入居前に退去条件を確認してください。詳しくはセットアップオフィスの退去時の注意点で解説しています。
Q. 初期費用の安い物件は、設備やセキュリティが不安ではありませんか?
A. 初期費用の安さは建物のグレードではなく契約条件と内装の有無で決まります。敷金0円やセットアップは空室を早く埋めるための条件設定で、設備が劣る意味ではありません。確認すべきは入退館の管理方式、エレベーターのセキュリティ、24時間利用の可否、新耐震(1981年以降)かどうかです。
Q. 増床と移転では、どちらが安く済みますか?
A. 同じビル内で隣接区画を借りる増床のほうが安く済みます。引越し費用がほぼかからず旧区画の原状回復も出ないため、30坪なら原状回復60万〜150万円と引越し20万〜50万円が浮きます。ただし空き区画がなければ選べず、フロアが分かれると効率が落ちます。空室が出る時期を管理会社に確認し、待てるかで判断してください。
Q. 初期費用を分割払いにできますか?
A. 敷金の分割に応じるオーナーは多くありません。現実的な選択肢は、敷金0円・減額の物件を選ぶ、内装工事費をリース契約にする、什器をリースにする、の3つです。いずれも月額に平準化してキャッシュアウトを抑えます。
まとめ
オフィス移転の初期費用は契約時費用・入居準備費用・退去費用の3つに分かれます。契約時費用は賃料の約11ヶ月分でその7割が敷金、入居準備費用は物件タイプで10倍以上変動します。
削減効果が大きい順に、①セットアップオフィス、②敷金0円・減額、③居抜き。この3つで大勢が決まります。30坪では通常1,951万〜3,921万円が301万〜871万円まで下がります。賃料交渉に労力を使うより、最初の物件選びで決めるほうが確実です。移転費用そのものの相場観はオフィス移転の費用相場はいくら?、創業期の資金計画はスタートアップが賃貸オフィスを借りるには?もあわせてご覧ください。
東京の実勢データは2026年9月7日時点です。最新の在庫は東京のセットアップオフィス一覧および東京の敷金0円オフィス一覧でご確認いただけます。
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